こんにちは。
催眠を心理学の知見によって解き明かす、
「催眠心理学」、
ベレッツアです。
突然ですが、
あなたは、自閉症の人のことをどう思いますか?
・自分の殻の中に閉じこもった変わった人?
・それとも、引きこもり?
・または、話しができない人?
・総じて言うと、普通の人と違う人かな?
そんな感覚を持っているなら、これからお話しすることが理解できれば、目から鱗が落ちる体験をするかもしれません。
はじめに
先日、自閉症と思われる人と触れ合う機会がありました。
話しをしていても、なんとなく、話が伝わっているのかどうか疑問に思えたり、返答がこちらの期待した答えではなかったりしました。
まあ、自閉症と診断されても、されなくても、自分の言いたいことをマシンガンのようにしゃべる人とか、大勢いますよね。
返事をしっかりせずに、何を考えているのか分からない人とか、会話がスムーズにできない人って、結構多くいると思いませんか?
ベレッツアが登録している「カウンセリング.com」で質問を見ていると、
といった声が時々あります。
自閉症をはじめ多くの心理的な疾患について
との思いに至りました。
そこで、今回は自閉症について、少々述べてみたいと思います。
自閉症は病気ではない?
自閉症とは、
社会性の障害や他者とのコミュニケーション能力に障害・困難が生じたり、こだわりが強くなる脳機能障害。先天性の要因が大きい。脳機能上の異常から認知障害の発症へといたる具体的なメカニズムについては未解明の部分が多い。(Wikipediaより)
という解釈で間違いないですね。
ですが、本当にそうなのでしょうか。
多くの人は、自閉症を病気の一つとして、「自閉症であるか、ないか」の二つのくくりで考えてしまうことが多いようです。
ここで、自閉症の人に現れる現象を少々見ていきましょう。
DSM(精神障害の診断と統計マニュアル。精神障害の分類(英語版)のための共通言語と標準的な基準を提示するものであり、アメリカ精神医学会によって出版された書籍)によれば、
- コミュニケーションにおける質的な障害
- 視線の相対・顔の表情・体の姿勢・身振り等、非言語行動がうまく使えない。
- 例:会話をしていても目線が合わない。叱られているのに、笑っている。
- 発達の水準にふさわしい仲間関係が作れない。
- 興味のあるものを見せたり指さしたりする等、楽しみ・興味・成果を他人と自発的に共有しようとしない。
- 対人的または情緒的な相互性に欠ける。
- 例:初対面の人に対する無関心。
- 視線の相対・顔の表情・体の姿勢・身振り等、非言語行動がうまく使えない。
- 意思伝達の質的な障害
- 話し言葉の発達に遅れがある。または全く話し言葉がない。
- 例:クレーン現象(何かして欲しい事があった場合に、そのことを直接言葉では伝えず(伝えられず)、近くの人の手を引っ張って対象物の所まで連れていく行動。)
- 言語能力があっても、他人と会話をし続けることが難しい。
- 例:一問一答の会話になってしまう。長文で会話ができない。
- 同じ言葉をいつも繰り返し発したり、独特な言葉を発する。
- 例:人と会話をする際に同じ返事や会話を何度もする。
- 発達の水準にふさわしい、変化に富んだ『ごっこ遊び』や社会性を持った『物まね遊び』ができない。
- 話し言葉の発達に遅れがある。または全く話し言葉がない。
- 限定され、いつも同じような形で繰り返される行動・興味・活動(いわゆる「こだわり」)
- 非常に強く、常に繰り返される決められた形の一つ(もしくはいくつか)の興味にだけ熱中する。
- 例:特定の物、行動などに対する強い執着心。
- 特定の機能的でない習慣・儀式にかたくなにこだわる。
- 例:物を規則正しく並べる行動(「規則」といってもあくまで本人の基準による「規則」の場合があり、他の人から見た場合、乱雑であったり、規則性が無いように見えることもある。)。
- 例:水道の蛇口を何度も開け閉めする行動。
- 常同的で反復的な衒奇(げんき)的運動物体の一部に持続的に熱中する。
- 例:おもちゃや本物の自動車の車輪・理髪店の回転塔・換気扇など、回転するものへの強い興味。
- 例:手をヒラヒラする。体を前後に揺らす(ロッキング)。
- 非常に強く、常に繰り返される決められた形の一つ(もしくはいくつか)の興味にだけ熱中する。
といった行動を自閉症として定義しています。
これを見て、
と思った人はいませんか?
スマホやゲームに熱中する人もいれば、友達としゃべるときに同じ言葉ばかり話したり、心を通わせる友人ができないと嘆く人もいる。
結構、自分や、周りの人たちに当てはまってしまう内容ですよね。
実はその通りで、自閉症は、「自閉症スペクトラム」の言葉で代表されるように、自閉症の人と、定型発達(自閉症でない人)の人との違いは明確ではありません。
出典:自閉症スペクトラムとは何か ひとの「関わり」の謎に挑む (ちくま新書) [ 千住淳 ]
実際のところは、定型発達と自閉症との間でどこにいるかの問題なのです。
ここでちょっと普段の自分を思い返してみてください。
普通の人も「相手と目を合わせられない」という同じ行動をとっていることがあります。
例えば、
・嘘をついている時
・話している相手に隠したいやましい事が有る時
・恋愛初期で大好きな人が目の前にいる時
などなどです。
このように、どんな人でも起こり得ることなので、定型発達と自閉症の間の差など、有って無いようなもの。
だから、コミュニケーション障害で、人と目を合わせられない人が自閉症と判断されたとしても、全く心配することはありません。定型発達の人と少し違うだけなのですから。
自閉症の人の特色
自閉症の人はとてもまじめです。
物事をストレートに受け止める性格と言い換えてもいいかもしれません。
次の動画は映画レインマンの1シーンです。少し見てみてください。
レインマンは自閉症の兄とともに旅行する映画です。
この映画の中で、この兄が横断歩道の信号が”WALK”から”DON’T WALK”に変わったのを見て、その文字の意味をそのまま受け取り、道端に立ち止まったというところが自閉症の特徴。
自閉症の兄は”DON’T WALK”(歩くな)という文字をそのまま受け取り、道路に立ち止まって、もう少しで車にひかれそうになっているのです。
私たちなら、”DON’T WALK”と表示されたら、立ち止まるどころか、走って駆け抜けるか、元の位置に戻るのではないでしょうか。
自閉症の人から見たら、定型発達の人は
歩くなって書いてあるのに。
ということになります。
この見方をする限り、定型発達の人の行動の方が、よっぽどおかしな行動ですよね。
自閉症のから見ると、定型発達の人は「定型発達症候群」に見えるそうです。
とか
とか、
とか、見えるそうです。
また、自閉症の人は一つのことに集中する傾向があります。
この漫画がその特徴を表していますね。
物事をストレートに受け取り、客観的に見る能力。
定型発達の人たちにはできない能力です。
こんな能力を持っているから、一部の自閉症の人は定型発達では、絶対に出来ない、特異な能力を示します。
それは、サヴァン症候群と呼ばれるもの。
サヴァン症候群とは
- 一度見たことは決して忘れず、そのまま写真のような絵をかける能力。
- 一度聞いたことを忘れず、ずっと覚えられる能力。
- 何桁もの掛け算を簡単に計算する能力。
他にもいろいろありますが、どれをとっても普通の人、定型発達症候群の人々にとってはとても追いつくことができない、天才的な能力です。
よく考えてみればわかることなのですが、認知的な歪みを生じさせずに、客観的に物事をありのままにとらえる能力を備えているのが自閉症。
自閉症の人は、物事の本質を見極めるのにとても適した考え方、あるいは、脳を持っているのです。
天才と言われるレオナルド・ダヴィンチやアインシュタイン、ニュートンも人とのコミュニケーションには、苦労したと言われています。
天才と自閉症はつながるところがあります。特に、定型発達の普通の人とは違う思考を持っているのです。
とはいえ、自閉症の人も、全てにおいて、その気質を発揮するわけではありません。
例えば、計算の分野では優れているが、絵画では定型発達と同じ普通の人、あるいは、一度見たものは忘れず写真のような絵を描けるが、計算能力は人並み、というような人です。
自閉症の人は、一部の分野は優れていても、他のところは定型発達と同じといった様子を持ち合わせています。
このように見ていると、天才は、実は、自閉症の人の能力がずば抜けた時に起こった結果とも考えられます。
自閉症だからと言って気に病むことは全くないのです。
マイノリティだからと言ってマジョリティに劣っているとは言えないのです。
自閉症か定型発達症候群か
この自閉症であるか、定型発達であるかの見分け方は簡単にできます。
自閉症の人は物事を客観的に、事実を正確に見ることから、「誤信念課題」を解くことができないから。
誤信念課題とは、人の気持ちを推し量れるかどうかといった課題です。
サリーとアンの課題(バロン・コーウェン)で知ることができます。
ちょっとデフォルメされていますが、だいたいこんな質問です。
普通に考えると、カツオは出かけていたので、ワカメがケーキを入れ替えたのを知ることは出来ません。
ですが、自閉症の人は、カツオはワカメが移し替えた先の食器棚を調べるというのです。
普通の人はそんな考えには至りませんよね。
でも、自閉症の人は、カツオは食器棚にケーキを探すというのです。
定型発達の人の思考では到底考えられないですよね。
そして、この答えを選ぶ人は自閉症の人たち以外にもいるのです。
それは、4~5歳までの幼児。この年齢くらいまでの幼児は答えを正しく言えないのです。
「幼児は心の理論がまだ完成していないから、」というのが心理学的解釈です。
しかしながら、最近の研究により、心の理論はもっと小さい時から持っている、という研究成果が出ています。
心の理論の詳細は別の機会に譲るとして、(心理学の基本「心の理論」とは >> こちら)改めて、自閉症を考えてみると、実は、定型発達の人たちもその道を歩んできたんですよね。
なのに、「自閉症、自閉症」と病気扱いして、ひどければ、劣った者としてみなす人たちがいるのは本当に嘆かわしい事です。
ともすれば、定型発達の人には及びもつかない能力を秘めているのに。
おわりに
以上、「自閉症の真実とは」ということでお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
自閉症の人たちに対する思いが変化しませんでしたか?
また、自閉症をはじめとする〇〇症候群と呼ばれる精神疾患もなったから、言われたからとす部病気モードになる必要はありません。
自閉症などを発症している症候群がどの程度か、だけなんです。
そして、自閉症をはじめ精神的なものではすべて「スペクトラム」。
デジタル的に精神疾患か、そうでないかを決めることは出来ません。
確かに、ものの見方、考え方が違うと、コミュニケーションがとりづらく、マイノリティ側が悪い、正常ではないと判断されやすい傾向にあります。
しかし、その意識を変え、自閉症の人たちを「物事をありのままに客観的に見れる人」として接することができれば、お互いにもっと違った未来が待っているのではないでしょうか。
それでは、最後に、このブログを読んでくださった全ての人の上に、幸福が舞い降りてくるよう祈っております。
ベレッツア 高橋
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