こんにちは。
神戸のヒプノセラピー ベレッツア 高橋です。
催眠ってグーグルで検索しても、怪しいサイトが多いし、Youtubeで調べたら、「なんじゃこりゃ」て動画が山のよう。催眠についてしっかりと教えてくれるところがとても少ないですよね。
先日、催眠のダイレクトEメールが入ってきて、それなりにやってはいるけどなぁ~と思っていたらそのうちに、情報商材系催眠商品のご案内。
- 催眠術のかけ方は簡単なのか?
- 催眠にかかりやすい人、かかりにくい人はどんな違いがあるのか
- 催眠術って本当にあるのか?
- 催眠術って、エンタメとしての存在なのか?
そんな疑問をこれから一緒に見てみませんか。
催眠術って本当にかかるの?かかるのならそのかけ方は?
さて、催眠術って本当にかかるのでしょうか?もし、?催眠術にかかるとしたらそのかけ方は?
テレビで時々放送している催眠術、催眠術師が指を「パチン」と鳴らしたら、タレントさんが、犬になったり、サルになったり、はたまた、急に倒れて眠り込んだり。
すごく、不思議ですよね。
あれって、本当にかかっているのでしょうか。
「もしかしたら、かかっていないのかもしれない。」
そう思うこともしばしば。こんな映像もありますが、本当なのでしょうか。
登場している人は笑ってるし、ほんとにかかっているの?って感じですよね。催眠って、本当にあるのでしょうか。それともないのでしょうか。
YouTubeで”催眠術”で検索をかけると、アダルトな催眠ばかりがヒットするし、”催眠療法”で検索したら、性的な催眠か前世療法の動画ばかり。
思わず別次元に飛んでしまいそうな検索結果に溢れています。別世界に飛んで行ってしまう前に、しっかりと自分を保ち、催眠について考えてみましょう。
催眠って何?
催眠があるか、ないか、それを決めるには、まず、催眠って何なのかをはっきりさせないといけないですよね。
催眠とは、眠りを催すと書きますよね。英語でいうと”Hypnosis”。これはギリシア神話の神様ヒプノスという眠りの神様がモチーフになっています。
催眠状態に入っている人を見て、ジェイムス=ブレイドという人が命名したそうです。
↓ジェイムス=ブレイドってこんな人↓
出典:Wikipedia
催眠という言葉がこんな人に作られていたとは。。。。
で、催眠というのはどういう状態かというと、
ブレイドは、メスメリズムに代わり、「神経催眠」”Neuro-Hypnotism”という言葉を創出した。これは”Neurypnotism”と短縮され、さらに”Hypnotism”=「催眠」とされた。Hypno-はギリシャ語で眠りを意味し、これはメスメリズムや動物磁気といった言葉のもつオカルト的、超科学的な意味合いを払拭するものであった。
ブレイドの用いた催眠導入法は凝視法と呼ばれる、被験者を一点に集中させて目の疲れを促し同時に暗示を入れるもので、現在でも用いられる古典的催眠手法の一つである。彼はこれによって、磁力を用いずとも全く同じ現象を発現させることに成功した。(出典:Wikipedia)
分かったようなわからない説明。
もうちょっと、素人にも分かりやすく書いてほしいですよね。
(´;ω;`)ウッ…
なので、別の文献を頼りに調査。
米国催眠療法協会が作っているテキストから抜粋すると、こんな感じ。
催眠でない・・・ |
催眠とは・・・ |
寝ている状態 |
起きている状態 |
意識を失っている状態 |
リラックスした状態 |
騙されやすい状態 |
イメージが浮かびやすい状態 |
意志の弱った状態 |
心に何かを働きかけやすい状態 |
他人に操られる状態 |
無意識とラポールがとれている状態 |
コントロールの効かない状態 |
究極的なコントロールが取れている状態 |
分からない単語があるかもしれないけど、それは置いといて、意識が無くなったり、思わず恥ずかしいことをしてしまったりする今までのイメージと全く違うことに気づきます。”催眠ではない”と定義づけられているところが、今まで、催眠と認識していたという人が多いのではないでしょうか。
ここで、気になるところが、”他人に操られる状態”は「催眠ではない」ということ。
「えっ!そうなの?」
って思いますよね。
催眠術って、催眠術師の言うとおりに操られているのが催眠術じゃないの?と。
でも、催眠の世界では、そうではないのです。
操られている状態は「催眠ではない」理由
では、催眠とはどんな状態なのか、少し掘り下げてみますね。
先ほどの米国催眠療法協会から、お知恵を拝借しまして、催眠のモデルを見てみましょう。
普段表面に出てきているのが「意識」と呼ばれる部分で、考え事をしたり、計算したり、思いを巡らしたりする部分です。
つまり、あなたが、日常生活で特に気を配ることなく、実際に「意識」出来る部分です。
そして無意識とは、あなたが普段「意識していない部分」です。
例えば、昨日の夜食べた物とか、日本語の文法だとか、自転車の乗り方などですね。
思い出そうとすれば、思い出せるのですが、普段は記憶の引き出しの中にしまわれている部分。
記憶を担当する部分と言われています。
で、ここからが本題なのですが、
「意識」と「無意識」間には壁があるんです。
私たちは外界からいろいろな情報にさらされています。それも、とても多い情報量で、人間は毎秒200万byteの情報の濁流の中。
目に見えるもの、耳に聞こえるもの、肌で感じられるもの、舌で感じられるもの、鼻で感じられるもの。一般的に、「五感」と言われている部分です。
しかし、こんなにも多い情報の流れの中にいながら、人間が一秒間に処理できるのは145bitしかありません。
だから、これだけ多くの情報をすべて処理しようとすると、頭が持たず、パンクします。そうやって、ふさぎ込んでしまったり、むやみに疲れてしまったりするのが、現代人。
また、全ての情報を処理する必要もありません。ほとんどは不要な情報。なので、自分が必要な部分だけ処理するように人間はプログラムされているのです。
認知心理学では、これを認知システムと言い、切られてしまう部分はバイアスがかかるということになります。認知バイアスとは、「それ知っている。」とか、「今はその情報必要ないし。」とかいって情報をグループ化したり、一般化、単純化したり、歪曲したりすること。
そうやって、この大量の情報を遮断するシステムがクリティカルファキュリティという「意識」と「無意識」との壁なのです。
膨大な量の情報、あなたにとって不要な情報をシャットアウトするシステムです。
この壁は外界からの情報をシャットアウトするだけでなく、自分の「意識」と「無意識」のコンタクトもシャットアウトします。
だから、普段は、無意識に格納されている情報が表に出てこないのです。そして必要な時にだけ、クリティカルファキュリティが開き、無意識から情報を引き出すのです。
で、このクリティカルファキュリティ、「意識」と「無意識」の壁を取り去る作業が、「催眠」と呼ばれるものです。
だから、催眠は、クリティカルファキュリティといわれる壁があるかないかだけの話であり、催眠術にかかったとしても、完全な自分のコントロールのもとにあるということができるんです。
イライラしたり、気になることがあったりすると、クリティカルファキュリティは、高くそびえたまま全ての情報を跳ね返し、上手く意識と無意識はつながりません。
だから、催眠に入るためには、完全なリラックスが必要。そして、完全にリラックスして、この催眠に入っている状態を「トランス状態」と呼ぶこともあります。
トランス状態は自分を見失った酩酊状態を指すのではなく、その全く逆で、究極のリラックスと、完全な自己コントロールがなされている状態なのです。
と、ここまで、理解できましたか?
それでは、次に進みましょう。
催眠状態ってどんな状態?
理論的には理解できましたが、実際の例がないとイメージがつかめないですよね。
それでは、ちょっと例を見てみましょう。
催眠状態とは、例えば、こんな状態です。
ドライブしている時
運転をしている時って、すごく集中して、自分の世界に入っています。だから、周囲を見て、多くを判断しているけど、すれ違った車がどんな車だったか覚えている人は少ないはずです。
10分ほど町中で車を走らせたら、すれ違った車をすべて覚えている人はほとんどいないでしょう。
これは、見ているはずなのに、実際には見えていないという現象で、催眠によって意識が集中し、負の幻覚を見ているということができます。
また、運転すると性格が変わる人も少なからずいます。これは、催眠状態に入ることによって、抑圧されていた性格が出てきたと言えるでしょう。
映画館で映画を見ている時
映画館で映画を見ている時って、映画の中に入り込みますよね。椅子に座っていることも、ポップコーンを持っていることも、映画館に居る事すら忘れて。
ふとした瞬間に現実の映画館に戻されることもありますが、ほとんどは映画のシーンの中に自分が入ってしまっていますよね。
周りが見えなくなり、集中している状態。これはまさしく、催眠状態、トランスに入っています。
電車で大好きな音楽を聴いている時
電車に乗って大好きな音楽をイヤホンで聞いていたら、とても集中しますよね。
外界の騒音、混雑、風景など、全く気にならなくなり、見えなくなります。音楽に気を取られていたら、どんな風景だったかも覚えていません。たとえ、目を開けて外を眺めていたとしても、です。
まさしく、催眠状態ですよね。
そして、ふとした瞬間に電車が大きく揺れたとしましょう。そうすると、現実に引き戻され、周りに意識が向けられ、催眠状態が解けます。これは、クリティカルファキュリティが戻ってきて、催眠状態が解けた証拠です。
いかがですか?
催眠状態がどんなものか、イメージすることができたのではないでしょうか。
テレビで動物になったり、眠ったりする人は催眠にかかっているの?
さて、当初の疑問に戻ってみましょう。
テレビでやっている催眠術は本当に意識がなくなって、勝手に行動している夢遊病者のようにそうなっているのでしょうか。
ここで、大切なことは、その芸能人が、実際に、動物の真似をしたり、急に眠ったりしているという事実があるということ。
催眠状態=究極の自己コントロールですよね。
となると、自分でコントロールしているところで、催眠術で指示されたことを行ったということは、催眠術師が与えた暗示が効いて、動物になった、眠ったと判断することができます。
そうであれば、議論の余地がないのですが、疑問が残るところは、「わざとやっているのではないか」ということです。
仮にその人がテレビ的に必要だと思い、「わざと」したとしましょう。
でも、わざとやったとしても、それは、催眠にかかっていると言えるのです。
なぜなら、催眠→自分を制御できること→暗示を与えられる→実際に行った。となり、自分のコントールで催眠術師のいうことをそのまま受け止め、行っているから。
催眠術師の「暗示」が「発動」していることになるのです。
自分の意思で自分の身体をコントロールしているから、実際に催眠術師の暗示を実行したという事実は、「催眠にかかっている」という事実になるのです。
催眠にかかる人とかからない人
ここまで、読んで頂いたあなたなら、催眠にかかる人とかからない人を、区別できるのではないでしょうか。
催眠にかかる人は、相手の話をしっかりと聞ける人。催眠にかからない人は、かかりたくないと思っている人、相手の話を聞かない人、なのです。
催眠とは、暗示を聞き入れるのに都合がいい状況を作り、無意識の領域に催眠術者が暗示を「すっ」とインストールする手段にすぎません。
その暗示も、自分の信念に反することはクリティカルファキュリティが遮断してしまうのです。
例えば、「裸で外を走ってこい」と暗示を与えられても、そんな趣味を持っている人以外は催眠が解けてしまいます。
人を殺せと暗示を与えられても、それを悪と思っている限りは、その暗示を与えられた時にはねつけてしまいます。
映画館で、トランス状態の人に、あなたは盗みをするようになる、と暗示を与えたら、映画から覚めることはあっても、盗みをすることはないでしょう。(根っからの盗賊でなければ、ですが。)
まとめ
いかがでしたでしょうか。催眠について、誤解が多く、危ないもの、異質なもの、宗教的なものという認識が根強くありますし、たしかに、テレビを見ていたらそんな知識にあふれかえっています。
ある意味、これって、テレビがあなたに催眠にかけているんですよね。これが催眠だと、あなたに暗示を与えているのです。
まるで、映画館でのトランスのように。
テレビ催眠に暗示を与えられ、テレビの思惑にはまり込むことをやめてみたら、もっと目が広がり、多くの物が見えるようになるかもしれません。
催眠はいつでもあなたの近くにあります。
子供がけがをした時に「痛いの痛いの飛んでいけ~」ってやりませんか?
そうしたら、子供は怪我の痛さを吹き飛ばして、泣き止み、また元気に走り出します。これも催眠&暗示の一つ。
良くも悪くも使える催眠。ぜひあなたの相棒として良き方向で活用してもらいたいものです。
催眠の世界って、かなり異質な存在として認識されることが多いです。心理学というと、「すごいね」と思われるのに、催眠というと、「え~、危ない世界に入っているのね」と思われやすいです。
そんな中、本当の催眠とは何かを知っていただきたく、催眠のブログ第1稿として、「催眠術って本当なのか」を書いてみました。
これから、このブログでは、心理学の観点を織り込みながら、催眠の世界に潜り込んでいきます。無限の世界、果てしない世界、終わりのない世界、そんな精神世界を一緒に旅してみませんか?
ベレッツア 高橋
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