こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
催眠音声というものを聞いたことはありますか?
ワイヤレスイヤホンや閉鎖型のヘッドホンで聞く音声のことで深い睡眠への導入に使われるものやハイヤーセルフとの出会いから、ちょっとエッチなものまで幅広く利用されています。
この催眠音声がなぜ、感情を揺り動かすのかというと、ある秘密のテクニックが使われているから。
それでは、催眠音声の秘密を探ることにしましょう。
催眠音声をワイヤレスイヤホンで聞く喜び
催眠音声を聞いて、ゾクゾクしない人はいないのではないでしょうか。
催眠音声とは、まるで、あなたのすべてを包み込むような音の快感。
閉鎖型のヘッドホンでもいいのですが、ワイヤレスイヤホンで聞くとその解放感と、音に包まれる感じがとても気持ちいい。
目を閉じて催眠音声を聞いていると、まるで、お母さんのおなかの中にいるような包まれ方を感じることができるのではないでしょうか。
そんな催眠音声には、隠された秘密がいくつかあります。
その秘密の一番大きいポイントになるものは、ダブルバインド。
ダブルバインドとは、グレゴリー・ベイトソンというフィールドワークで人間の心理を探求し続けた人類学者が見つけた心理学の理論。
そんな、催眠音声の秘密である、ダブルバインドについてみていきましょう。
(関連記事:臨床心理を学ぶ人必見!偉大な心理学者の有名な名言集)
催眠音声の秘密はダブルバインド
催眠音声の秘密は、ダブルバインドという心理学のテクニック。
ダブルバインドとは、2つの質問を同時にあなたに投げかけ、それ以外の答えを排除して望む答えをあなたから得るという心理的な技法。
ミルトン・エリクソンという催眠療法のエキスパートがその催眠誘導によく使う技法で、許容的な催眠誘導では、必須の技術となります。
催眠療法での催眠誘導は、セラピーに入るための必須の技術なので、ダブルバインドは多くのヒプノセラピスト、催眠療法士が利用している技術。
そんなダブルバインドとは、2つの質問で相手を挟み込み、そのほかの選択肢を奪うという技法です。
人は、2つの質問に挟まれると、その2つに気を取られてしまい、他のことに気が回らなくなる生き物。
もともと、人間の思考は、マルチタスクには適していません。
二兎追うものは一兎も得ずということわざの通り、1つのことについて集中するから、結果が出る。
つまり、ダブルバインドで2つのことに対しての答えを求められると、一気に思考回路がオーバーフローを起こし、考えられなくなってしまう。
だから、与えられた2つの質問以外の答えを探すことをやめてその2つのうちから選ぶことにしてしまうのです。
(関連記事:ダブルバインドとは心理学の理論。ポジティブダブルバインドの有効性)
催眠音声に必須のバイノーラル録音
催眠音声には、ダブルバインドの効果を高めるために、バイノーラル録音という技術が使われます。
バイノーラル録音とは、ステレオ録音の技術の一つで、イヤホンのスピーカーから出る音が鼓膜に到達するまでの時間を考えて、立体的な音にする技術。
AppleでかなりおススメされているものでASMR「Autonomous Sensory Meridian Response(
音を聴くだけでそこにいるような感じを受けるとともに、ゾクゾクする感情を生み出します。
この感情を上手く使っているのが催眠音声。
音だけで感情にアプローチするのではなく、意味のある言葉を使うところが催眠音声の大きなポイント。
意味があり、その状況を想像しながら聞くことで、実際にそばで話しかけられているような感覚を引き出せるのです。
そのためR18指定の音声が多数作られており、催眠音声と検索するだけで簡単に見つけることができます。【R18催眠音声】
バイノーラル録音で記録された音源は、ステレオ音源対応のヘッドホンやイヤホンで聞くとまるでその場に居合わせたかのような感覚に陥ります。【バイノーラル音源の音楽】
バイノーラルの原理とは、耳の中の構造を解析し、鼓膜に到達するまでの音を知覚するシステムについて、物理的、科学的に分析、解析して得たデータによって、再現する方法。
だから、まるですぐそばで起こっているような音として聞くことができるのです。
バイノーラルの音源は、実物大の人間を模写した人形を使って時間の形状と鼓膜の位置を正確にマイクをセットし録音します。
耳や耳管の形状による音波の回析や反射、音量差や耳管さなども鮮明に記録するのがバイノーラルによる録音。
だから、それをステレオのイヤホンで再生するとまるでその場に居合わせたかのような音が再現できるのです。
右の耳から入る音と左の耳から入る音の音声がステレオ音源だから、音によるダブルバインドが完成する。
音楽の二重唱や二重奏も同じ原理で音のダブルバインドと言えるでしょう。
(関連記事:臨床心理を学ぶ人必見!偉大な心理学者の有名な名言集)
催眠音声で五感を高めるドキドキ感
催眠音声は、このバイノーラル音源を基本として録音されたもの。
そして、その録音された音声で作られたダブルバインドな質問で埋め尽くされているのです。
まるでそこにいるような音と、答えが決まっている質問に囲まれた催眠音声。
音とダブルバインドという心理的な圧力を加えられて、意識が正常に保てるわけもなく、普段の意識が崩壊して、催眠音声の世界にとらわれてしまうのです。
音楽の世界で二重唱というものがあります。
この二重奏も二人の声が重なることで、ダブルバインドが生まれるものといえるでしょう。
催眠療法やNLPにもダブルバインドの技術を使うものがあります。
1人のヒプノセラピストがあなたの左の耳へ暗示を語りかけ、もう1人のヒプノセラピストがあなたの右の耳に暗示を語りかける方法。
バイノーラル音源という録音されたものではありませんが、ヒプノセラピーでは、最新の技術に使われる理論が経験的に昔から使われていたといえるでしょう。
古代エジプトから受け継がれてきた最古参の催眠療法は、最新鋭のバイノーラル音源やASMRにも使われる理論なのです。
(関連記事:ASMRという略語の正式名称や意味、読み方をカタカナで書くと)
まとめ
以上、「催眠音声をワイヤレスイヤホンで聞くあなたへ。その秘密はダブルバインドにあり」についてお伝えしました。
催眠音声はエロティックなものが多いですが、決してエロの世界だけのものではありません。
催眠とは、通常の意識レベルを下げて記憶が格納されている無意識へアプローチする手段。
催眠音声とは、無意識の奥底に眠る本能的な感情を目覚めさせるものなのでしょう。
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