こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
ヒプノセラピーは効果ないので受けない方がいいよ。
そんな言葉を聞いたことがあるかもしれません。
実際にその人はヒプノセラピーを受けて効果がなかったのでしょう。
しかしながら反対に、ヒプノセラピーを受けて、過去の問題を清算し劇的に変化する人もいます。
ヒプノセラピーを受けて効果が感じられなかったのは、なぜなのでしょうか。
そして、効果が感じられないということが起こらないようにする対策は、どのようなものがあるのでしょうか。
ヒプノセラピーとは
ヒプノセラピーとは、日本語で催眠療法のこと。
催眠を使って、潜在意識によりよい変化を与える心理療法です。
潜在意識とは、無意識とも呼ばれる部分で、普段意識に昇っていない記憶が眠っている場所。
過去から現在、そして未来まで全ての記憶が格納されている場所が、潜在意識であり無意識と呼ばれる部分。
人はこの無意識の中にしまわれている要素、つまり、記憶をもとに、判断を下していきます。
過去にこんな経験をしたから、今回はこうしよう。そんな判断ができるのは、無意識に記憶があるから。
つまり、判断するときは、あなたの記憶が基準になるので、無意識の中の記憶によってあなたの人格が作られるともいえるのです。
この理論は、人格心理学の基礎を作り上げる理論の一つであり、認知心理学の記憶に関する重要な考え方。
この記憶は、無意識の中へ格納される時に意味付け、ラベル付けが行われれます。
そして、他の記憶と意味ネットワークというもので結ばれているシステム。
この意味ネットワークのおかげで、なにか意識に昇った時に、関連する記憶を思い出すことができるのです。
ヒプノセラピーは、この意味ネットワークという記憶のシステムへアクセスる手段。
相談者が催眠状態に入ることで、相談者自身の無意識の世界を表に出してきてその記憶の意味付けを変え、、意味ネットワークのつながり方を変化させていく手段。
その手段が、ヒプノセラピーなのです。
(関連記事:ゲシュタルト療法で感情を探るのは怖い?意味ネットワークでつながる感情の連鎖)
ヒプノセラピーは受けても効果ない?
ヒプノセラピーを受けても効果ない、そう思っている人がいます。
ヒプノセラピーは、記憶のつながり方を変える方法なので、理論的には、効果があるもの。
では、なぜ、ヒプノセラピーを実際にうけても効果なく終わってしまう人がいるのでしょうか。
その答えは、認知バイアスという人間の心理的な働きがあるから。
例えば、お化け屋敷が怖いという子供がいたとします。
その子供に、お化け屋敷の中にいるのは単なる機械や人間でしかないと理解させたとしましょう。
そうすると、お化け屋敷の怖さが一気に消えてしまいます。
お化けが得体のしれないモノで何をしてくるかわからないと感じるから怖いのであって、その意図や現実がわかると問題が一気に消え去るのです。
ただ、大人に対してはこのように簡単に納得しないので上手くいきません。
その理由は、大人が子供より知識経験が豊富で、頑固な上に疑うことを知っているから。
お化け屋敷の例を取ってみても、お化け屋敷をやっていると霊が住み着くとか、悪霊を呼ぶなどといった考えを持っていたら、人間や機械がやっていることだと言っても納得しないでしょう。
いくら、理論的に説明しようとしても、
とばっさり切り捨て、感情的にはなしを切りあげようとします。
これは、心理学的には認知バイアスというもので、自分にとって都合のいい情報だけを取捨選択する人間の認知機能。
だから、ヒプノセラピーは効かないということを頭から信じている人にとっては、何を伝えても、効果がないということ。
お化けを信じない人、UFOを信じない人、神を信じない人、心理療法を信じない人、催眠を信じない人、色々いますが、認知バイアスに気付くことがない限り自分の意見を変えようとせず、頑固な古い考えのまま。
ヒプノセラピーを信じなければ、何を言っても耳を貸さないというのがヒプノセラピーに対する認知バイアス。
つまり、ヒプノセラピーを信じていない人に何を言っても相手の心に届かず、切り捨てられてしまう。
これが、ヒプノセラピーが効かない理由なのです。
ヒプノセラピーが効かない理由
ヒプノセラピーが効かない理由は、大きく3つ考えられます。
その3つとは、
- 相談者自身にヒプノセラピーを受ける気がない
- ヒプノセラピストの技量が低い
- 相談者とコミュニケーションが取れない
それではそれぞれを見ていきましょう。
相談者がヒプノセラピーを受ける気がない
まず初めに、相談者自身がヒプノセラピーを受ける気になっていないということ。
ヒプノセラピーの効果を信じられず、食わず嫌いの状態でヒプノセラピーを否定している人には、効きません。
このように、ヒプノセラピーを受け入れる気がない人や拒否する人を催眠に抵抗がある人と言います。
その人が持っている価値観が作り出す催眠に対する抵抗が強ければ強いほどヒプノセラピーは効かないのです。
ヒプノセラピストの技量が低い
次に、ヒプノセラピーが効かない理由は、ヒプノセラピストの技量が低いということ。
車の運転が下手なら車をぶつけたり人をひいたり事故を起こしてしまうし、学校の先生の教え方が下手なら生徒の学力は低迷したままです。
ヒプノセラピーも同じで、ヒプノセラピストの技量が低いと、催眠状態に入ることができません。
もちろん、技量が低ければワーク自体のレベルも低く、ヒプノセラピーは効果ないと思われてしまうでしょう。
相談者とコミュニケーションが取れない
そして、3つめのヒプノセラピーが効かない理由は、相談者が話を聞いてくれずコミュニケーションを取れないということ。
力を抜いてくださいと言っても逆に力を入れたり、1,2,3で目を閉じてくださいと言っても目を閉じなかったりと、人の話を聞かない人は、そもそもコミュニケーションを取れていません。
ヒプノセラピーは言葉のやり取りでイメージを膨らませ、記憶の意味ネットワークへと入っていく手法。
言葉を使うヒプノセラピーでコミュニケーションを取れない相手とのセッションは、致命的な失敗につながります。
(関連記事:ヒプノセラピーに効果はあるのか。催眠療法のトラウマへの効果とは)
ヒプノセラピーが効かないようにならないための対策
このように、ヒプノセラピーを受けても効かないことは現実にあります。
その場合、ヒプノセラピーが効かないようにならないための対策はどのようなものがあるでしょうか。
答えを言ってしまうと、その対策は、ヒプノセラピストとしての技量をあげること。
この一言に尽きます。ヒプノセラピー自体の技量をあげるとともに、セラピーを受ける気のない人やヒプノセラピーに適さない人をうまくこなす技量を身につければいいのです。
相談者に対する対応、催眠にふさわしくない人に対する対応は状況により最適な対応が変化するので、柔軟な対応がとても大切。
まずは、次のような判断をして、ヒプノセラピーが効かないということが無いようスキルを上げていきましょう。
ヒプノセラピーを受ける気がない人は無料セミナーなどで出会うことが多い相手。
たいてい、バカにした態度で聴講しており、基本的に斜に構えています。
このような人には、ヒプノセラピーどころか、他の心理療法も効かないので、触れないようにしておくのが無難な対応。
それでも、あなたに近寄ってくるようであれば、ヒプノセラピーのような心理療法ではなく、人生相談で乗り切るようにしましょう。
また、コミュニケーションを取れない人は、事前面談でおおよそ気付くことができます。
その場合は、ヒプノセラピーではなく、認知行動療法などのコミュニケーションを取れなくてもできる別の心理療法に切り替えるか、別途、専門医を紹介するのが良いでしょう。
(関連記事:ヒプノセラピーのやり方はまず事前面談。本にも書かれる効果ある方法)
まとめ
以上、「ヒプノセラピーは効果ない?ヒプノセラピーが効かない理由と対策」をお伝えしました。
ヒプノセラピーは、無意識の中の記憶の意味付けさえ変えることができれば、効果が現れます。
ヒプノセラピーを行う時に催眠誘導ができない相談者を除外しているのに、効果が現れないとすれば、それはセラピストの技量不足。
- 事前面接で相談者の問題と資質を見ること
- 催眠誘導の種類を増やし、技量を磨くこと
- 年齢退行催眠や前世療法、エンプティチェアなどのワークでしっかりと相談者に寄り添うこと
- 問題解決にふさわしい暗示を与えること
これが、効果あるヒプノセラピーができるヒプノセラピストに求められる技量ではないでしょうか。
(関連記事:ヒプノセラピーは危険なのか。過去や前世のトラウマが再発した人へ)
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