こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
さて、何かとあなたに寄ってくる「かまってちゃん」。
ほどほどならコミュニケーションの一環ですが、度が過ぎて、イライラした経験はありませんか?
このかまってちゃんという心理状態は、TA交流分析の中の心理ゲームというもの。
もし、あなたが「かまってちゃんがめんどくさい。」と思うのなら、TA交流分析での心理ゲームの終わらせ方を試してみませんか?
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かまってちゃんとは
かまってちゃんとは、表面上でコミュニケーションをとるふりをして、自分のことに注意を向けて欲しい、見て欲しいという心理状態の人。
あなたも、人から褒めてもらいたいとか、やった成果を認めてもらいたいといった気持ちはありますよね。
そんな気持ちを承認欲求といい、マズローというアメリカの心理学者が人間が持っている基本的な欲求として定義している5つの欲求のうちの一つ。
かまってちゃんは、この承認欲求が人一倍強いのです。
こんなかまってちゃんの心理はこれから述べる次の5つが特に強く現れています。
そんな「かまってちゃん」の心理は、少しでもその気持ちがわかると、その対処法が自然とわかってきます。
かまってちゃんのめんどくさい心理
かまってちゃんのめんどくさい心理は、相手から自分の存在を認めて欲しいということに関連します。
自分の存在を認めて欲しいということは、あなたとコミュニケーションを取りたいということ。
そのコミュニケーションの結果、その後の関係がうまくいくかいかないかは、問題ではないのです。
だから、かまってちゃんはウザイと思われたり、めんどくさいと思われたりするのです。
その自分の存在を認めて欲しいかまってちゃんの心理状態は大きく分けて5つにまとめられます。
このかまってちゃんの5つの心理状態を順に見ていきましょう。
人に依存したい
かまってちゃんは、かまってちゃん自身の存在を認められたい。
だから、一人でいるのが耐えられません。だから、常にだれかと一緒にいたり、物事を決める時に誰かに相談したりします。
自立できていないように見えるし、実際一人だと何もできないことが多いのが「かまってちゃん」。
近くに頼れる人がいないと頻繁に友人や恋人、家族や同僚に頻繁にLINEやメール、電話をするようになり、既読スルーやメールの返事がないと怒り出します。
電話に出ないだけでも感情をあらわにすることもあり、とても「めんどくさい」行動をとります。
常にだれかと一緒にいたい
かまってちゃんはとても寂しがり屋なので、一人でいることに耐えられません。
誰かに認めてもらうためには誰かがそばにいなければならないのです。
友人に断られたら、次は、ショッピングがターゲット。
店員さんは仕事だから相手をしてくれているのだけれど、自分の存在を認めてもらって対応してくれるから買い物が楽しいのです。
自分を褒めて欲しい
自分の存在を認めてもらったうえに、自分のことを褒められたら、うれしいですよね。
かまってちゃんは人一倍承認欲求が強いので、この褒められることで自分の存在価値を認めてもらえるということは、至上の喜び。
だから、自分の優れたところを誇張してアピールすることが多く、「あなたの自慢話など聞きたくないのだけれど‥。」となってしまうのです。
芸能人に会ったとか、有名人を見かけたとかいうことで他人の威を借るキツネのようにふるまうこともあります。
自分を一番に見て欲しい
自分の存在を認めて欲しいから、かまってちゃんは、自分のことを他より優先して欲しいと思っています。
特に、恋人や家族など、近い関係にある人に対してこの想いが強烈に出るようで、かまってちゃん自身のことを何よりも優先して欲しいと思っています。
他の予定をキャンセルしてでも、自分のことを優先してもらうような言動を取ります。
自分が一番でなければ、納得できない。それが「かまってちゃん」。
自分に自信がない
かまってちゃんは、認めて欲しいと強烈に思っているわりには、あまり自分に自信がありません。
だから、自慢話をして自分の価値をあげようとします。
「こんなこともしたんだよ」という経験を語るのは序の口で、こんな有名人を知っている、こんなところも行ったことがある、こんな内部事情も知っているなどと少しでも自分の価値をあげようとするのです。
有名人を知っているということや、どこかに行ったことがあるという経験は自分の価値を上げることにはまったくつながらないことに「かまってちゃん」は気付いていません。
これがすすんでくると、相手が話を聞いてくれるならばと、作り話でも堂々としてくるようになります。
中にはかまってちゃんが自分で作った話でさえも、かまってちゃん自身が信じ込んでしまうことがあります。
それが本当に起こったことだと思い込んでいる「かまってちゃん」。
悪意がない分、本物のように聞こえ、後々のトラブルになることも少なくありません。
(関連記事:心理カウンセリングやセラピーと心療内科(病院)との違いとは)
TA交流分析の心理ゲームとは
これをフロイトの精神分析と似た手法であるTA交流分析では、この「かまってちゃん」が持っている「自分を認めて欲しい」ととる行動を心理ゲームと呼んでいます。
この心理ゲームとは、TA交流分析にある7つのジャンルのうちの一つでストロークというものに大きくかかわります。
ストロークとは、相手の存在を認める言葉や行為について、なでる、さするなどの意味を持った言葉。
このストロークには、「こんにちは」程度の軽い挨拶の場合もありますし、にこやかに笑いかけるような場合もあります。
また、挨拶などの肯定的なストロークとは反対に、大声をあげて叱ったり、怒鳴り散らして怒りをあらわにしたりと否定的なストロークも存在します。
ストロークは相手の存在を認めなければ成り立たなず、生まれえないことから、「かまってちゃん」はこのストロークを求めるようになるのです。
相手の存在を認めて、人と人とのコミュニケーションをストロークは、受け取り方や出し方、そのタイミングによって幸せを感じたり、不幸を感じたりするもの。
承認欲求のつよい「かまってちゃん」は、かまってちゃん自身に対してストロークを向けられることを期待する。
どういうことかというと、相手から肯定的なストロークを受けることだけでなく、否定的なストロークでも構わないということ。
つまり、あなたのかまってちゃんに対して、好意を持とうがイラつこうが問題ではなく、あなたとの触れ合いによって、「かまってちゃん」自身の存在を認めて欲しいのです。
TA交流分析の心理ゲームがこの心理状態を的確に表していると言えます。
このかまってちゃんがよくやる心理ゲームをいくつか紹介しましょう。
はい、でもゲーム
はい、でもゲームという心理ゲームは、あなたに対して「どうすればいいのかな?」と問いかけてくるものの、あなたがアドバイスると、「はい、でも・・・」と反対される経験はありませんか?
このようにあなたがどんなにすばらしい意見や優秀な提案を出してもそれに反対する言い訳をしてくるので、うんざりしたり、無力感を感じたりするのです。
自分で聞いておきながら、もらったアドバイスを否定する。
おもわず、「じゃ、自分で考えなよ。」ってイラっとしませんか?
キック・ミー(私を嫌ってくれ)ゲーム
このキック・ミーゲームとは、挑発的に相手に接して相手の拒絶や嫌悪、怒りを感じさせるように仕向ける心理ゲーム。
嫌われることで、自分の評価を落として自分は価値のない人間だと再確認するための行動なのです。
かまってちゃんは、自分に対する自信がないので、構って欲しいというエネルギーが無くなると、このようなメンヘラ状態に。
自分が拒絶され、処罰され、嫌われるべき人間だと証明するために、嫌われる行動をとるのです。
仲間割れゲーム
仲間割れゲームとは、いろんな人に矛盾した情報を与えて、仲たがいさせるような行動をとること。
自分以外の人はみんなバカだと蔑むことで、自分自身の優位を保とうとしています。
かまってちゃんは、自分の言うことで相手がどう思おうが関心がないので、この状態に持ち込まれてしまうことがあります。
情報の発信源を突き止めると「かまってちゃん」であることが多く、めんどくさいと思える瞬間につながる部分。
大騒ぎゲーム
大騒ぎゲームとは、自分の不幸を大げさに言って、他人の同情や関心を引こうという心理ゲーム。
同情や関心が欲しいだけなので、「かまってちゃん」には、その問題を解決しようという気は全くありません。
これだけ苦しいんだから、と社会的責任を逃れようとしたり、周囲の人からの同情を集めようとしたりします。
ですが、普段から同じようなことをやっていると、「また、あいつか」と、解決する気がないことを見ぬかれ、誰からも相手にされなくなることも。
あらさがしゲーム
あらさがしゲームは、重箱の隅を楊枝でほじくるようなちょっとしたささいな失敗やミスを、さも重大であるかのように非難する心理ゲーム。
上司と部下や嫁姑の関係に多く見られますが、かまってちゃんもこの心理ゲームを見逃しません。
ちょっとしたことでも、文句をいうようになり、正義感が強ければ、店へのクレーマーになることも。
また、直接店に言うだけのエネルギーがなければ、「ねえ、ちょっと聞いてよ…。」となるわけです。
聞かされた方はたまったものではありませんが、他人を蔑むことによって相対的にかまってちゃんのレベルが持ち上がり、かまってちゃん自身がレベルが上がったように感じるのです。
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交流分析的な心理ゲームの終わらせ方
このように、「かまってちゃん」にはその心の中にいくつかの心理ゲーム的要素が働いています。
この心理ゲームの結末はどの心理ゲームでも同じで、関係者すべてが不幸になるということ。
その理由は、はい、でもゲームでも、仲間割れゲームでも、全て否定的なストロークが絡んでいるから。だから、心理ゲームはすぐに終わらせることが重要。
それも、関係する人々が無意識にこの心理ゲームを仕掛けていきますし、仕掛けられる側も無意識にこの心理ゲームに乗っていきます。
この無意識で始まる心理ゲームですが、実は、この結果が不幸であることを知り、心理ゲームをしていると気付いた瞬間、ゲームが終わります。
「あ、今、自分は心理ゲームに巻き込まれている。」
そう思った瞬間、そのゲームから降りることができるのです。
例えば、「かまってちゃん」に対してめんどくさいなぁ通った時に、かまってちゃんが話をしたいだけ、今繋がっている瞬間が欲しいだけと思うと、聞き流すことができます。
自分が認められていないと思う相手は、「かまってちゃん」の大の苦手。
だから、普段から冷静な人や、思慮深い人に「かまってちゃん」は近づいていきません。
表面に出さなければ、心の中で「かまってちゃんが出ているな」と笑いながら、さらっと流してあげればいいでしょう。
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まとめ
以上、「かまってちゃんがめんどくさい。交流分析的な心理ゲームの終わらせ方」についてお伝えしました。
かまってちゃんは基本的に認めて欲しいと思っている人間。
かまってちゃんの承認欲求にあわない存在にあなたがなれば、近寄ってこないからめんどくさいと思うこともありません。
完全無視したり、陰口をたたいたりしたいかもしれませんが、あなたが大人の対応をすることが一番の「かまってちゃん」の対応策であり、交流分析における心理ゲームの終わらせ方なのです。
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