嫌なことばかり思い出す原因は一体どこにあると思いますか?
実は嫌なことばかり思い出す原因は、あなたの記憶のメカニズムにあるのです。
過去に経験した衝撃的な場面がフラッシュバックする原因と照らし合わせて、嫌なことばかりを思い出す原因を徹底究明します。
嫌なことばかり思い出す原因とは
嫌なことばかり思い出す原因は、実は人間誰もが持っている記憶のメカニズムにあります。
その記憶のメカニズムのどういうところが原因なのか、そこがわかれば、嫌なことばかり思い出す原因の究明になるはず。
ということで、人間の記憶のメカニズムが原因なら、それを見ていくことが重要。
人の精神構造、思考回路がどうなっているのか、その様子を見ていきましょう。
嫌なことばかり思い出す原因1:獲得より損失を嫌う
人は、獲得より損失を嫌います。これが、嫌なことばかり思い出す原因の一つ。
たとえば、大事な人とのクリスマスディナーで1万円の食事をしたとしましょう。
その食事の時に訪れたレストランが実は最悪で、食事は出てこないし、食べ物は冷めてしまっている、おいしくないし、たった3品で食事が終わり。
いっしょに行った人もずっとムッとしてイライラしているようです。その時のそのレストランに対する怒りや悲しみ、後悔はおそらく少なくないはず。
あなたも、いつまでもイライラしてムカつく状態が続くのではないでしょうか。
反対に、クリスマスパーティのくじ引きで1万円くらいの商品が当たったとしましょう。
確かにうれしいという気持ちであることには変わりないですが、一万円の最低の食事と比べた時、その価値はまったく違う。
得た一万円より、失った1万円の方が価値が大きいように感じるということ。
逃がした魚は大きいということわざにもある通り、損失はそのイメージを増大させます。
つまり、ブラスの出来事とマイナスの出来事、同じ回数だけ体験したとしても、マイナスの出来事、つまり嫌なことばかり心に残って思い出す原因になる。
人は金銭だけでなく、信用や信頼、尊敬や安全・安心、社会的地位や権利、主張に関しても失うことについてはとても強烈にイメージ化され記憶に残りやすいものなのです。
嫌なことばかり思い出す原因2:記憶は繰り返すと強化される
人の記憶は、繰り返すとよりはっきりと記憶されるようになります。恐らく、テスト勉強で繰り返して覚えた英単語や算数の九九は今でも覚えているのではないでしょうか。
でも、高校になって化学の組成式を習ってもわからないと繰り返さなかったことは覚えていられない。これが繰り返しによる記憶の強化です。
この繰り返せば繰り返すほど記憶が強化されることが嫌なことばかり思い出す原因に。
なぜなら、損失という嫌なことの方が強く記憶されるため良かったことより嫌なことばかり思い出すことになります。
つまり、嫌なことが起こったらそのことばかりその記憶ばかりを繰り返し思い出すから、よりはっきりと覚えてしまうということ。
嫌なことばかり思い出すことは、記憶が繰り返されることで強化されるというメカニズムに原因があるのです。
嫌なことばかり思い出す原因3:記憶は改ざんされる
さて、あなたは記憶の再現性、確実性について確かなものだと思っていませんか?
でも、実は、記憶は繰り返され、また保存されている間に改ざんされるのです。これが嫌なことばかり思い出す原因に。
どういうことかというと、例えば、初恋の相手のことを思い出してください。
何年もの時間がたってから久しぶりに卒業アルバムで初恋の相手を見た時の幻滅の具合は少なくないはずです。
「あれ、こんな人だったっけ。」
そう思うことあれば、あなたの頭の中で初恋の人の記憶がより美しく改ざんされていたという証拠。
このように記憶はより強烈に、より刺激的に、よりセンセーショナルに改ざんされていきます。
良かった記憶はより良いイメージに、嫌な記憶はより嫌なイメージに改ざんされるので、強烈に嫌なイメージに増幅されて嫌なことばかり思い出す原因になるのです。
嫌なことばかり思い出す原因4:負のスパイラルが嫌なことのイメージを増強する
そして、これらのことは、連続的に起こるので、より嫌なことが多く思い出されます。そのために負のスパイラルとして積み重なって嫌なことばかり思い出す原因となるということ。
嫌なことのイメージが強化され、それを繰り返して思い出すことで嫌なことが頭の中に残り続け、さらに嫌なこととして記憶に刻まれる。
だから、これが記憶の負のスパイラル。
抜け出そうとして一人でもがいてもなかなか抜けられないのが、嫌なことばかり思い出すことであり、人間の記憶のメカニズムが原因なのです。
参考:記憶のメカニズムを心理学で解明する。~記憶の種類とは~
フラッシュバックの原因
この嫌なことを思い出すのと似た現象に、フラッシュバックというものがあります。
このフラッシュバックは戦争帰りの帰還兵や大規模災害から助かった人がかかりやすい心的外傷後ストレス障害と呼ばれるPTSDの症状の一つ。
フラッシュバックの原因は、生死を分けるようなぎりぎりの体験です。
フラッシュバックは、まるで過去のその時点に逆戻りしたような再現性があり、見るもの、聞くもの、感じるもの全てにおいてリアルに目の前に現れます。
だから、命にかかわらない失敗なら再現されたとしてもフラッシュバックとならないのですが、心にかかる負担はフラッシュバックより小さいとは言い切れません。
嫌なことばかり思い出す原因は、過去のある時点における体験であり、それを嫌だと感じていること。
その嫌だと感じること自体が、記憶を固定化させ、嫌だと感じること自体を強化し、より嫌なこととしてそればかりを思い出す原因になるのです。
参考:フラッシュバックは病気なのか?その症状と診断方法を徹底解説!
まとめ
以上、「嫌なことばかり思い出す原因とは!フラッシュバックの原因を徹底究明」を神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアがお伝えしました。
嫌なことばかり思い出すことはフラッシュバックとはちょっと異なる性質ですが、心に負担をかけることに関しては同じと言えるでしょう。
そして、より刺激的に改ざんされながら強化されていく過程は、嫌なことばかり思い出すこととフラッシュバックは同じだということ。
嫌なことばかり思い出すことはPTSDのような精神的な病にまでいかなくとも、早いうちに対応し、嫌な記憶が強化される前に対応しておくことがひどい状態にならないために大切なのです。
参考:嫌な記憶がフラッシュバック!泣くほど辛い時の対処法とは
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