心に抱えきれないような命にかかわる体験をした記憶が突然目の前によみがえるフラッシュバック。
答えから言ってしまうと、フラッシュバックの意味とは、心が耐えられない時に起きる心理現象なのです。
フラッシュバックが起こると再び強烈な場面を再現してしまうから、とても辛いこと。
なのに、思い出したくもない嫌なことがフラッシュバックとして心の奥にしまい込んだ記憶がそれを再現してしまう意味は一体どこにあるのでしょうか。
フラッシュバックの意味とは
フラッシュバックとは、英語でflashbackと書きます。その意味は、フラッシュのように過去の出来事が一瞬にして目の前に再現される現象ということ。
日本語で閃光記憶と名付けられたもので、雷の閃光のように以前に経験した記憶がよみがえるという現象。
命にかかわるような体験をしたときにその記憶が心的外傷、つまりトラウマとなって無意識の中に閉じ込められ、そのトラウマになった記憶が突然意識下に現れてくるという現象です。
その記憶の再現性はとても鮮明でまるでその場にいるような情景を目の前に生み出します。
しかし、よくよく考えてみると、人間には、心の防衛機制というものが備わっており、精神的に苦しいことがあっても耐えられるような働きを自然のうちにするようにできています。
たとえば、熱いものをさわった時に思わず手を引っ込めるようなそんな無意識的な反応が人間の心の中に備わっているということ。
しかし、フラッシュバックはその中に思い出すのも辛い状況があるのにありありと再現するという心の働き。
わざわざ苦しい想いをすることがわかっているのに、なぜ無意識はその耐えられないほどの気持ちになる情景を再現してしまうのでしょうか。
参考:人為的に嫌な全ての記憶を消す方法!トラウマ克服方法ヒプノセラピー
英語のflashbackに隠された意味
フラッシュバックは英語でflashbackと書きます。その意味は、flashがカメラのフラッシュのように閃光のように現れる状態を意味し、過去の状態に戻った可能ようなbackを再現するという意味。
flashbackは日本語では、カタカナでこそフラッシュバックと書きますが、感じでは、閃光記憶となり、英語と全く同じ意味を持つのです。
flashbackが起こると、まるで過去に経験したその時点に戻ったかのような状態になります。
目の前の景色、聞こえる音や声、周囲から感じる熱量や風の感覚、痛みや味覚まで再現されるのがflashback。
その情景が意図せずに目の前に閃光のように現れるのです。
お化け屋敷でドキドキしながら恐怖体験を味わうような体験ではなく、過去に命のやり取りをした場面にいきなり突き落とされるのがflashbackということ。
心の防衛機制の中には、抑圧という機能があり、意識していると辛いようなことは無意識の中に閉じ込めてしまうという働きがあります。
それなのに、なぜ、フラッシュバックは心の防衛機制、抑圧をすり抜けて意識の中に完全な姿になって表れてくるのでしょうか。
参考:嫌なことばかり思い出す原因とは!フラッシュバックの原因を徹底究明
フラッシュバックとは心が耐えられない時に起きる心理現象
二度と体験したくない記憶が再現されるフラッシュバックは、実は心が耐えられない時に起きる心理現象です。
心の防衛機制である抑圧をすり抜けてしまうのは、その心の抑圧の力を上回るパワーをフラッシュバックのもととなる出来事である記憶が持っているから。
フラッシュバックが持っている負のエネルギーは計り知れません。
ただでさえ、強大なフラッシュバックのエネルギーですが、実は、最初のうちはまだ心が耐えられる状態なのです。
最初のうちは、確かに大きな衝撃を受けるショッキングな出来事に遭遇しているのですが、心の防衛機制である抑圧が発動し、心の中、無意識の奥にその事実を体験した記憶を閉じ込めることに成功します。
ですが、無意識の中に閉じ込められた衝撃的な事実は、意識の表面に出てこようとしたがる性質があるというところが大きな問題点。
イソップ童話の「王様の耳はロバの耳」という話を思い出してください。
床屋は黙っていなければならない大事な秘密を心の中に留めておけなくて穴に向かって叫ぶことで無意識の中に抑圧された記憶を意識に上らせることでストレスを解消します。
普段の人間関係でも、「ここだけの話しだけど・・」とか、「他の人に話してはいけないのだけど‥」とかいった話もよく聞くのではないでしょうか。
つまり、心の中、無意識の奥に閉じ込められた記憶は隙間を狙って出てこようとしており、意識に上ることができないこと自体がフラストレーションにつながるのです。
そのストレス、フラストレーション、欲求不満を解消するために、人は「夢」を見ます。夢の中で無意識の中にあるものが意識の中に現れてストレスを解消するということ。
ちょうど、蛇口からちょろちょろと水が出ており、コップの中に水がたまるのと同じように、無意識の中にストレスがたまり、そのコップがあふれないうちにストレスを流す作業が、夢を見る作業。
ですが、フラッシュバックのもとになる記憶のエネルギーは、ちょろちょろとした水の流れではなく、大雨の後の怒涛の流れ。
だから、心の中のコップが夢を見る時まで間に合わずに、昼間の覚醒している時にその記憶があふれだすのです。
その流れは大雨で満杯にせき止めていたダムが決壊するようなものなので、フラッシュバックのエネルギーは破壊的なものとなるのです。
これは、全て心の働きがあるが故の出来事であり、あなたの心を守るための機能が耐えられなくなって崩壊するときに起こるのがフラッシュバックなのです。
参考:フラッシュバックは病気なのか?その症状と診断方法を徹底解説!
まとめ
以上、「フラッシュバックの意味とは!心が耐えられない時に起きる心理現象」を神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアがお伝えしました。
フラッシュバックは、心の防衛機制が壊れていないうちは、何度も正常な状態と再現される状態を繰り返すことになります。
フラッシュバックが起こること自体は、病気ではありませんし、フラッシュバックを経験した人の約半数は1年以内に正常な状態へと戻ることができます。
ですが、心に負担がかかっていることは事実なので、できるだけ早期にフラッシュバックになる記憶のエネルギーを弱めながら抑圧を緩めておくことが必要になるでしょう。
参考:嫌な記憶がフラッシュバック!泣くほど辛い時の対処法とは
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