プロアクティブ行動とは。リアクティブとの違いでわかりやすく理解できる

近年、組織に関する理論が発達し、いろいろな観点から組織が強くなっていくための方策が生み出されています。

その中でも、組織のなかで労働者が気持ちよく働ける環境を生み出すための方法として、プロアクティブ行動ということが言われるようになりました。

プロアクティブ行動は、組織に属する人々のモチベーション向上させ、その組織の行動を活性化させます。そんなプロアクティブ行動についてみていくことにしましょう。

プロアクティブ行動とは

プロアクティブ行動とは、単に外的状況に反応するのではなく、自分の人生をコントロールし、積極的に目標を追求するための考え方であり、一連の行動である。これは、状況が発生した後に対応する「反応的行動」とは正反対です。

この考え方は、2008年にマイケル・グラントによって提唱され、「個人が自分自身や環境に影響を及ぼすような先見的な行動であり,未来志向で変革志向の行動」と定義されました。

主体的な行動が重要なのは、人生を成り行きに任せるのではなく、自分の望む人生を創造することができるからです。プロアクティブに行動すれば、自分の運命は自分で切り開くことができ、未来を切り開く力を持つことができるのです。この記事では、プロアクティブな行動の重要な側面と、自分の人生でプロアクティブなマインドセットを培う方法を探ります。

また、プロアクティブ行動は大きく「イニシアティブ志向」と「チェンジ志向」二つの要素から成り立っています。イニシアティブ志向とは自ら主体的にかつ、積極的に行動するという要素で、チェンジ志向とは与えられた役割に自分を合致させていくという要素。この二つの要素が組み合わさってプロアクティブ行動につながっていきます。

参考:若年就業者の組織適応を促進するプロアクティブ行動と 先行要因に関する実証研究

リアクティブ行動とは

 

リアクティブ行動とは、反応的行動のことで、積極的行動、つまりプロアクティブ行動の対極にあるものです。状況が起こる前に予測し、行動を起こすのではなく、状況が起こってから対応する傾向を指します。反応的な人は、自分の人生をコントロールし、未来を切り開くためのイニシアチブを取るのではなく、外部の状況や出来事に振り回される傾向があります。

つまり、反応的な人は、行動するよりも、むしろ反応する状態にあることが多いのです。外的要因や出来事に圧倒されやすく、目標に集中することや目標に向かって前進することに苦労することもあります。

反応的な行動は、先延ばし、回避、フォロースルーの欠如など、さまざまな形で現れる可能性があります。例えば、失敗を恐れて、ある仕事を最後までやり遂げようとしなかったり、新しいプロジェクトに挑戦するのを避けたりすることがあります。

反応的な行動は、自分の人生をコントロールできず、無力感や被害者意識を持つことにつながるため、問題になることがあります。反応的な人は、自分の運命を自分で切り開くことができず、常に外部の状況に翻弄されているように感じるかもしれません。

しかし、反応的な行動が常に否定的で不適応であるとは限らないことに注意することが重要です。緊急時や予期せぬ状況の変化に対応する場合など、起こった出来事にそのまま反応することが必要かつ適切な場面もあります。

プロアクティブ行動とリアクティブ行動

要約すると、リアクティブ行動、つまり、反応的行動とは、状況が起こる前に予期して行動を起こすのではなく、状況が起こってから対応する傾向のことです。

反応的行動は、状況によっては適応的である反面、自分の人生をコントロールできず、被害者意識を持つことにつながります。

これに対し、プロアクティブな行動、つまり積極的な行動とは、主体性をもって自分の人生をコントロールし、計画、動機づけ、行動を通じて目標に向かうことなのです。

次にプロアクティブ行動について具体的な方法をお伝えしていきます。

プロアクティブ行動の具体的な方法

プロアクティブ行動をとるには積極的に行動していくことが必要ですが、とはいっても簡単にできないよ、と思われるかもしれません。

なのでプロアクティブ行動をとれる方法を3つお伝えしていきます。

プランニングと目標設定

プロアクティブな行動の最初の側面は、プランニングと目標設定です。積極的に行動するためには、何を達成したいのかを明確にし、そこに到達するための計画を立てることが必要です。そのためには、SMART(Specific, Measureurable, Achievable, relevant, and time-bound) ゴールを設定します。

SMART目標は、望む結果を達成するための明確なロードマップを提供するため、積極的な行動のための強力なツールです。SMART目標を設定すると、大きな目標を管理しやすい小さなステップに分解することができるため、モチベーションを維持しやすくなり、時間の経過とともに進歩を遂げることができます。

SMARTゴールを設定するには、まず自分が達成したいことを明確にすることから始めます。起業やマラソン、新しい言語の習得など、どんなことでもよいのです。目標が決まったら、何を目指しているのかを明確にするために、具体的な目標を設定しましょう。例えば、「起業する」という目標ではなく、「ハンドメイドジュエリーを販売するオンラインショップを立ち上げ、成功させる」という目標を立てるとよいでしょう。

次に、目標が測定可能であることを確認し、進捗状況を追跡して、いつ達成したかを知ることができるようにします。例えば、オンラインショップの売上目標や、新しい言語を勉強するときに1日に覚える単語の数などです。

また、目標は達成可能なもの、つまり現実的に手が届きそうなものでなければなりません。チャレンジすることは大切ですが、あまりに野心的で非現実的な目標を設定すると、挫折したり燃え尽きたりする可能性があります。目標は挑戦的でありながら、達成可能なものであることを確認してください。

また、目標は、あなたのビジョンや価値観に関連したものでなければなりません。つまり、長期的な願望やあなたにとって最も大切なものと一致している必要があります。例えば、あなたの価値観の1つが「創造性」であれば、芸術的な側面を表現できるような副業を始めることが目標になるかもしれません。

最後に、目標は期限付きであることが大切です。こうすることで、責任感と集中力を維持し、目標に向かって一貫した進歩を遂げることができるのです。

SMARTゴールを設定したら、それを達成するためのアクションプランを作成することが重要です。これは、目標を管理しやすい小さなステップに分解し、その達成に必要なリソースを特定することです。行動計画には、各ステップのタイムラインも記載し、進捗状況を把握できるようにしましょう。

セルフモチベーション

プロアクティブな行動の2つ目の側面は、セルフモチベーションです。積極的に行動するためには、目標に向かって行動を起こす動機となる強い内発性と目的意識を持つことが必要です。

セルフモチベーションを高めるには、いくつかの戦略があります。まず、自分の内なる原動力となるものを特定することです。目的意識、学習・成長意欲、仕事への情熱などです。内発的動機づけを活用することで、目標に向かって行動し、前進するために必要なインスピレーションを得ることができるのです。

もう1つの方法は、外的な動機づけを設定することです。これは、次のようなものです。

目標に向かって行動する動機付けとなるような、報酬や結果を与える。たとえば、あるマイルストーンに到達したら、おいしい食事や楽しいアクティビティをごちそうになるなど、自分へのご褒美システムを設定することができます。また、期限に間に合わなかった場合は、自分が支持していない慈善団体に寄付をするなど、行動を起こさなかった場合の結果を設定するのもよいでしょう。

また、積極的な行動を奨励し、強化する環境を作ることも重要です。例えば、目標や価値観を共有する前向きな仲間と一緒に行動したり、生産性と集中力を高めるワークスペースを作ったりすることが挙げられます。

これらの戦略に加えて、「自分の能力や知性は努力や頑張りによって伸ばすことができる」という成長マインドを培うことも重要です。成長マインドを持つことで、挫折や困難を乗り越えることができ、失敗を学び、成長する機会と捉えることができるようになります。

実際に行動を起こす

プロアクティブな行動の3つ目の側面は、「行動を起こす」ことです。計画や目標設定、自己啓発は大切ですが、目標に向かって行動しなければ何の意味もありません。

行動を起こすということは、恐怖心や迷いを克服し、コンフォートゾーンから自分を押し出すことです。たとえ怖くても、慣れていなくても、リスクを取って新しいことに挑戦することです。

行動を起こすための一つの方法は、目標を小さく、管理しやすいステップに分解することです。そうすれば、簡単に始めることができ、時間をかけて勢いをつけることができます。例えば、マラソンをするのが目標なら、毎日数分走ることから始め、時間をかけて少しずつ距離を伸ばしていけばよいでしょう。

行動を起こすためのもう一つの方法は、完璧ではなく、進歩に焦点を当てることです。多くの人は、失敗や完璧にできないことを恐れて、先延ばしや自信喪失のサイクルに陥ってしまうものです。しかし、現実には完璧な人はいません。最も重要なことは、たとえ常に完璧でなくても、目標に向かって前進することです。

最後に、目標に向かって行動するときには、柔軟性と適応性を保つことが大切です。物事が計画通りに進まないこともありますから、ピボットしてアプローチを調整することが必要です。例えば、スケジュールを変更したり、戦略を変更したり、あるいは目標が適切でなくなったり達成不可能になった場合は、目標を完全に変更することもできます。

まとめ

結論として、主体的な行動は、目標を達成し、望む人生を創造するための強力なツールです。計画や目標設定、自己啓発、行動に重点を置くことで、自分の人生をコントロールし、未来を切り開くための積極的なマインドセットを養うことができます。

プロアクティブになるためには、SMARTゴールを設定し、アクションプランを作成し、ゴールを管理しやすいステップに分解することが重要です。また、内発的な動機付けを利用し、外的な動機付けを設定し、サポートする環境を整えることで、自己のモチベーションを高める必要があります。

最後に、積極的な行動には「行動すること」が重要です。恐怖心や迷いを克服し、目標をスモールステップに分解し、進捗に焦点を当て、目標に向かって柔軟で適応力のある状態を維持する必要があります。

これらの戦略を実行することで、自分の人生をコントロールし、夢を実現する力を与えるプロアクティブなマインドセットを身につけることができるのです。さあ、何を待っているのでしょうか?今日から目標に向かって行動を開始し、自分がどこまで成長できるかを見てみましょう。

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