ゲシュタルト心理学の考え方をわかりやすく説明するとこうなります。

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こんにちは。

神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。

 

さて、心理療法の一つ、ゲシュタルト療法のもとになっているゲシュタルト心理学

そんなゲシュタルト心理学の考え方をわかりやすく説明するとこうなります。

(関連記事:自分を知るための方法「メタ認知」とは!わかりやすく言うと・・・。

 

ゲシュタルト心理学とは

ゲシュタルト心理学とは、人間のこころの全体を見てその構造や全体性を大事にしてとらえようとする心理学。

仮説を立て実験を通して知りえた一つ一つの部分的なものや一つ一つの要素が集まったものが人間の精神を作り上げているというウィリアム・ヴントが始めた初期の心理学に異論を唱えている心理学です。

 

この心理学の名前にもなったゲシュタルトとはドイツ語であり、その意味は、全体性を持ったまとまりのある構造、形態となります。

心理学が学問として走り始めたヴント以前の心理学に近いものとしてとらえるとわかりやすいでしょう。

 

ゲシュタルト心理学は要素主義、構成主義とは反対の性格を帯びており、精神分析学や行動主義心理学と比べても少々異質です。

あなたのこころに存在する感情を左右する要素は、あなたの記憶。

 

この記憶とは、記銘、保存、想起の過程で構成されますが、その構成されたシステムを指して、意味ネットワークといいいます。

あなたの記憶は、この意味ネットワークで構成されており、1つの物事があなたの意識にとられられ、認知するとその意味ネットワークでつながった記憶が励起されます。

 

例えば、車と聞くとあなたが持っている車も一緒に思い出されるということ。

もしかすると、印象的だったドライブの記憶も想起されることになるかもしれません。

 

この記憶のシステムを意味ネットワークというのですが、この記憶のつながり全体を捕まえて理解しようというのがゲシュタルト心理学です。

それでは、このゲシュタルト心理学がどのようにして成立していったのか見てみましょう。

(関連記事:意味ネットワークとは。活性化拡散モデルと階層的ネットワークモデルの違い

 

ゲシュタルト心理学の歴史

全体を見通して個々の状態をつかもうとした心理学、ゲシュタルト心理学の歴史は、心理学が学問としての歴史を歩み始めた20世紀の初めから始まります。

ウィルヘルム・ヴントが人間の心をバラバラに分解してその一つ一つの機能の集合体としてとらえようとした、要素主義、構成主義に反論した形で始まります。

 

ゲシュタルト心理学の草創期の立役者、創始者として、マックス・ウェルトハイマー、ウォルフガング・ケーラー、クルト・コフカ、そしてゲシュタルト心理学を臨床心理に応用したフレデリック・パールズがいます。

それぞれのゲシュタルト心理学の創始者を見ていきましょう。

 

マックス・ウェルトハイマー

マックス・ウェルトハイマーはプラハ生まれのドイツ人の心理学者。

ベルリン大学で心理学を学び、その後、ウィーンをでてラインラントに向かう電車の中でゲシュタルト心理学のもとになる仮現運動の発想という考え方に閃きが生まれました。

 

その発想の仮定を立証すべく、コフカやケーラーそして、コフカ夫人を集めて、彼らを被験者として実験を行ったのです。

そして、運動視の実験的研究という本を発表しました。

 

この運動史の実験的研究で発表されたものは、仮現運動とかファイ運動とか呼ばれる錯視のことで、物理的運動がないものに運動しているように感じるというものです。

この時使われた実験器具はシューマン式のタキストスコープとゾートロープと呼ばれたストロボスコープ。

 

この錯視は、今の映画やテレビ、動画の技術でもあるパラパラ漫画の原理。

少しずらした画像を連続してみると、止まっている絵が動き出すように見える錯視の研究でした。

 

以後、心理学研究という雑誌を発行しながら、全体は部分を足し合わせたもの以上のものになるというゲシュタルト心理学をマックス・ウェルトハイマーは発展させてきたのです。

ユダヤ系であったこともあり、当時のナチスドイツに捕まりそうになったため、アメリカに亡命しています。

 

ウォルフガング・ケーラー

ウォルフガング・ケーラーは、ドイツ系エストニア人の心理学者。

ベルリン大学で博士号を取得しています。

 

ゲシュタルト心理学の基礎の一つであるチンパンジーの洞察学習に関する実験が有名。

洞察学習とは、状況を見てその問題の解決策を思いつくという認知過程

 

洞察学習の特徴は、解決行動が突然現れるように思いつくというところと、同じ状況に立ったらその解決策を使えるようになり、その思いついた解決策が記憶から消えにくいという側面があります。

ソーンダイクが提唱した試行錯誤学習に真っ向から反対するのがウォルフガング・ケーラーの洞察学習なのです。

 

クルト・コフカ

クルト・コフカはドイツ生まれのユダヤ系ドイツ人の心理学者。

ゲシュタルト心理学を発達心理学の分野に展開したという功績が大きい心理学者です。

 

クルト・コフカは行動的環境という言葉を作り、主観的な環境に対して行動しているとしています。

100万円持っていようが、1億円を持っていようが、お金が少ないと思っている人は不安でさらに稼いで貯めようとしますが、貯金が全く無くても、お金が少ないと思わなければ、働かないですよね。

 

このように、クルト・コフカは知覚だけでなく、学習や記憶、発達心理や社会心理など心理学の分野すべてにわたって研究し、ゲシュタルト心理学を体系化した功績もあります。

クルト・コフカがまとめた、ゲシュタルト心理学の原理という本を見てもその内容の深さを理解することができるでしょう。

 

フレデリック・パールズ

フレデリック・パールズとは、ゲシュタルト療法を創り、世界に広めることに尽力したドイツ時の精神科医です。

ゲシュタルト心理学を中心に、精神分析学、減少額、実存主義プラグマティズム、そして、仏教の考え方を融合したゲシュタルト療法を作り上げました

 

ゲシュタルト療法は、問題を抱えてきた相談者が自分自身に起こった内容について理解を深めていきます。

過去と現在と未来が繋がった時間軸、記憶に対する新しい気付き、そして自分の存在を認め方向性を見つけるのがゲシュタルト療法の考え方。

 

パールズの理論は次々と新しいものを取り入れて成長していたのに対し、フレデリック・パールズの妻ローラと詩人ポール・グッドマンのゲシュタルト療法はゲシュタルト心理学を基礎とするもともとの理論に重点を置いています。

そして、パールズと妻ローラはその理論の違いにより別々のゲシュタルト療法を進めていきます。

 

フレデリック・パールズのゲシュタルト療法は、あなたが認識している現実を新しくとらえなおすこと。

あなたがあなた自身の能力に焦点を当て、自立した人生に向かうことができるように導く心理療法がゲシュタルト療法なのです。

(関連記事:アルバート・バンデューラの自己効力感を高める4つの方法

 

ゲシュタルト心理学の考え方をわかりやすく説明

ゲシュタルト心理学の考え方とは、全体を見通してその人の心理状態を把握しようとする心理学

このゲシュタルト心理学はウィルヘルム・ヴントが始めた要素主義が提唱する外界からの刺激とその刺激を受けて生まれる感覚は1対1であるとする恒常仮定を完全に否定します。

 

このように、ゲシュタルト心理学は、全体のまとまりから生まれる精神構造がゲシュタルトであるとしています。

あなたの精神的な構造全体の中で、個々の心理要素がどんなものなのかというラベルを付けてどんな部分なのかというものの意味付けによって、その性質が決まってくるのです。

 

つまり、全体の位置において部分的な要素の意味付けが変わってくるということ。

例えば、人生で大切なものがお金だという人に愛の重みは全く感じられませんが、愛情に飢えている人にとって、人生をかけてでも手に入れたいものが愛になるというようなものです。

 

ここで、ゲシュタルト心理学では、全体を構成するポイントには要因があるとしてゲシュタルト要因というものをあげています

このゲシュタルト要因は心理学の世界だけではなく、美術の世界でも応用されている図形にヒントを得た心理的な現象。

 

美術や錯視にも応用され、全体を構成し把握するために使われているゲシュタルト要因。

その全体を構成するための、7つのゲシュタルト要因を見てみましょう。

(関連記事:マズローの欲求5段階説。人間性心理学から生まれた自己実現の方法

 

近接の要因

ゲシュタルト要因で最も効果が強いものが近接の要因。

近いと感じるものほど同じカテゴリーに属する仲間として認識する心理を近接の要因といいます。

 

例えば、電車の中で二人が隣同士に座っている状態を考えてみましょう。

触れ合うほど近くに座っていれば、カップルか知り合いのように1つのグループに見えますが、スキマを開けてできるだけ離れて座っていると、関係のない二人に見える、そのような心理状態のことです。

 

類同の要因

色や形など同じ部分を持つものは一つのまとまりとして認識するというのが類同の要因

似た者同士をまとめたくなるという心理で男性と女性を分けてまとめたり、白人と黒人と黄色人種というカテゴリーでまとめたりすることです。

 

良い連続の要因

良い連続の要因とは、物事を繋がったものとして認識しやすいという心理要因。

過去、現在、未来が分離したものでなく、一連の仮定であると心の中で認識している理由にもなります。

 

閉合の要因

閉合の要因とは、閉じた形にまとめようとする心理状態を指します。

例えば、【 】というものを見てもあまり気にならないですが、  】【   を見ると、【  】【  】を想像してしまうという心理状態で、途中で終わらせると落ち着かないことになります。

 

共同運命の要因

共同運命の要因とは、同じ方向に向いているのは同じグループだと判断してしまう心理状態。

心理的な問題を考えているグループの中にいると、自分も同じ問題を抱えているように感じ、その中で金銭的問題を訴えると浮いてしまうことになるという心理効果です。

 

面積の要因

面積の要因とは面積の小さいものが図、大きいものは地(背景)としてとらえられます

電車に乗っていて、前の男の子がおばあさんに席を譲った場面を見た時に、前の男の子が焦点を当てられる図であり、電車が地になるのです。

 

対称性の要因

対称性の要因とは、対照的なものを見た時に、その二つのものは、1つの閉じたグループとしてとらえる心理のこと。

電車で前の席に同じ服装で2人が座っていた時、その二人で一つの空間を作っているように見える心理状態です。

(関連記事:やる気を起こす行動変容の秘密は自己効力感を高める4つ方法にあった

 

まとめ

以上、「ゲシュタルト心理学の考え方をわかりやすく説明するとこうなります。」をお伝えしました。

ゲシュタルト心理学は、仮現運動という錯視から始まっているので、ゲシュタルト要因も美術においても活用されることが多い心理学。

 

ゲシュタルト心理学は人間のこころの動きをプラモデルのパーツとしてとらえず、人のこころを一つのものとしてとらえて全体を把握することが重要。

行動主義から脱却し、認知心理学へと結びつくゲシュタルト心理学は、心を一つのものとしてとらえる催眠療法とも同じ視点に立っているのです。

(関連記事:最古参「ヒプノセラピー(催眠療法)」と最先端「認知行動療法」の共通点とは

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