アンナ・フロイトの子どもの心の発達理論における4つのラインとは

アンナ・フロイトとは、ジークムント・フロイトの娘であり、父親の創り出した精神分析学をさらに深化させた一人。

フロイトが見つけ出した防衛機制をさらに研ぎ澄ませた立役者でもあります。

 

そんなアンナ・フロイトも子どもの心の発達理論には関心を寄せていたようで、1960年に父親、ジークムント・フロイトの「リビドーの発達」に社会的環境との相互作用で生み出される「自我の発達」を統合しました。

そんなアンナ・フロイトによって整理された理論が、心理臨床の発達プロファイリングで活躍している子どもの心の発達における4つのラインです。

 

アンナ・フロイトとは

アンナ・フロイトとは、夢判断やエディプスコンプレックスの生みの親ジークムント・フロイトの娘。

父親が死んでからは、同じ精神分析家のメラニー・クラインと一緒に、児童の精神分析を中心に活動していました。

 

青年期のアイデンティティ対アイデンティティ拡散などの心理社会的発達理論で有名なエリック・エリクソンもアンナ・フロイトの弟子と言える存在。

アンナ・フロイトの功績は、特に幼児の防衛機能に関する研究で有名です。

 

そんなアンナ・フロイトは、子どもの心の発達理論において、4つのラインがあるとしました。

クライアントのこのラインを知ることは心理臨床的にも重要なことだということをあなたは知っていますか?

(関連記事:エリクソン,E.Hのライフサイクル理論とは!人生の8つの発達課題

 

アンナ・フロイトの子どもの心の発達理論における4つのライン

第一のライン

第一のラインとは、身体的に未熟な乳児が自分の母親と一体感を持つこと

そしてその状態から生まれる対象恒常性を持つことができるようになります。

 

ここで出てきた対象恒常性とは、人間の基本的安心感の源泉になるもので、ある対象が見えなくなってもその対象は存在しているということがわかる感覚です。

たとえば、母親が部屋から出ていったとしても母親の存在が無くなったわけではないとわかること。

 

この対象恒常性は、赤ちゃんに対していないいないばあをすると喜ぶ生後9か月くらいから芽生え始めるといいます。

いないいないばあで、母親が見えなくなった時に、「隠れていてもそこにいるはずでしょ、ほらやっぱりいた!」と思って喜んでいるのです。

 

逆に母親の姿が見えなくなったら泣き出してやまない赤ちゃんは、見えなくなった瞬間に、お母さんはいなくなったと思っているのです。

こうやって、母親が目の前からいなくなったとしても母親の存在自体はなくならないということが分かるようになり、次第にその感覚が、人を信じるという気持ちをはぐくんでいきます。

 

このように、相反する気持ちや感情をアンビバレントと言いますが、それをコントロールするようになることで身体的にも情緒的にも成熟した大人になることができます

もし、この対象恒常性を獲得することができないまま大人になっていまうと、当たり前のことさえも信じることができず、いつも不安感にさいなまれ、困難に立ち向かう力が弱くなってしまいます。

 

第二のライン

第二のラインとはご飯を食べたり、トイレに行ったり、自分の身体の調子がわかり管理できるようになること。

赤ちゃんの時は、母親などに完全に依存した状態ですが、そこから、身体的に自立していくことが、第二のラインです。

 

一人でご飯を食べたり、トイレを済ませたりできるようになることを指します。

ご飯を自分で食べるということは当たり前のように思えますが、ご飯を作ってもらわなければいつまでも出来上がるのを待ち続けている人は、実は、成熟していない大人だといえるのかもしれません。

 

第三のライン

自分の生活している世界において完全な自己中心性から抜け出し、他の人を認めて仲間意識を持つことができるようになるラインを第三のラインと呼びます。

自己中心性とは、発達心理学者ピアジェが言った言葉で自分と他人を区別できないこと。

 

自分を中心に据えたものの見方から抜け出せないことであり、自分以外の外の世界へ働きかけたり、ものの見方をいろいろ変化させてみたり、色々な関係の在り方をとらえられるようになるまでの時期に起こる特徴のこと。

この自己中心性は、考え方全般にわたるもので、空間認識や、言語、知的な作業など多くの精神的な側面についてみることができます。

 

第四のライン

第四のラインとは、性的な衝動、リビドーの対象が指しゃぶりなどの自分の身体に対する自体愛的なものから毛布やぬいぐるみなどのやわらかいおもちゃなどに変化し、ゲームをを楽しめるようになっていく過程。

自体愛から対象愛へと変化していく過程とも言えます。

 

この遊ぶ能力が次第に仕事をする能力へと変化していきます。

自体愛とは、フロイトが見つけ出した子どもの心の発達の段階に見られるもので、満腹感やぬくもり、安心感など、自分の身体が快を得ることが中心の世界。

 

その自体愛は、口唇期、肛門期、男根期/エディプス期、潜伏期、性器期という過程を経るのですが、その先にある対象愛へと変化していきます。

対象愛が生まれることで、快楽が自分中心ではないものとなります。

 

つまり、自分中心の性行為しかできていない人は、対象愛のレベルまで発達しておらず、自己中心性から抜け出せていないということ。

だから、相手を愛することで生まれる性行為が対象愛からこそ生まれる行動だとフロイトは言いっているのです。

 

まとめ

以上、「アンナ・フロイトの子どもの心の発達理論における4つのラインとは」を神戸ヒプノセラピー、催眠療法ベレッツアがお伝えしました。

四つの発達ラインとは、社会的な発達を含めた子どもの心の発達の理論。

 

その人の精神的な成長の全体像をみるのにちょうどいいので、臨床的にも、発達プロフィールとして用いられることがよくあります。

無意識を催眠状態で見ていくヒプノセラピーも心理臨床的な技術。発達プロフィールを知ることで、クライアントの精神状態を読み、より適切にクライアントの無意識の中の精神世界を案内することができるようになるのではないでしょうか。

(関連記事:精神分析学のジークムント・フロイト。精神分析・夢判断と催眠療法

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