ヒプノセラピーの方法に、インナーチャイルドワークというものがあります。
インナーチャイルドとはあなたの中にいる子供。それでは、そのインナーチャイルドを癒すとは、どういうことなのでしょうか。
そして、あなたの心の中にいるインナーチャイルドの癒し方とは、どうすればいいのでしょうか。
そんな、ヒプノセラピーを使って行われるインナーチャイルドワークでの癒し方をお伝えしていきます。
ヒプノセラピーでのインナーチャイルドを使ったワーク
ヒプノセラピーでは、インナーチャイルドを癒して潜在意識の中に眠るしがらみや傷ついた心を癒していくという方法があります。
インナーチャイルドワークは潜在意識の中に眠る嫌な出来事の記憶やその感情を小さい時の自分というイメージに置き換えて行われるヒプノセラピーのワークの一つ。
ヒプノセラピーでは、催眠誘導により、催眠状態になったうえで暗示や言葉かけを行っていくので、潜在意識のイメージ化がとてもやりやすい状態になります。
あなたの潜在意識の中に眠る傷ついた心は、そのままでは、思い出すことすらトラウマになっているようなひどい体験や経験であることは少なくないでしょう。
ですが、インナーチャイルドワークでは、あなたがあなたの傷ついた心、思い出したくない過去の記憶、潜在意識と直接向き合うのではなく、インナーチャイルドというあなたの代わりのイメージを利用します。
インナーチャイルドというイメージがあなたとその思い出すのも困難な潜在意識との間のクッションとなることで容易に潜在意識の核心に触れることができるようになる方法がヒプノセラピーのインナーチャイルドという方法です。
ヒプノセラピーでは、このインナーチャイルドのイメージに置き換えられた潜在意識を否定的なとらえ方から肯定的な見方に変えていく方法。
インナーチャイルドを癒すことによって、そのもとになった潜在意識を変えていくことができるということなのです。
インナーチャイルドを癒すことで生じるメリット
インナーチャイルドを癒すことで潜在意識を変えていくことができる。
これだけでも大きなメリットではありますが、もう少し具体的に言うと次のようなメリットがあるといえるでしょう。
あなた自身を許すことができる
インナーチャイルドはあなた自身の潜在意識をイメージ化したもの。
だから、あなたが自分のしたことで自分を責めていても、インナーチャイルドワークを利用することであなた自身の行動や感情、その時に起こったことを許すことができるのです。
否定的な潜在意識を肯定的に変えることができる
あなたの潜在意識の中に眠る否定的な感情を肯定的に変えていくことができます。
なぜだか怒りっぽいとか、むかつくことが多かったり、やたら悲しくなったり、恐怖心が出たり、心が傷つけられていたり、罪悪感が始終出てきていたりすることはありませんか?
もしそうなら、インナーチャイルドワークでそれらの否定的な潜在意識を肯定的に変えることができるようになります。
そうすると、生き生きと生活できるようになるので、インナーチャイルドワークはあなたらしい人生を送ることができる方法なのです。
無意識のうちにかけている制限を解くことができる
何かを始めようとした時、無意識的に「私じゃ無理かも」と思って立ち止まったり、拒否してしまったりすることはありませんか?
もしそうなら、今までの経験があなたの能力に制限をかけてしまっているかもしれません。
昔失敗したことや、笑われたことなど、その体験が潜在意識の中に自分は出来ないという想いを焼き付けているのかもしれないのです。
もしそうなら、インナーチャイルドを通して、その潜在意識のとらえ方に肯定的な変化を与えることで何かと制限をかけてしまうあなたの否定的な考え方を変えていくことができるでしょう。
親、先祖からの呪縛から逃れられる
子どもの時代は、親や親せきからいろいろな教育を受けます。
そのほとんどはあなたを立派な人間に育て上げるものですが、中には、現代の世の中では許されないこともあるでしょう。
そう考えてみると、自分がされてきたことをそのまま子供にしてしまい、ちょっとやりすぎたかもと感じることはないでしょうか。
もしそうなら、インナーチャイルドワークは、先祖から伝わってきた否定的な行動をあなたの代で断ち切るチャンスになるかもしれません。
傷ついたインナーチャイルドを放置することで生じるデメリット
インナーチャイルドを癒すことで、潜在意識に変化を与えて、肯定的な考え方に結びつけることができます。
ですが、インナーチャイルドが傷ついたまま放置されると、現状維持ではなく、さらに輪をかけてひどくなっていきます。
心理学の世界では、強化という観点があります。この強化とは、単語を繰り返して覚えるように、何度も見て体験していけば、それが当然のように思い出される、また、強化されるとそれが当然のことと思ってしまうということ。
たとえば、お化け屋敷に行って怖いという感情が芽生え、それが何度も繰り返されるといつの間にかお化け屋敷を想像しただけでも怖いという感情が沸き起こってしまうようなことです。
だから、インナーチャイルドが傷ついたまま、つまり、潜在意識が否定的な側面だけをとらえているとその思いが強くなってしまうのです。
つまり、インナーチャイルドを傷ついたまま放置するということは、あなたの人生を否定的でネガティブなものへと変えていくことにつながるということ。
インナーチャイルドを放置するとどうなるのかという具体的な例としては次のようなものがあるでしょう。
- 他人に過剰に依存する
- 犯罪行動が多くなる
- 自己中心的になる
- 愛情に飢える
- 注目されたいという感情が増大する
- 周りが的ばかりのように感じる
- 疑い深くなる
- 他人を信じられなくなる
- 感情表現がうまくいかず異常な行動に結びつく
- 見捨てられることが怖い
- 相手に飲み込まれてしまうことが怖い
- 一人ぼっちになりたくない
- 破壊的な衝動が起こりやすい
- 反抗的でわがまま
- しつけられていない子供のように暴走する
- アルコール中毒や薬物中毒に陥りやすい
- 過剰なまでに将来を捻じ曲げて見据える
- 何もかもがむなしいと感じる
インナーチャイルドの癒し方とは
さて、インナーチャイルドを癒すことの重要性を見てきましたが、では実際にインナーチャイルドワークはどのように行われるのでしょうか。
インナーチャイルドの癒し方とはどうすればいいのか、を見ていくことにしましょう。
自分でインナーチャイルドを癒す方法:手紙
自分で自分のインナーチャイルドを癒すには、インナーチャイルドを想像することが重要。
インナーチャイルドを想像し、イメージするには、手紙を使うと客観的ながらも主観的に意思を伝えることができる方法で次のようにすればいいでしょう。
まずは、子供のあなたに向け、手紙を書いていきます。言いたいことを簡潔に書いていけば問題ありません。
パソコンではなく、自筆で書いていくようにしましょう。
次に、子供の時のあなたの親に対してその子供をどうして扱ってほしいのかをいまのあなたの視点で書いていきましょう。
そうして、最初に書いた子供の頃のあなたに向けた手紙を子供の時のあなたになり切って読みます。
つぎに、その子供になり切ったまま、その手紙から受ける愛されている感じ、守られている感じを抱えながら返事を書いていきます。
この時、聞き手とは反対の手で書くと、よいでしょう。
自分でインナーチャイルドを癒す方法:瞑想・自己催眠
次に瞑想、自己催眠を使ってインナーチャイルドを癒す方法をお伝えします。
次のような順序で行うと良いでしょう。
まず、小さかった時のあなた自身を思い出します。写真があるとイメージしやすいので利用するのがよいかもしれません。
そして、その時に起こったこと、暮らしていた家や、友達関係、保育園や幼稚園、学校をも思い出して、当時の様子を再現してみてください。
その時のことを十分思い出すことができたなら、その子供時代のあなたを見ていてください。
その子が一人で遊び始めるのを見計らって、その子に「こんにちは」と話しかけてみましょう。その子供はどんな顔であなたを見ていますか?
そして、その子供に、あなたが未来から来たことを伝え、子供にとって最も信頼できる人であることを教えて、あなたによってその子供が守られていることを伝えてみましょう。
必要な時はいつでも一緒にいるし、寂しい時や困った時にはいつでも会いに来るし、どんな相談にも乗ることができる。そんな安心できる存在であることを子供に約束してください。
そして、その子供を愛情を注ぎこむように、抱きしめてあげましょう。
次に、その子供になり切って愛情たっぷりに今の自分に抱きしめられていることを感じてみましょうか。
その感情を感じることができたなら、その感じを持ったまま子供の立場から今のあなたの立場に戻ります。
これを、赤ちゃんの時のあなた、幼稚園の時のあなた、小学生の時のあなた、の3つの時のあなたに対して行っていくと、あなたの中のインナーチャイルドを癒すことができるでしょう。
ヒプノセラピーでインナーチャイルドを癒す方法
ヒプノセラピーで行うインナーチャイルドを癒す方法は、瞑想・自己催眠の方法のように全期間のインナーチャイルドを癒すのではなく、ピンポイントでその心の問題になる原因の潜在意識の時点のインナーチャイルドに出会います。
全期間を包括的に癒すことは、風邪の時に総合漢方薬を飲むようなもの。喉風邪なら喉に効く薬、胃腸風邪なら胃腸に効く薬を飲む方が効果的です。
ヒプノセラピーを使えば、現在の問題と、その問題の原因になっているインナーチャイルドを癒すことができるのです。
ヒプノセラピーを使わないインナーチャイルドの癒し方だと、何が原因で傷ついているのか、どの時代のインナーチャイルドが傷ついているのかがわからないのです。
ヒプノセラピーでは、感情の懸け橋という手法を使うので、ピンポイントでその時代、その原因となった事件を見ることができる。
そんな、ヒプノセラピーで行うインナーチャイルドの癒し方は次のように行います。
- 催眠誘導にて催眠状態に入る
- 感情の懸け橋を使い、問題となる場面のインナーチャイルドに出会う
- そこで起こった問題の場面を確認する
- その時の想い、感情、考えていること、そのとらえ方を確認する
- 原因となっているシーンの少し前に戻ります。
- インナーチャイルドにこれから起こることとその対処法とあなたがついていることを伝えます。
- そのインナーチャイルドはその問題を乗り切ることができる
- 肯定的な学びを確認し、これからどうすればよいのかを感じ取る。
- 今から前向きに考えられるように暗示を与える
- インナーチャイルドにこれからずっとあなたに守られていることを伝える。
- インナーチャイルドを元いた場所へ戻す
(関連記事:催眠療法とは)
まとめ
以上、「ヒプノセラピーで行われるインナーチャイルドワークの癒し方とは」を神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアがお伝えしました。
ヒプノセラピーにおけるインナーチャイルドワークは、あなたの潜在意識に眠る問題をインナーチャイルドとしてイメージ化する手法。
自分一人でも、インナーチャイルドワークで癒す方法はありますが、効果的にインナーチャイルドを癒したいなら、ヒプノセラピーを使うのが良いでしょう。
なぜなら、ヒプノセラピーは、あなたの潜在意識の意味付けを変えるためのプロフェッショナルな方法なのですから。
(関連記事:ヒプノセラピーで使われれる潜在意識とは)
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