こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
さて、催眠療法にある手法の一つにインナーチャイルドというものがあります。
このインナーチャイルドとは、あなたのこころの中にある子供の部分。
そんなインナーチャイルドとはいったいどのようなものなのでしょうか。
臨床心理を学ぶあなたに、おススメのインナーチャイルドの見つけ方をあわせてお伝えします。
インナーチャイルドとは
インナーチャイルドとは、相談者のこころの中に眠る子供の部分。
こういう言い方をすると、あたかも相談者自身の心がまだ未成熟で発達していないようにとらえてしまうことがあります。
ここで、間違えないでほしいのは、あくまでも、子供というイメージをかたどった相談者の記憶を無意識から引き出しているだけであるということ。
相談者の中に眠る記憶とは、経験や体験、そして見聞きしたことや考えたこと、思い込みまで含めて、すべて過去のことです。
つまり、あなたが相談者の無意識の中に眠る引き出したい記憶をイメージし、意識しやすいようにするための方策が子供のイメージであるということ。
あなたの問題となっている感情や行動の原因を引き出すために、子供の姿を借りて今のあなたの前にズルズルっと引き出してくる方法なのです。
結局、インナーチャイルドとは、擬人化されたあなたの記憶。
臨床心理的にも、問題となっている記憶に触れないことには、改善するわけがないですよね。
その記憶へのアプローチを簡単に行うために、インナーチャイルドというこころの中の子供という設定を使っているのです。
インナーチャイルドワークを受ける側にとっては、どうでもよいことですが、インナーチャイルドワークをする側にとっては、このことを知っておかなければ訳の分からない超常現象の世界に入ってしまいます。
また、反対に現実主義すぎてアドラーが幼いころのトラウマを否定している、という理論を振りかざしている人がいますが、これも全くのでたらめ。
トラウマかどうかはその人のとらえ方次第であり、トラウマとしてとらえる人にとってはトラウマであり、解決したいと望んでいる心理的な問題なのです。
かといって、トラウマが絶対あるかというとこれもまた、行き過ぎた理論。
トラウマを提唱したフロイト自身も、カウンセリングにおいては漂うような注意のあり方が必要だとし、心とは氷山のようなもので7分の1しか表面に出していないと言っています。
つまり、トラウマを含めた相談者のコンプレックスは、見えない無意識の中に閉じ込められているのであり、鍵のかかった状態の潜在意識の奥、光の当たらない記憶の奥へと封じ込められているのが実情。
だからこそ、必要なのが、インナーチャイルド。
このインナーチャイルドという子供の姿を借り、過去への模擬的な退行をすることで、問題のある記憶、トラウマやコンプレックスを引き出してくるのです。
心の底に閉じ込められた記憶を引き出す手法として存在するのが、インナーチャイルドワーク。
これが、インナーチャイルドワークの本当の姿であり、子供をイメージして抱きつくことがいインナーチャイルドワークの本質ではないということ。
だから、インナーチャイルドがいない、インナーチャイルドを見つけられない、と言ってもそれはそれで問題ありません。
アプローチの仕方を変えて、問題となるこころの澱や記憶のよどみを意識できるようにすればいいだけ。
インナーチャイルドワークを含め、全ての臨床的な心理療法は、相談者が解決を望む問題の原因となる記憶を、目の前に出してくることが重要なのです。
(関連記事:記憶のメカニズムを心理学で解明する。~記憶の種類とは~)
臨床心理を学ぶあなたにおススメのインナーチャイルドの見つけ方
インナーチャイルドの見つけ方は、いたって簡単。
相談者が相談に来た感情や行動などの内容に即したイメージを子供の姿に投影すればいいのです。
そのためには、催眠状態に入ることで、変性意識状態になることが近道。
NLPの技法として、子供の姿に置き換えずにインナーチャイルドワークをすることもありますが、相談者の記憶を扱うので、相談者の過去の姿である子供に投影するのがベターです。
インナーチャイルドワークについて、記憶との関係を無理やり相談者に説明する必要はありませんが、あなた自身がこのことを知っておくことでより効果的なセラピーを行うことができるでしょう。
それでは、相談者がインナーチャイルドに出会うためにあなたがすることを見ていきましょう。
(関連記事:前世の記憶を思い出す前世療法はブライアン・ワイス博士の効果ある心理療法)
インナーチャイルドとの出会い
目をつぶって、問題となる感情に集中してもらいます。
その感情や行動が起こりやすい状況をイメージしていくのです。
そして現れ出た感情を強くして、感情の懸け橋を使い、インナーチャイルドとして表出させる。
すると、相談者の問題となる感情や行動の原因となる記憶が、具体化したイメージである子供の姿を借りて現れてくるのです。
このインナーチャイルドにとって必要な手順は次の通り。
- ターゲットになる感情の抽出
- 催眠誘導
- 面談でターゲットとした感情をよみがえらせる
- 感情のかけ橋のテクニックを使い、ターゲットの感情と同じ感情を体験したできるだけ幼いころに戻る
- その状況をできる抱く詳しく具体的に何が?どうなのか?聞き出し、そこで何が起こっているのかを確認しながらターゲットとなる感情の根本の記憶を探し出す。
- 相談者を慰めながらとインナーチャイルドとの対面に入っていく
- ポジションチェンジでインナーチャイルドの中に入る
- ポジションチェンジで元の相談者に戻り、インナーチャイルドの中で体験したことを現在の意識で振り返る。
- インナーチャイルドを守りながら相談者の中に戻す。
- ポジションチェンジでインナーチャイルドの中に入り、相談者と対面し話したことについて昔の記憶の中から振り返る
- 何がわかったのか、何を学んだのか確認して暗示のインストールややリソースの引き出しをして、学びを得る
- 学びを潜在意識、無意識に焼き付ける
- フューチャーペーシング
- 解催眠
これが催眠療法におけるインナーチャイルドワークの一連の流れ。
ここから、実際にインナーチャイルドワークをおこなうときのポイントに触れていきます。
インナーチャイルドに出会うためのポイント
感情を表出させるときは、その感情が相談者の体のどこから湧き出てくるのか、聞いて探してみてください。
この時、あなたが胸とかお腹とか、アドバイスする必要はありません。
相談者が自ら見つけるまで、ゆっくりと肯定しながら、待ちましょう。
どうしても見つからないときは、なんとなく、で問題ないので見つけてあげましょう。
相談者自身が集中して、感じられるところであれば問題ありません。
そして、場所がわかったら、その色や形などの外見を感じていきます。
この形も色も思いつくままで問題ありません。
棘っぽいのかグニャグニャなのか、明るいのか、暗いのか、熱いのか、冷たいのか。
ドンドンイメージアップして具体的にしていきます。
色や形、感情や重さ、感触や印象など見ていきましょう。
そうして、現れてきたものをどんどんと大きく強く、感じてインナーチャイルドとしてとらえるのです。
そうして、現れてきてくれたことに「ありがとう」と感謝の言葉を相談者からインナーチャイルドへ伝えてもらい、擬人化された記憶と円滑なコミュニケーションを築きましょう。
インナーチャイルドは、相談者自身のイメージであり、記憶です。
それは、相談者自身を守ろうとして存在しているものですから、肯定的にとらえることが必要。
ただ、その相談に来た内容が子供に結びつかないような場合は、インナーチャイルドワークではなく、他の方法を取ったほうが良いでしょう。
なぜなら、問題の原因となる記憶を子供の姿を借りて、イメージアップをしなければならないから。
催眠療法であれば、イメージのすり合わせをしながら子供の姿を借りて記憶を呼び出すこともできます。
ですが、相談者の感じている原因と子供のイメージがつながりにくい場合や、インナーチャイルドワークという心理療法に疑問を持っている人には適さないでしょう。
(関連記事:催眠療法の歴史。不安や悩みを取り去る催眠療法は心理学の生みの親)
まとめ
以上、「インナーチャイルドとは!臨床心理を学ぶあなたにおススメの見つけ方」をお伝えしてきました。
インナーチャイルドは、ともすれば、非科学的でオカルト的な印象を受ける人もいます。
いくら、心理的な問題を強力に解消できる有効な方法だからといっても、インナーチャイルドは、相談者に強要して行う心理療法ではありません。
そんな時は、普段行っている退行催眠やイメージ療法で問題となる感情に触れていく方が効果的です。
(関連記事:ヒプノセラピー ~催眠療法のススメ~ あなたの脳と心に働きかける最強の心理カウンセリングとは)
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