こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
感情を殺して生きること。
それは、自分の想い通りに動くことなく、自分を抑えて生きてきたピエロのような生き方。
日常の生活で、頑張ろう、よくなろう、と、そう、必死に生きてきた結果、何も感じない生活になって、淡々とした毎日が過ぎ去っていく。
そうやっていつのまにか、自分を犠牲をしてきたことってありませんか?
物事を上手く進めたり、かわしたりするために、自分の感情をつい、押し殺してしまう。
そうやって感情を殺して生きているうちに、いつの間にか、怒りや悲しみ、喜びや楽しみなどの感情を失ってしまっていませんか?
感情を殺して生きること
今まで、あなたは、感情を殺して生きることを、むりやりさせられてきたのでしょうか。
それとも、暮らしやすいように、安心できるように、自分から進んで、あなた自身の感情を殺して生きる道を選んできたのでしょうか。
人が集団生活をするならば、その集団で決められたルールを守る必要があります。
集団という人間の社会で生活していくならば、決められたことを守っていくことは大切。
例えば、渋谷のスクランブル交差点で、赤信号なのに、みんなバラバラとわたり始めるとどうなると思いますか?
もちろんその交差点は、車が通れなくなり、渋谷を中心に大渋滞を引き起こします。
このように、今渡りたいから渡るという気持ちを抑えて生きることは、決して悪いことではない、ということ。
集団として生きるために必要なことなのです。
ですが、今の社会はルールが多い。
憲法や民法、刑法などの法律の本はうんざりするほど厚くて、中身がびっしり書かれていますすよね。
また、明文化されていなくても、SNSのルールだとか、チャットの決まり事など、いろんな制約が身の回りにあります。
それを守ることができなければ、そのヴァーチャルな仮想世界からも追放されてしまう。
だから、自分を抑えて生きることは必要だ、ともいえるでしょう。
でも、少し自由に生きている人を想像してみてください。
仕事をしたい時にして、遊びたい時には遊ぶ人。おきたい時に起きて、寝たい時に寝る。
風呂に入りたい時にはすぐに入り、勉強したい時には思いついた時にする。ご飯を食べたい時に食べて、運動をしたい時に体を動かす。
こんな自由な人生を謳歌している人はとても羨ましいと思いませんか?
でも、実際にはそんなことができずに、自分の感情を抑えて生きている。まだ寝ていたいのに起きて、仕事に生き、夜遅くまで働くという、自分の感情を殺した生活を送っているのではないでしょうか。
(関連記事:催眠療法の歴史。不安や悩みを取り去る催眠療法は心理学の生みの親)
自分を抑えて生きてきた
自分を抑えて生きてきた人は、とても辛抱強い人。
自分が思っていること、いいたいこと、願ってやまないことがありながらも、表現することとは対照的に、表に何も出さず、自分の気持ちを心の中に隠し込んで日常を過ごしている人。
親からなにか言われたらそれに従い、友達から頼まれたらいやといえず、先輩から怒鳴られても小さく委縮するだけ。
自分を抑えて生きることで、周りがうまく回ればそれでいい。
そんな自己犠牲の感情を持ったことはありませんか?
集団の中のルールを守ることは確かに必要ですが、それは、全て相手の言いなりになることではありません。
必要な時には、理不尽なことを言う相手としっかりと話し合うことも大切。
そうやって、お互いのことを表に出し合って理解することで良い関係を作っていくことができるかもしれません。
(関連記事:最古参「ヒプノセラピー(催眠療法)」と最先端「認知行動療法」の共通点とは)
笑いながら泣くピエロ
真っ白い顔に奇抜な紅を入れたメイクのピエロは、周囲にいる人たちを笑わせ、楽しませる存在。
そんなピエロは、泣きながら笑うというとても変わった表情をしています。
なぜ、ピエロがそんな表情のメイクをするのでしょうか。
それは、ピエロ自身の気持ちを隠しているから。
ピエロはもともと、健常な身体を持たない奴隷の人々。
そんな彼らが自分の滑稽さを売りにしているのがピエロなのです。
自分のことを笑われることがピエロの使命。
ですが、バカにされ笑われ続けるピエロの心境は、いったいどれくらい傷ついていたのか、想像に難くないでしょう。
この世に生を受けた人間なのに、バカにされ、笑われ続けているピエロは、実は感情が入り乱れた人間。
笑って喜んでいる姿を表に出しながらその心では泣いて、怒りや恨みを持ちながら、さらに笑い続けるピエロ。
ピエロが怖いという道化恐怖症というものがありますが、いろんな感情が爆発して混在しているピエロから、どんなものが飛び出すかわからないところに恐ろしさがあるのでしょう。
遊園地やサーカスで人を楽しませるピエロ。
その真っ白い顔と鮮やかな紅とで作った笑いが作り物すぎる気がしませんか?
本当の気持ちを隠しながらも、そのこころのうちに涙を流す感情が、チラッと見えた時に、混乱し、恐怖を引き出すともいえるでしょう。
このように、あなたがピエロを演じていては、誰も本当の友達になってくれません。
いつまでも一人ぼっちのピエロでいるしかないのです。
もしあなたが、感情を殺してピエロを演じることをやめることができたなら、周囲の人のあなたのことを本気で見てくれるようになる。
本気で相手にぶつかっていくことで、相手も本気であなたの存在を認めてくれる。そう思いませんか?
それは、決して自己中心的に自分の欲望をさらけ出すのではありません。
目の前の人の気持ちを汲み取って、あなたが本当に大切だと思うことをしてはどうでしょうか。
(関連記事:泣きながら笑うピエロの心理とは。極端な感情に秘められた道化師の謎)
他人の気持ちを汲み取る力の真実
他人の気持ちを汲み取る力とは、相手の気持ちや言動に共感する能力のこと。
この他人の気持ちを汲み取る能力は、他人の思考、そして感情を読み取る素晴らしい力です。
相手の立場にたって考えることができるので、その人の気持ちや考え方がどんなものであるのかを理解することができる能力。
他人の気持ちを汲み取る力とは、人の上に立つリーダーになるための資質として、とても重要なものといわれます。
他人の気持ちを汲み取る力がない人とは、自閉症スペクトラム障害といった精神的な問題にもなってしまう。(参考:自閉症の真実とは)
だから、気持ちを汲み取る力があることは、人間として生きるためにとても大切なものを持っているとみて差し支えないでしょう。
この他人の気持ちを汲み取る力は、組織のリーダーだけでなく心理療法を行う人々にとっても重要なポイント。
人の気持ちのわからない人は、相手の気持ちも考えずについアドバイスをしてしまう。
日本の偉大な臨床心理学者、河合隼雄博士も”100%正しい忠告はまず役に立たないし、ある時、ある人に役立った忠告が100%正しいとはいい難い”といっています。
ただ、河合博士は”人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている者が「心の専門家」である”ともいっています。
相手の気持ちがわからないからこそ、しっかりと人の話を傾聴し、相手の気持ちを汲み取ろうとすることが重要。
相手の気持ちを汲み取る力は、とても大切で素晴らしいものですが、そのあなたが汲み取ったもの、は絶対ではないということにも注意しなければなりません。
催眠療法をはじめとする心理療法で思い込みや決めつけは、百害あって一利なし。
他人の気持ちは、100%わからないからこそ、人の気持ちを汲み取る力が大切なのです。
(関連記事:死生観とは何なのか。日本人の死生観の歴史とその真実の意味とは)
まとめ
以上、「感情を殺して生きること。自分を抑えて生きてきたピエロのような人生」をお伝えしました。
一部のセラピストには、相手の話を上辺だけ聞き、セラピストが想像したアドバイスをする人がいます。
それは、心理療法やカウンセリングではなく、単なる人生相談。
臨床心理学に基づく心理カウンセリングとは、セラピストが相談者の言葉をしっかり傾聴し、相談者が自分から話すことでその問題点に気付き、相談者がみずからの手で解決することが大切ななのです。
(関連記事:ヒプノセラピー ~催眠療法のススメ~ あなたの脳と心に働きかける最強の心理カウンセリングとは)
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