こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
さて、催眠療法であるヒプノセラピーは、カウンセリングに来た人に対して催眠術で催眠状態に導きセラピーを行うというもの。
ですが、催眠術にかかる人とかからない人がいます。その違いはどこにあるのでしょうか。
実は、この二つのタイプの人の違いは、物事のとらえ方やその人の人間性にあるのです。
それでは、催眠術にかかる人とかからない人の違いをヒプノセラピストから見た観点で解説しましょう。
催眠術とは
催眠術とは、言葉や行動によって、変性意識状態という催眠状態に導く催眠誘導のこと。
ことばを自在に使って催眠状態に導くのです。
この催眠状態とは、いったいどのようなものかあなたは知っていますか?
答えから言ってしまうと、催眠術による催眠状態とは誰でも経験している状態のこと。
眠っているように見えるのですが、決して眠っているわけではありません。
身体はあなたが眠っている時に近い状態でありながら、精神的には眠りとは反対の状態。
どういうことかというと、あなたの心理面では、とても活性化していて集中している状態なのです。
ちょうど、映画を見ているときに、映画に入りこんで自分の意識が飛んでいる状態と同じ。
とても集中しているから、周りのことを気にすることなく、映画の一部となって観ている状態と催眠状態である変性意識状態とが同じなのです。
この状態って、誰でも経験していること。
もしあなたが、客観的に見ることに長けていて、主観的に映画を見ることができなければ、定型発達していない可能性があるので、一度病院で診察を受けることをおすすめします。
精神的に健康な人であれば、映画を見る時に集中できますし、音楽を聴いて自分の世界に浸ることもできるはずですよね。
この映画を見ている時のように、あなたの注意資源をすべて催眠術をかける人の声に向けることができるなら、その時にはすでに催眠術にかかっているのです。
その時のあなたの身体への意識はほとんどなく、椅子に座っていることも忘れているかもしれません。
あなたがもっと映画に集中することができたなら、映画館で映画を見ている事すら忘れて、映画のストーリーに引き込まれることもあるでしょう。
この状態が催眠術にかかっている状態。
催眠術にかかることって、とても簡単ですよね。
この催眠状態にあなたがいる時って、椅子に座っていることを忘れるように体の感覚も失うことがありますし、映画を見ている時間があっという間に過ぎるように時間的な感覚もなくなります。
このように、催眠術であなたが催眠状態になると普段の意識では考えられないほどあなたの感覚が変化します。
この状態があなたの意識レベルが低下して無意識に接触している状態。
これがヒプノセラピーで行われる催眠誘導による催眠状態です。
催眠術をかけられたとしても、意識がなくなるわけでもないし、眠くなるわけでもないし、命令に従うわけでもない。
世間一般の催眠術に対する偏見を捨ててください。
そうすることで、真の催眠術、ヒプノセラピーの催眠誘導を体感できます。
催眠術は他人をコントロールするテクニックではありません。
むしろ、あなたの意識は極度に活性化し、イメージを作り上げる能力を極大化させあなた自身を見つめなおす状態を作るのが、ヒプノセラピーの催眠術。
研ぎ澄まされた感性と、過去の記憶への接触、イメージ能力の増大といった催眠状態を作るのが、ヒプノセラピーにおける催眠術であり、催眠誘導なのです。
(関連記事:時間を退行する催眠療法とは、逃げたい・消えたい・死にたい時の対処法)
ヒプノセラピストから見た催眠術
ヒプノセラピストから催眠術を見ると、一般的には催眠術とは催眠状態、変性意識状態に導くだけの催眠誘導のことを言っているように感じます。
ヒプノセラピストが言っている催眠とは、心穏やかにリラックスしている状態。
そして普段考えたり、感じたりしているあなたの意識レベルをさげて、記憶の領域である無意識への旅立ちの準備が整っている状態が催眠術がかかった催眠状態といっています。
ヒプノセラピストに催眠をかけられるととても落ち着いて、とてもリラックスして、とても集中した状態なる。
時間的感覚は通常と異なりあっという間に時間が過ぎたように感じたり、とても短く感じたりするほか、身体が感じている感覚もとても重くなる・軽くなる・浮き上がった感じがするなど、普段とは違う様子になることもあります。
それが催眠状態であり、映画館で映画を見ることで主人公に同化する、というような状況です。
もし映画でなく、音楽であっても同じ。
あなたが電車の中にいることすら忘れ、集中してスマホを操作することもあるでしょう。
その時、あなたは電車にいることも忘れ、スマホの画面に見入り、聞いている音楽を体で感じ取っているはずです。
これも催眠状態に入っているのです。
映画を見た時のように、映画の主人公になったような気がすることもあるでしょう。
スマホに熱中していたら下りるはずの駅を乗り過ごすこともあるでしょう。
そんな状態するのがヒプノセラピーの催眠誘導であり、催眠療法の催眠術。
世間で出回っているyoutubeなどの動画にある、「目が開かなくなる」や「力が抜ける」などの催眠術は、人の形をマネしている人形のような存在。
本物の催眠を体験したいなら、エリクソン催眠のような対面式の催眠術を受けることをおすすめします。
なぜなら、動画や電話の催眠では、情報が乏しいので、催眠誘導に失敗する可能性が高いから。
催眠術にかかりやすい人ですら、かからないかもしれません。
そうなると、プラセボ効果のような思い込みが発生し、「わたしは、催眠術にかからない人だ」と勝手に自分で信じ込んでしまう。
一度でも、自分は催眠術にかからない人間だと思い込むとますます催眠誘導で「どうせ私はかからない」と集中できなくなり催眠にかからない人間になってしまうのです。
勉強できない子が、「どうせ私は勉強できない」とまともに勉強せずに成績が落ち続けるのと同じ原理ですよね。
(関連記事:ミルトン・エリクソンの心理療法は無意識に語りかける催眠療法)
催眠術にかかる人とかからない人の違いとは
ここまで読み進めて頂いたあなたなら、もうすでに、催眠術にかかる人とかからない人の違いが判っているかもしれません。
この両者の違いとは、次のようになるでしょう。
催眠術にかからない人
催眠術にかからない人とは、まず初めに想像力に乏しい人。
アクション映画を見て、
なんてバッサリと切り捨てる人は、催眠誘導を受けても日常の意識レベルが下がらず、催眠状態に入りにくいのです。
また、疑い深い人は、催眠術にかかりにくい。
疑い深い人は、そもそも、催眠術の存在自体を疑っていたり、否定していたりします。
地動説を唱えたコペルニクスが当時の天動説を信じていた世間から笑われたように、信じない人にその世界は存在しません。
催眠術の存在を疑っている人に催眠をかけようとすることは、存在しないところに導こうとすることと同じ。たとえサイ見状態に導いてもそれは無駄な努力に終わってしまうでしょう。
また、集中できない人も催眠術にかからない人。
映画館で隣の恋人の手を握ることに夢中になる人や、この後の予定で頭がイッパイな人は、映画を見ても集中できていないので、映画のストーリーの中に入ることができません。
これと同じように、催眠術でおこなう催眠誘導に集中しなければ、催眠状態に誘導されることはない。
リラックスしてくださいとセラピストが語った言葉に集中せず、この後の晩御飯を想像しているような人には、催眠術はかからないということ。
このように、その場にコミットすることができない人は、催眠術にかからない人なのです。
催眠術にかかる人
催眠術にかかる人ととしてまず第一に挙げられるのが、集中力のある人。
映画館に行ってもソワソワしたり、隣の恋人の手をさわっていたりするような集中力のない人はそもそも催眠状態を維持しづらい。
映画に集中してしっかりとアソシエイトしながら映画の主人公になったように感じれたら、催眠にかかりやすい思考方法を持っています。
ここでいう、アソシエイトとは、主体的、能動的に物事をとらえるということで、それができる人は催眠にかかりやすいと言えます。
そして次に、想像力が豊かな人が催眠状態に入りやすい人。
なぜなら、想像力が豊かだと催眠誘導によるイメージを膨らませやすくなり、あなたのこころの中でイメージをしっかり作ることができるから。
次に、素直な人が催眠術にかかりやすいということも事実。
催眠術そのものを素直に受け取り、ヒプノセラピストから伝えられる言葉を素直に受け取り、理解し、実行できること。それができるなら、とても催眠術にかかりやすい人といえるでしょう。
催眠術にかかりやすい人とは催眠療法の意識レベルが低下した状態でセラピストの声に耳を傾け、その状況をありありと想像できること。
そのあなたのこころの創造エネルギーが催眠術にかかるためのパワーになるのです。
(関連記事:心理学が科学である理由とは)
ヒプノセラピーでの催眠術について
ヒプノセラピーの催眠術、催眠誘導は、相手の様子を見ながら相手を受け入れていくエリクソン催眠のテクニックを利用します。
古典的なメスメリズムの動物磁気による催眠療法は、精神科医であるとか心理学者であるとかといった権威を使った催眠が行われていました。
催眠誘導には、手を引っ張って同時に「眠れ」というように驚かせて催眠状態に導く驚愕法や、数字のカウント法、黒板消去法などいろいろあります。
ですが、ヒプノセラピーで使う催眠術は催眠に入った後に行う手法に合わせた催眠誘導を使うことを第一としながらも、相談者がより簡単に、よりリアルに、より具体的にイメージできるような精神状態に導くべき。
だから、黒板消去法などの意識がとがっている催眠状態は、暗示を与える時に適しているし、リラックス法で丸い意識の催眠状態は、より創造的にイメージが必要なエンプティチェアや退行系の前世療法に適していると言えるでしょう。
ただし、催眠状態を知らない人に驚愕法はかなり難度が高くなるし、催眠にかかることに恐怖を持っている人や催眠に対して疑念を持っている人に催眠をかけることは避けるべきです。
このように、催眠をかけることに対して失敗しそうな時は、いきなり催眠をかけようとしてはいけません。
催眠のイロハについて説明し、催眠に対する理解を深めてあげることが先決。
日本語を知っているから日本語を話すことができるし、足し算を知っているから足し算ができる。
つまり、催眠のことがわかるから催眠にかかるわけであって、催眠を知らない状態で催眠誘導を行うことはパラシュート無しでスカイダイビングをするようなものなのです。
催眠誘導を行わずに、相手の心を理解したり、反応を予測しようとしたりする方法があります。
その方法とは、NLP(神経言語プログラミング)という技術。
これはビジネスに応用されているような心理学や生き物としての人間の習性を利用した心理学を使うもの。
どうしても催眠誘導に抵抗を示す人には、このNLPの手法を利用するタイムラインセラピーがかなり有効。
NLPの手法は催眠状態を経ないで心理臨床的なアプローチするすることができるので、全ての状況から催眠に導くエリクソン催眠と通じるところがある心理技術。
このように、ヒプノセラピーで使われる催眠術はそのセラピー内容に応じた催眠誘導を行い、来談者の催眠に対する認識に合わせた催眠誘導を行います。
天才的ヒプノセラピストの精神科医ミルトン・エリクソンの言葉に「治療に抵抗するクライアントなどいない。柔軟性に欠けるセラピストがいるだけだ」というものがあります。
優れたヒプノセラピストに出会うことができれば、あなたが相談者として催眠療法をうけてそのヒプノセラピーを成功させることはとても簡単なことなのです。
(関連記事:ミルトン・エリクソンの心理療法は無意識に語りかける催眠療法)
まとめ
以上、「催眠術にかかる人とかからない人の違いとは。ヒプノセラピストが解説」についてお伝えしてきました。
催眠術にかかることとは、意識を失ったり、記憶を無くしたりするような特別な状態ではありません。
結局のところ、催眠術にかかる人とかからない人の違いは催眠術にかかりやすい思考かそうでないかの違い。
催眠術の先にある催眠状態に対して受容的であるか、拒否的であるかの違いなのです。
(関連記事:催眠術のかけ方は簡単?催眠にかかりやすい人、かかりにくい人)
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