催眠誘導のトレーニング法。ダブルバインドで誘導する言葉で話す方法

こんにちは。

神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。

 

催眠療法に必須の催眠誘導。

その催眠誘導を上手く行うためには、ダブルバインドというテクニックがとても役に立ちます

 

そんな催眠誘導のトレーニング法についてダブルバインドで誘導するためにどんな言葉を話していけばいいのでしょうか。

そのダブルバインドを使った催眠誘導を行うためのトレーニング方法を見ていくことにしましょう

 

催眠療法とは

催眠療法とは、相談者を催眠誘導で催眠状態に導き、暗示を与えてその信念を強化したり、イメージを使って過去の記憶、トラウマの意味付けを変えたりする方法。

ヒプノセラピーという呼び方をする人もいる、催眠を使ったセラピー、心理療法です。

 

催眠を使うことでセラピストに操られてしまうのではないか、想ってもない行動をとってしまうのではないかと心配することは全くありません。

催眠療法で使われる催眠誘導は、リラックスして、無意識を表に出す方法が一般的に使われるので、行きつくところは究極のリラックス、または完全なあなたのコントロールです。

 

ヒプノセラピストが思うままにあなたを操ることはできません。

催眠誘導で催眠状態に入っていくことでヒプノセラピストに求められるものは、相談者の心の中に眠る思いを引き出し、意味付けし、相談者の意志を強化することなのです。

(関連記事:言葉の力とは。自分に暗示をかける意味は、暗示の効果にあった。

 

催眠療法での催眠状態は最高度に自分の精神世界に集中した状態

催眠療法では、催眠状態に入ることで、潜在意識を浮かび上がらせる技術。

催眠誘導で導かれる先にある状態が催眠状態です。

 

催眠状態に入ると、無意識的な働きを担っている潜在意識が現れる。

その潜在意識に抵抗なく変化を受け入れさせることができれば、自分自身を変化させることにつながっていきます。

 

この催眠状態とは、最高に集中している状態で、最高に自分自身を見つめている状態で、最高にリラックスしている状態。

ちょうど、寝起きの状態で起きているのか眠っているのかわからない中途半場な状態、まどろんでいる状態のこと。

 

マッサージ店に行って薄暗い中でいい匂いと暖かい部屋の中でまるで母親の胎内にくるまれているような安心感がある状態。

全てが順調で、全てがうまくいき、全てが思い通り。そんな状態が催眠状態なのです。

 

ほかにも、映画館で映画を見て中にハマっている状態も催眠状態。

あたかも、主人公になり切ったような気分になって、映画を見ているのではないでしょうか。

 

電車の中で音楽を聴いて自分の世界に入っていたり、スマホでゲームに集中しているのも催眠状態。

ほかの人の声も他の人の顔も、外の景色も見えているはず、聞こえているはず、感じているはずなのに、一切その感じを感じず自分の世界に集中している状態が催眠状態なのです。

 

この催眠状態は、顕在意識のレベルが低下し、潜在意識が表面に出てきている状態のことを指します。

潜在意識とは、無意識的な働きを司っている意識していない意識のことで、あなたの記憶や体験、経験、考え方や信念、情熱などの倉庫。

 

潜在意識はあなたという存在の精神的な部分と言えるでしょう。

その潜在意識は普段意識していませんが、朝のまどろんでいる時のように顕在意識のレベルが低下している時には表面に出てきます。

 

この催眠状態に入った時は、とてもインスピレーションが高い状態なので思い付きやひらめきが特に敏感になり働きが活発で優れるようになる瞬間。

エジソンが眠る前に枕元にメモ帳を欠かさなかったのは、ひらめきのアイデアを実現するために必須の行動だったのです。

 

こんな簡単に入ることができる催眠状態ですが、あなたが意識的に催眠状態に入ろうとするとなかなか入れないという現実に直面するでしょう。

だから、僧侶は禅の修行をするし、ヨガで瞑想しても無我の境地にたどり着けない、そういったことが起こるということ。

 

自分で催眠状態に入ることは難しいのですが、他からの働きかけなら簡単に入ることができる。

だから、映画館という外からのチカラ、音楽という外からのチカラ、スマホという外からのチカラで催眠状態に入るように、外からのチカラである催眠誘導があれば催眠状態に入ることが簡単にできるのです。

 

催眠誘導とは

催眠誘導とは、催眠療法を実施する際に催眠状態に誘導する方法

催眠に誘導することから催眠誘導という名前がついています。

 

この催眠誘導という言葉が示す通り、催眠はその状態に誘導されるものであって、催眠で他の人を操るというものではありません。

催眠状態は最高のリラックスであり、それに向けて行う催眠誘導はリラックスして潜在意識が浮かび上がってイメージを作り上げる方法。

 

決して、催眠誘導は心を失わせて他のものに作り替えるようなものではありません。

催眠療法は心の外科手術のようにたとえられますが、じつは、薬もメスも使わない、言葉だけでこころを変化させていく方法。

 

そのためには顕在意識のレベルを低下させ、クリティカル・ファキュリティという顕在意識が作り出している潜在意識の壁を引き下げることが必要。

そのために行うのが催眠誘導なのです。

 

あなたに合わせて最適化された催眠誘導を行えば、あなたに最高の精神的な集中をもたらします

有名な禅僧でもなかなかたどり着くことができない無我の境地、ヨガの達人、インドの高僧でなければたどり着けない瞑想による精神統一を催眠誘導で手に入れることができるのです。

 

催眠療法で使われる催眠誘導の重要性

催眠療法で使われる催眠誘導で、相談者は催眠状態に入ることになります。

この催眠誘導に失敗すると、相談者の意識が覚醒したままなので、とにかく相談者は現実的なまま。

 

想像してみてくださいといってもできませんと答えて見たり、何が見えますかと聞いても目をつぶっているので何も見えませんと答えたりするのです。

催眠誘導によってしっかり催眠状態に入っていると、無意識が意識から解放されているので、イメージの幅が広がり、何が見えるかを探そうとします。

 

こんな状態が催眠状態。

この変性意識状態と呼ばれる催眠状態へ導くのがヒプノセラピストの最初の役割と言えるでしょう。

(関連記事:なぜユングやフロイトが提唱した無意識がヒプノセラピーに重要なのか

 

ダブルバインドで誘導する方法

さて、この催眠誘導を成功するためには、ダブルバインドな質問をするのが効果的。

ダブルバインドとは、二重拘束と言い、二つの質問を出して、相談者に答えを求めるもの。

 

そのダブルバインドな質問とは、どちらの答えを選んでもセラピストの望む答えに行きつく質問。どちらの扉を開けても同じ部屋につながっているのです。

相談者みずからが選んでいるような形になるのですが実は、その答えは、質問者側であるセラピストが望む答えになるのです。

 

例えば、相談者が緊張したままあまりリラックスしてくれない時を想像してみてください。

あなたはリラックスしているかもしれないし、そうでないかもしれない。これから数字を10数えますが、リラックスしていると感じるなら、数字が進むごとにさらにリラックスが深まります。もし、緊張がまだ残っていてリラックスできていないと感じているのなら、これから10数字を数えますのでドンドンと緊張が解け、リラックスが深まるのを感じることができるでしょう。

と、現在リラックスしているかどうかはどちらの答えでもよく、行きつく先はリラックスすることにつながるのです。

 

このようなダブルバインドで誘導する言葉を使う話法を練習するにはどうすればよいのでしょうか。

次はその催眠誘導で使う言葉のトレーニングの方法を見ていくことにしましょう。

(関連記事:ミルトン・エリクソンの催眠誘導は来談者中心療法と同じ視点の催眠術

 

催眠誘導で使う言葉のトレーニング法

催眠誘導で使う言葉は、古典的な催眠誘導、権威的な催眠誘導、許容的催眠誘導のうちどの誘導方法で催眠状態に導くかで言葉の使い方が変わってきます。

今回紹介しているダブルバインドを使った誘導方法は、あらかじめトレーニングして準備をしておけば、どの催眠誘導でも使えるオールマイティなテクニックとなるでしょう。

 

ダブルバインドは、2択の質問を投げかけてそのどちらかを相談者が選んだ結果、どちらを選んでもセラピストの望む答えや状態になるものです。

ところで、催眠誘導を使う時には、相手からの信頼と催眠誘導を行う側の権威が必要になって来ます。

 

精神科の医者であるとか、心理学専門の研究者であるなどといった経験や肩書があればいいのですが、ほとんどのセラピストにはないものでしょう。

この肩書を得るには、セラピスト養成校で勉強することも一つ。相談者があなたのことに疑問を感じていたら催眠誘導はほぼ確実に失敗します。

 

もし、あなたに何の肩書もないとしたら、ここでほぼ確実に起こりうる、指の万力や観念運動を使ったペンジュラムなどを利用してヒプノセラピストとしての格をあげておくことが必要。

ヒプノセラピー、催眠療法の無料体験でくる人の中にはあなたの催眠誘導を潰そうとする人もいますが、そもそも、お金を出してセラピーを受けにくるような人なら、少なからず催眠に興味があるはず。

 

だから、あなたのもとに催眠療法を受けに来る人に、たとえば、「あなたは、催眠を信じますか?(あるいは信じませんか?)」と聞いてみてください。

ほぼ、信じると答えるか、よくわからないとこたえるはずですから、「信じているからここにいるのですよね。その信じている催眠を体験してみましょう」と誘って、指がくっついて離れない催眠やペンジュラムなどの観念運動を使った催眠体験をさせてあげてください。

 

ここで、催眠を信じないと答える人がほんのわずか、いるかもしれません。

そんな人は、ヒプノセラピーを受けに来るはずがなくあなたの目の前に座っている理由がありません。

 

催眠とは何か、催眠状態に入るとはどういうことなのかを説明して、理解を求めることが必要でしょう。

それでもかたくなに催眠を否定するなら、まず催眠にかかりません。

 

そのような人は、「お金を出してやっているのに催眠ができていないじゃないか」とクレームや非難につながることが見えています。

あなたが本格的に催眠療法をはじめる前に、お引き取り頂くのが賢明でしょう。

 

ともかく、事前面談なども含めてですが、催眠誘導では、相手をダブルバインドな質問や問いかけを行うことがとても効果的。

催眠状態に集中できるような、催眠誘導に適した質問ができるように、トレーニングしていくことが望まれます。

(関連記事:臨床心理を学ぶ人必見!偉大な心理学者の有名な名言集

 

催眠誘導で大切な声のトレーニング法

催眠誘導は、言葉をクライアントに聞かせることで催眠状態に誘導する方法。

だから、ヒプノセラピストの声の質や大きさも重要なポイントです。

 

催眠状態とは、精神的な集中状態であり、リラックスすることが必要。

そんな時に、甲高いキンキン声で語られたり、酒ヤケでつぶれただみ声や神経を逆なでするような声で話されたりすると集中できるものも集中できず、催眠状態に入るにも入ることができなくなります。

 

催眠誘導でリラックスして誘導の声をクライアントに聴いてもらうには、発声法も練習する必要があるでしょう。

催眠誘導にもってこいの声は、多少個人的な好みも入りますが、少し落ち着いた感じの安心感のある声です。

 

心地よく、自分の世界に集中するためにリラックスして催眠誘導を聴ける声がヒプノセラピストとして最高の声。

そんな催眠誘導にもってこいの声を出すトレーニング法は、息を多く混ぜた感じの発生で胸腔、口腔、鼻孔、咽頭を強く響かせた声を出すように心がけるということ。

 

このためには、呼吸のトレーニングをすると、催眠誘導に適した声を手に入れられるようになるでしょう。

ヒプノセラピストへのおススメの低音で長い息を使った発声法を練習法は次の通り。

 

催眠誘導向け発声トレーニング法

  1. 床や椅子にアグラをかいて座る
  2. 自分が出せる一番低い音で息だけになる寸前の低い声を出してみる。
  3. 声を出している時は出ている声の音に集中し、胸の響き方を意識する
  4. この低い声を15秒続ける
  5. 次は25秒続けて発声する
  6. 次は30秒続けて発声してみる

 

これを繰り返していると、落ち着いた低い催眠誘導向けの声が出るようになります。

息が安定するようになって、胸の中で声が響いて催眠誘導に適した重低音の効いた声が手に入るでしょう。

 

まとめ

以上、「催眠誘導のトレーニング法。ダブルバインドで誘導する言葉で話す方法」をお伝えしました。

今回お伝えしたのは、催眠誘導に至るまでの誘導の話法であり、催眠を強固に信じていると思わせることで催眠誘導をより行いやすくする方法。

 

ダブルバインドを使うと相手が自分で選んだ答えのように感じ、その選んだ答えと結果をより強く支持するようになります。

今回お伝えしたダブルバインドの方法はトレーニングしておけば自然と出てくるようになりますので、ぜひ、催眠誘導に使ってみてくださいね。

(関連記事:ヒプノセラピーは効果ない?ヒプノセラピーが効かない理由と対策

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