こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
言葉の力を伝える人は多いですが、本当に言葉には力があるのでしょうか。
また、言葉に力があるとしたら、いったいどのくらいの力があるのでしょうか。
言葉を使いながら、催眠誘導を行って、催眠状態に導き催眠療法・暗示療法を行う、ヒプノセラピー。
実は、ヒプノセラピーは言葉の力を使う心理療法なのです。
それでは、ヒプノセラピーでも重要視されているそんな言葉の力を見ていきましょう。
言葉の力とは
「言葉の力」。あなたはこの言葉の力という言葉を聞いてどんなものを想像しましたか?
- 人を動かすことばでしょうか。
- 聞く人を感動させる言葉でしょうか。
- モチベーションをあげる言葉でしょうか。
少し考えてみると、子供のころに親から言われた「勉強しなさい」 という言葉。
この言葉で、子供は勉強を始める。
つまり、「勉強しなさい」という言葉は、人を動かす力があるのです。
また、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式で行われた感動するスピーチを聞いたことはあるでしょうか。
このスピーチは感動するスピーチとしてとても有名。
下に動画を置いておきますので、見てもらえると、言葉で人のこころを動かすことができることがわかるでしょう。
言霊とも呼ばれる言葉の力とは、人に伝える言葉自体の力であり、人のこころや行動までも変化させることができるもの。
そんな言葉の力を使う暗示の効果を見れば、自分に暗示をかける意味が見えてきます。
- スティーブ・ジョブズのスタンフォード卒業式スピーチ
言葉の力は「言霊」なのか
あなたは「言霊」という言葉を聞いたことがありますか?
言霊とは、言葉が持っている人を動かす霊力ともいわれ、いかにもスピリチュアル。
このように、言霊というと言葉に内在する霊力とか、言葉に宿っていると信じられている不思議な力とか、スピリチュアルなものを思い浮かべやすいですよね。
ですが、言葉の力とは、そんな神がかり的なものではなく、実際に人のこころを動かして行動させることができるもの。
言葉に力があるということでは、言霊はあると言えるでしょう。
ヒプノセラピーでは、そんな言葉の力を利用します。
催眠に入った後に、無意識とか潜在意識に対して言葉をプログラミングしていくヒプノセラピーの方法である、暗示療法。
それでは、どうして、あなたという自分に暗示をかける暗示療法が効果的なのかその意味を見ていきましょう。
(関連記事:催眠術にかかる人とかからない人の違いとは。ヒプノセラピストが解説)
暗示は言葉の力を利用する
暗示とは、言葉のプログラム。
催眠療法では、催眠誘導によって催眠状態に導き、被暗示性を高めることでそのプログラムを行っていきます。
そこでどういったように潜在意識、無意識にプログラミングしていくのか。
その時、言葉がどれほど力を持っているのでしょうか。
催眠に入った後に無意識や潜在意識に言葉をプログラミングしていく暗示療法。
この暗示について、なぜ暗示療法というものが効果的なのかを見ていきましょう。
(関連記事:催眠状態に入ると何ができるのか。シンプルにできる催眠術の効果とは)
自分に暗示をかける意味
暗示とは言葉であり、暗示療法とは言葉のプログラム。
催眠状態であるトランス状態にあなたを誘導して被暗示性を高めていくヒプノセラピー。
その催眠による暗示療法で、どうやって言葉を無意識、潜在意識にプログラミングしていくでしょうか。
あなたが普段使っている言葉。
日常生活の中で常に言葉を使ってコミュニケーションをしているのでとても自然な活動。
極めて普通に自然に当たり前に言葉を使っているので、あなたは、言葉がどれほど強力なのかに気づいていません。
じつは、人は言葉を使って物事を認識しているということポイント。
この大切なことが理解できれば、言葉がどれほど強い力を持っているのかがわかるでしょう。
(関連記事:自分を知るための方法「メタ認知」とは!わかりやすく言うと・・・)
言葉は、必要に応じて意味付けられ、力を持つ
あなたは、いつも、特別の注意を払うことなく普通に言語を使っていますが、実は他にも言葉はたくさんあり、世界中で7099の言語が話されています。
これほど多い種類がある言葉は、地域の特性を受けながら進化し、分化しています。
どういうことかというと、例えば、夜が明けて朝になるときの表現、「明け方」という言葉。
この明け方を表すことばには、未明、明け、夜明け、暁、東雲、曙、黎明、払暁、彼誰時という表現があります。
このうちいくつあなたは、知っているでしょうか。
このように日本語でも、朝の時間を分ける必要のあった昔の人は、夜明けの時間を区分けしてそれぞれの言葉に意味を持たせていたのです。
ですが、今や朝は朝で、単に起きる時間であり、夜明けを楽しむ風習はなく、このような朝の区分は全く必要ない時代。
必要がなければ、その事象に対する意味付けの必要が無くなり言葉が無くなるのですが、それぞれの事象に対し、意味付けるラベルを張ることが必要な時には、色々な表現が生まれるのです。
これは世界的に見ても同じで、例えば、雪に関する言葉を見てみましょう。
日本語で雪に関する言葉は、初雪、粉雪、ベタ雪、ボタン雪、ドカ雪、吹雪、なごり雪などという言葉がありますよね。
ですが、日本には、どれも、雪としては派生語であり、雪以外のものを表す言葉はありません。
ですが、極寒の地で暮らすエスキモーにとっては、雪の種類を見極めないと生死に関わることに。
だから、エスキモーの間で交わされる言葉には、「雪」を表す語幹を言葉が、「降雪(カニク)」「溶かして水にする雪(アニウ)」「積雪(アプト)」「きめ細やかな雪(プカク)」「吹雪(ペエヘトク)」「切り出した雪塊(アウヴェク)」の6つもあるのです。
このようにして、エスキモーは自分の生命を雪から守るために、雪という言葉にラベルを張り、意味付けをして表現しているのです。
物事は言葉が無くては存在できない
現実を認識するために言葉があります。
あなたがあなたの目の前で起きている事象を認識するために意味を付けるし、言葉を付ける。
だから、このことは逆も成り立ち、物事は言葉なしには存在できないということ。
少し細かく、説明していきましょう。
たとえば、今パソコンやスマホを操作しながら座って使っているイスについてお話しましょう。
普段使っているイスですが、これは、あなたがイスとはどういものかということを知っているから座って使う道具なのだということがわかります。
もし、あなたが「イス」という言葉を聞いたなら、形は違っても、座るためのイスを想像することができるはず。
ですが、はじめて椅子を見る未開の地の原住民はどうでしょうか。
イスを知らない原住民の心の中には、イスというものは存在しません。
だから、イスを見ると逆さにしたり、かぶってみたりと色々なことをしてみるのです。
これは、ピエロなどがよくやるパントマイムでもよくある表現で、言葉を聞いてそのものを想像できないなら、そのものは存在しないのと同じこと。
だから、あなたが言葉で物事にラベルを張らなければ、その物事を認識できないわけであって、その物事の存在はないのと同じなのです。
これは物だけでなく感情においても同じ。
たとえば日本語には「空気を読む」という言葉がありますが、中国語にはありません。
周りの状況把握が早くできるとか、見る目がないなどという表現はあっても、日本語にある空気を読むという表現が中国語には存在しないのです。
街で大声をあげてけんかをするように会話をしたり、ホテルの備品を持ち帰ったりするのはこのような空気を読むという認識がないという国民性が現れているのかもしれません。
このように、あなたが現象を認識するときには、言葉を使っています。
とても面白いことで、例えば、あなたが会社でリストラにあって明日から来なくていいと言われたとしましょう。
ここで、このような現象が起こったということに対して本質的な意味はありません。
会社を辞めなければいけないということに対して、「これは最悪の結果だ」とか「大変なことになった」という言葉を使った時点でその現象が最悪なことになり、この現象を最悪だと認識するようになります。
ですが、会社を辞めなければいけないという事象に対して「新しい出発ができる転機だ」とか、「これで人生が新しい方向に行くきっかけをくれたのだろう」とかいった言葉による意味付け、ラベル貼りをしてみてください。
おそらく、会社を辞めなければいけないという現象が最悪な現象とはまた違った現象になるはずです。
このように、言葉でラベルを貼るまでは、その現象は意味付けをされていません。
あなたが、言葉によってラベルを貼るから、その事象に意味が生まれ、存在することになるのです。
次にあなたにお話しすることは、言葉の力でその言葉で意味付けされたイメージが浮かぶということ。
それでは、さらに面白い言葉の力を見ていきましょう。
(関連記事:快適な生活を手に入れることができる「過ごし方」リストの秘密)
言葉の力でそのイメージが心に浮かぶ
あなたは、今、パソコンかスマホを使って、WEBを楽しんでいるのかもしれません。
このような簡単に使うことができて情報が手に入る電子機器も、最初に電子機器のようなものをイメージをした人がいるはず。
そのイメージに従ってシステム化し、そんなイメージの機械を作ったから、ネット環境を楽しむことができるのです。
このパソコンやスマホにしても、最初に作った人は、このようなものをイメージして作られたのです。
はじめはそんなイマジネーション、想像から始まったわけですが、その前は、パソコンやスマホ、WEBやインターネットという言葉すらなかった。
そこに、イメージをして、そういったものを創り出してこれをパソコンと名付けたから、存在することができたのです。
スマホにしても、WEBにしても、インターネットにしてもおなじですよね。
このように言葉でラベルを貼らないことには、どんなものも存在できないというのが言葉の力。
このような言葉の力って、すごいですよね。
それでは、次に、ヒプノセラピーから見た言葉の力、暗示の効果を見ていきましょう。
(関連記事:最古参「ヒプノセラピー(催眠療法)」と最先端「認知行動療法」の共通点とは)
暗示の効果
例えば、人前で堂々と話せない人がいたとしましょう。
そんな人は、自分に対して、「人前に立つと堂々と話せなくなる」というラベルを貼っているのです。
その人には、潜在意識、無意識にプログラムされている言葉があるのです。
例えば、1週間後に客先に新商品の提案をしなければならないとしましょう。
瞬間的に「あぁ、人前でしゃべれないのに。」とか、「最悪だ。」といったプログラムが無意識にある人が人前でしゃべることができなくなってしまう。
もし、あなたがそんな反応をせずに「はいわかりました。」とか、「どのように説明しようか」とかいったようなイメージがでてくるなら、どんな客先相手でも、堂々と話すことができるはずです。
実は、あなたの無意識には、このようなプログラムが無数にインプットされています。
そのプログラムがあなたの無意識にインプットされる方法はあなたが思い浮かべる言葉。
これの言葉のインストールが暗示であり、その暗示がこころの中に生まれる感情を左右する効果を持っています。
感情のコントロールにつながる暗示は、言葉とこころの中にある内部表象とのつながりが重要なポイントとなります。
(関連記事:5秒の法則 ~やる気が出ない時に行動できる方法~)
言葉と内部表象の結びつき
言葉のプログラムは、その言葉そのものと内部表象が結びついています。
内部表象とは心の絵のことで、視覚、聴覚、体感覚によって作られているイメージのこと。
あなたの持っている言葉はすべてあなたの内部表象に紐づいているから、心のなかにイメージで表すことができる。
例えば、あなたが「梅干し」と聞いた瞬間に、あなたのこころの中に梅干しが浮かび上がるはずです。
梅干しの姿だけでなく、酸っぱい味や酸味のあるしその匂いを思い浮かべるかもしれません。
客先で売込みをすることもおなじ。
梅干しと同じように、客先で売込みをするというイメージがこころの中にイメージとして浮かぶはず。
客先で堂々と説明している姿かもしれないし、あせっている姿かもしれません。
同じように、好きな人の名前を呼ぶとその人の顔が思い浮かぶかもしれないし、お菓子といえば大好きなお菓子が思い浮かぶでしょう。
大好きな曲名を聞くとその音楽を思い浮かべるかもしれませんし、森と聞くと緑の木々や鳥の声、川の音やマイナスイオンに満たされるイメージをするかもしれません。
このように、言葉はあなたのこころの中、無意識の中で内部表象とつながっているのです。
この内部表象は心の状態とつながっており、内部表象をイメージするとそれにつながるワクワクするような気持ちやどんよりと沈むような気持ちになる。
ディズニーランドといわれると楽しい風景とともにワクワクした気持ちが沸き起こるように内部表象とこころの状態がつながっているのです。
そして、その心の状態は身体の状態ともつながります。
客先に行くのが苦手な人なら、客先に行くことをイメージすると、落ち着かなくなり、汗ばむかもしれないし、お腹が痛くなるかもしれません。
好きな人とデートに行くということをイメージすると、気持ちがワクワクするし、体中に活気やエネルギーがみなぎってきます。
これは、言葉が心の状態、そして体の状態とつながっており、それが行動につながっていくということ。
これは、ポジティブな言葉に言い換えて、あなたにとっていい言葉のプログラムを無意識の中にプログラムしていくと、内部表象が変わり、心の状態が変わり、身体の状態が変わり、それが行動に移っていくということなのです。
言葉の力はとてもパワフル。
だから、何か達成したいことがあれば、まずこのようなことができるのだということを言葉で宣言することが大切。
はじめは信じられなくても大丈夫で、とにかく繰り返し繰り返し自分はできるのだと宣言していくことが大切。
すると、疑うことを知らない純真なあなたの無意識は、その宣言を本当のことだとして信じ込みます。
すると、宣言したとおりに、あなたの無意識の中に新しい内部表象ができ、それがポジティブな心の状態に変わっていき、それが身体の状態に移っていき、行動に変化が現れてくるのです。
このように、言葉の力はとてもパワフルで、強力にあなたへ影響を与えていくのです。
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まとめ
以上、「言葉の力とは。自分に暗示をかける意味は、暗示の効果にあった。」についてお伝えしました。
「はじめに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神であった。」とは新約聖書のヨハネによる福音書1章1節の言葉です。
聖書にもこれだけ重要視されている言葉の力は、とても強力で、最終的にはあなたの行動をも変える神の力。
あなたの使う言葉には、とても重要な意味が込められており、その言葉を使うことであなたの気持ちも身体も行動にも変化を生むことができる。
これが、ヒプノセラピーで行われる暗示療法なのです。
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