人生の意味を知るために自分のやりたいことを100項目リストアップしてみましょう。なんていう人がいますが、これって不思議に思いませんか?
やりたいことがなくて自分の人生の意味を見つけられずに困っているのに、やりたいことを見つけるとよい、とか意味不明です、ありえない、って思います。できないって言っていることをじゃあやれば?って言っているようなもの。
昔、マリーアントワネットがお腹がすいている国民に対して、「パンがないなら、ケーキを食べればいいんじゃない?」とか言っているようなのと同じように感じるのですが、あなたはどう思いますか?
もし、40代のあなたが、やりたいことが見つからないのなら、見つけられる良い方法があります。その方法をお伝えしますので、楽しみながら確認していただければと思います。
40代は人生を俯瞰することができる年齢
40代は、まだまだ若い。
そんなつもりでいるのですが、日本人の平均余命を考えてみると84歳くらいなので、実は人生の折り返し地点にいるのです。(厚生労働省発表「簡易生命表」より(男性81.64歳、女性87.74歳))
なので、無理をしている人生であればあるほど、身体にも精神にも疲れが目に見えて現れてきます。
このように失うものもある一方、今までの経験から得た知識や技能、人間関係などもある程度作られていき、だんだんと自分の人生について見えてくる部分も少なくありません。
今のまま進んでいくとこうなりそうだな、とか、自分の人生こんなものでよかったのだろうか、なんて思いに駆られることも少なくない年代だといえるでしょう。
やりたいことよりやるべきことが日常的に襲ってくる40代
とはいえ、仕事をしていたら業務の中心になりがちなのが40代で、これまで培ってきた経験とスキルを使って管理職になる人も少なくありません。
現場の第一線で働いていても、職場をまとめる役を与えられていたり、役がなくても、後輩や上司から一目置かれる存在として扱われることが多くなるのも40代です。
プライベートな部分を見てみると、子供もまだ学生だったり、成人していなかったりと家族を引っ張っていかなければいけないなど、やるべきことと考えていることが日常的にやってきます。
朝から晩まで、自分のことはさておき、会社こと、家族のこと、そして同僚、部下、友人のことなど、30代の時に比べてますます多方面にやるべきことが襲ってくるのもこの40代の特徴かもしれません。
この日常の忙しさに忙殺されて自分のやりたいことが意識の外へ追いやられ、やりたいことがない、となってしまいがち。本当はやりたいことがあるのだけれど、無意識の奥に閉じ込めて日常を意識的に感じてやるべきことを意識しているのが多いのが40代といえるでしょう。
日常から解放されたらどう感じるのか
それではこの忙しさを取り除いて多忙な日常から解放されたら、40代の人たちはどう感じるでしょうか。
普段やるべきことに追われてやりたいことを考えていないので、ある時急にふと考えてみると、実は自分にはやりたいことがなかったのかもしれない。と思うことも少なくありません。また、やりたいことがあったとしても、無意識の奥に閉じ込めているので、なかなか表に姿を現してこない、というのも一つの要因でしょう。
ただ、日常から解放されて、家を離れ、職場を離れ、仕事も家族も忘れて考えることができたらどうでしょうか。
その時、思うこと、想像できること、頭の中に浮かぶ場面はおそらく、あなたの心の中にしまわれている、あなたのやりたいこと。そこに触れることができるでしょう。
それが仕事で成功することであっても、家族と幸せな時間を過ごすことであっても、一人で旅をすることであっても、大勢の友人と団らんすることであってもあなたのしたいことであれば、自由に考えることができる時に思いつくことはあなたのやりたいことなのです。
リラックスして自分について思考を深める
人の思考は基本的にシングルタスクです。マルチタスクのように見えてもシングルタスクで考えるのを順番に切り替えているだけで、その瞬間瞬間には一つのことしかしていません。
ご飯を食べながらテレビを見ていたらご飯を運ぶ箸の動きが止まります。トイレで本を読みながらいると、本に没頭して便意がなくなってしまうしトイレにいることすら忘れて時間があっという間に過ぎていることもあります。
このように一つのことしか考えられません。頭の中に椅子が一つだけあって、その椅子にどんな問題を座らせるかはあなた次第ですが、どれだけ考えるべきことが順番待ちをしていてもその思考の椅子に座れるのは一つの問題だけなのです。
自分の価値観に左右されるところですが、日本人の国民性としてやるべきことというのは、結構強引な性格をしていて、力づくでその椅子を奪おうとします。それと対極的に、やりたいことはやるべきことことに対して弱くてその椅子をつい譲ってしまうわけです。責任感が強い人ほど、いわゆるまじめな人ほどこの傾向が強くなります。
うつなどの症状が現れるのも、自分のやりたいことよりやるべきことを優先してしまうから、やりたいことしかできないという人間本来の特性との間に精神的な食い違いがおきて問題が起こる。
これを防いで、自由に思考を深めるためには、リラックスして、自分のしたいことを考えるだけのスペースを頭の中に作るのです。具体的には自分で瞑想に入った状態や催眠状態に持っていければそれに越したことはありませんが、単にリラックスするだけでも十分です。
リラックスすることで、頭の意識の中にある思考するための椅子をきれいに準備することができるのです。
8つの角度から自分自身をとらえてみる
人間の望むゴールを自分にとって大切だと思う8項目のテーマに分類してとらえてみる、という考え方がコーチングの世界でバランスホイールとして使われてきました。
その8つの分類に沿ってそれぞれの角度から自分自身を見ることができれば、自分はいったい何を望んでいるのか、ということに気づく大きなヒントを得られる、という理論です。
この理論とは、つまり、それぞれの視点から自分自身をとらえてみれば、新しい気付きが得られる、というもの。たとえば、その分類、視点を具体的にあげてみるとするなら、つぎのようになります。
- 仕事
- 貯蓄
- 健康
- 家族
- 仲間、人間関係
- 趣味
- 環境
- 社会貢献
もしかしたら、8つも出てこない、という人もいると思いますので、私のあげたサンプルを参考にしながら、ヒト、モノ、カネの面から見ていくと、自分が大事にしている価値観、テーマに気づきやすくなります。
あなたが挙げていく8つのテーマには順番があると思いますし、人によってそれぞれ大切だと思う項目が違うこともあるでしょう。ただ、確実にいえることは、それぞれが持っている価値観によってそれぞれの項目が決まり、それぞれの重要度は決まる、ということ。
たとえば、貯蓄はなくても年収1億円あったらいいじゃん、とかその反対で、働きたくないから貯蓄があれば年収0でも構わない、といったように、それぞれの価値観に合わせて考えていくべきなのです。
決してどの考え方がよくてどの考え方が悪い、なんてことはありません。あなたが重要だと思うものが重要なのであって、そのために犠牲になる部分においては、優先度が低いため失うことも許容すべきなだとするのが望ましいでしょう。
過去を掘り下げる
また、過去を掘り下げることも自分自身の発見につながります。
いわゆるトラウマ、というものが一般的に知られていますが、これは人の記憶の負の側面に焦点をあてたもの。反対に正の側面、プラス側の思考の源流となる記憶も存在します。
このプラスの記憶とマイナスの記憶が合流し、今のあなたの価値観を作り出している、というように考えるわけです。
たとえば、ジグソーパズルをしていて親の何気ない一言、「そんなことしても仕方がない、バカじゃないの」といわれたとしてそれが記憶に残っていたとしましょう。そして、物事を完成することに対して斜に構えるようになり、いつも中途半端で投げ出すことが癖になったとしましょう。
物事に取り組んでもいつも中途半端で投げ出しているということは自分では気づかないし、認めたくない事実だからその特性があることを理解できません。
ですが、過去を掘り下げてこの事実があったことに気づけば、投げ出すことが親の言葉によって正当化されているということを知ることができます。つまり、たとえば、あの時親は宿題をしてほしくてああいったのだ。ジグソーパズルは宿題をしたあとやればよかった。と気づくことができます。
そうすると、その親から言葉をかけられた事実を肯定的に受け止め、やるべきことがあっても一つ一つ片づけることで完成させることができる、つまり、投げ出さずに完成させることが自分のやりたいことだという真実を見つけることができるわけです。
なんでもいいから書き出してみる
バランスホイールの各項目をヒントにすれば、何かしらやりたいことを見つける手がかりとすることができます。
そして、その見つけたものをどんどん書き出していきます。
書き出す項目は同じようなことでも構いません。たとえば、海に行きたい、であれば、海水浴に行きたい、海岸に行きたい、海辺の喫茶店でのんびりしたい、波打ち際で波の音を聞きたい、ふ頭に行きたい、船を見に行きたい、港に行きたい、海釣りをしたい、など、いくらでも掘り下げられます。
こんな小さなことダメなんじゃないか、とか、これ前に書いたのと似ているよね、とか言った考えも不要。須磨海岸に行きたい、須磨のヨットハーバーに行きたい、須磨の海水浴場の駐車場に車を止めて海を眺めていたい、などそんなレベルでも構わないのです。数を出すことがこのやりたいことリストを作る秘訣です。
さらに、過去を思い出しながら8項目に沿って自分のやりたいことを考えてみれば、思考は深まります。
たとえば、この前、友人とバーベキューをしたとき楽しかったな、というのを思い出したら、気の合う友人とバーベキューをするというところから、友人とキャンプをする。Aさんと遊ぶ、Bさんと映画を見に行く、Cさんと喫茶店でおしゃべりをする、Dさんと仕事の打ち合わせをする、Eさんと未来の日本について語りあかす、Fさんと今の日本について議論する、など色々出てくると思います。
あくまでもフラットに、いいとか、悪いとか、こんなこと夢じゃない、やりたいこととしてふさわしくない、とか実現可能か不可能かなどと考えずに、数を出していきましょう。
たとえ、世間一般に見て不道徳なことでも犯罪に近いことでも構いません。それがあなた自身の望みであることを自覚し、ではどうすればいいのかを考えていけばいいだけのことなのですから。
そうすればやりたいことリストは、100項目以上出てきていると思います。
そうして全体を俯瞰してみたとき、あなたのやりたいことがぼんやりと浮かんでくるでしょう。
リストができたらテストのつもりでやってみる
やりたいことについて、項目を出していくことはとても簡単で、楽しい作業です。決して難しいことではありません。
なぜなら、あなたのやりたいことだから。
そして、そのリストができてあなたのやりたいことが何かわかったら、それをやってみるといいでしょう。
ストレートにやってしまったら犯罪になるようなことでも、もっと本質的に見ていくことができれば、また違った方法、犯罪にならない方法でそのあなたのやりたいことをかなえる道が見つかります。
たとえば、Aさんのことが好きで好きで仕方がない、という場合でもなぜ好きなのか、を追及していった先に、やさしかった死んだ母親に似ているからという真実に出会うことができれば、母親の写真をもって墓参りに行くのを習慣にする、というのも一つのやりたいことにつながる、といったようにです。
やりたいことが見つかったら、テストのつもりでそのやりたいことを実現させるためのステップを計画し、一つ一つ、やりたいことの実現に向けた行動をとっていくことで、40代という人生の折り返し地点で残りの半生をあなたにとって幸せで価値あるものに変えていけるはずです。
まとめ
臨床心理、催眠療法、ヒプノセラピーの視点からやりたいことが見つからないのにどうしたらリスト化して100項目見つけることができるのか、についてお話ししてきました。
心理学的に人はやりたいことしかできないようにできています。つまり、いやいや仕事をしていても辞めずに続けられていたとしたら、実はそこの奥にあなたのやりたいことが隠されていることがあります。家族についても同じで、夫や妻に苛立ちを感じていても一緒にいることを続けられているなら、そこにあなたのやりたいことがあります。
やりたいことを知っている、知らないにかかわらず、それをおさえつけてしまうと、いずれ、自分の精神や身体に不調をきたすかもしれません。
人生最後の時に自分の人生を振り返ってみて、「自分の一生って最高だった」、と思うことができるように、やりたいことを見つけて、それを実現できていけたらいいのではないでしょうか。
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