こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
高齢者になると、引退や隠居など、社会的に離脱する活動を始めるのが一般的。
ですが、今まで頑張って生きてきた高齢者がいきなりフェードアウトすると、今までの生活との違いに呆然としてしまい、ひどければ認知症が進む原因に。
そうならないためにも、社会的に離脱するための活動を持続する必要があります。
この活動を持続するために、大きなポイントとなるのが補償を伴う選択的最適化というものなのです。
社会的に離脱する活動
高齢者になると、体力的にも衰え始め、今までできていたことがだんだんとできなくなっていくことがあります。
そんな時に思うことが、「もうそろそろいい年だし、引退しようかな」ということ。
実際に会社に勤めていると、引退を決意しようとしまいと、会社で決められた定年が来ると否が応でも引退することになります。
例え、同じ職場に残って働き続けても、いままでの役職が無くなり、一般社員になって働くことが多いのではないでしょうか。
このように、高齢者になると、自分から、または、周囲や環境から社会的に離脱することが求められるのです。
そんなときに、いきなり社会的に離脱してしまうと、何をしていいのかわからなくなってその落差に唖然としてしまうのです。
そうすると、その空白の時間が認知的な思考を奪い始め、一気に老け込んだり、体力的に落ち込んだり、気力が格段に減ってしまったりします。
そうならないために、できる活動があります。
たとえば、音楽や盆栽などの趣味にいそしんだり、自己啓発や学びを続けたりすることで活動を続けることができるのです。
ですが、体力的にも認知的にも今まで持っていた能力が低下し始める高齢者が活動を続けるにはどうしたらいいのでしょうか。
実は、高齢者だからこそ、そんな活動を持続する秘訣があります。
次に、社会的に離脱するための活動を持続する秘訣を見ていくことにしましょう。
(関連記事:催眠療法の歴史。不安や悩みを取り去る催眠療法は心理学の生みの親)
社会的に離脱するための活動を持続する秘訣
社会的に離脱するための活動とは、今までやって楽しかったことでもいいし、興味があることでも構いません。
何でもいいのですが、その活動をすぐに辞めてしまわず、持続することが大切。
せっかく見つけた楽しいことでも、続けられなければ、結局はその活動をやっていないことと同じになってしまい、空白の時間を持て余すことになってしまいます。
だから、活動を持続しなければ、社会的に離脱するための活動にはなりえないのです。
それでは、活動を持続するためにはどうすればいいのでしょうか。
実は、その秘訣が補償を伴う選択的最適化という理論で解き明かされています。
そんな、社会的に離脱するための活動を持続するための補償を伴う選択的最適化とはいったいどのようなものなのでしょうか。
詳しく見ていくことにしましょう。
(関連記事:臨床心理を学ぶ人必見!偉大な心理学者の有名な名言集)
補償を伴う選択的最適化とは
補償を伴う選択的最適化とは、ポール・バルテスというアメリカの心理学者が生涯発達理論というものの中で提唱した理論。
英語では、selective optimization with compensationといい、SOC理論とも呼ばれています。
この補償を伴う選択的最適化とは、高齢者になっても、人生の最後まで周りの人の助けを借りながらも自立して生きていくこと。
あなたの周りにも、元気に外へ出かけて行って絵画教室で楽しんできたり、地域の集まりでワイワイやっている超高齢者を見かけることはありませんか?
そんな元気な高齢者たちは補償を伴う選択的最適化を上手く進めているのです。
いくら長く生きていたとしても、寝たきりや認知症がすすんだ状態ではよい人生を送ったと思えるでしょうか。
身体的にも精神的にも健康であり続けることが高齢者にとって必要なことではないでしょうか。
そんな健康な老後を送ることができるのが補償を伴う選択的最適化というものなのです。
高齢者になってくると、身体は自分の言うことをきかなくなってくるし、ものを覚えることも苦手になってくるように、肉体的にも認知的にも衰えが見えてきます。
だから、まだ残っている能力を使って、楽しみを見出し、今の能力にふさわしい最適な活動を行うことが必要なのです。
ランニングができなければ、ウォーキングでもいいでしょう。
水泳ができなければ、水中散歩でもいい。
絵画をやるのもいいし、詩吟や詩歌、書道や音楽をやるのもいいかもしれません。
昔できなかった勉強を多くの仲間とともにしてみるのも楽しい活動になるでしょう。
もし一人で出来なければ、介助をお願いしてもいいでしょう。
自分一人ですることはなく、周りから手助けを得て最適な選択をすることで残された人生を送ることが補償を伴う選択的最適化というものなのです。
このように、健康的で自立した老後を送ることがサクセスフルエイジングにつながります。
終わり良ければすべて良し。
老後を素晴らしく明るく楽しいものにすることは、あなたの人生を最高のものにするための方法。
それが、サクセスフルエイジングというものなのです。
(関連記事:サクセスフル・エイジングとは何か。心理学での定義と意味の説明)
サクセスフルエイジングのすすめ
補償を伴う選択的最適化によってサクセスフルエイジングができると健康がより長く維持できるということが検証されています。
1人で悶々と世間と、老化に愚痴を言い続けている人より、自分に残された能力を使って楽しいことを見つけてやっていくことで、身体的にも精神的にも健康を維持できるのです。
また、軽い程度の体力的な低下や精神的な能力低下なら、補償を伴う選択的最適化で社会的に離脱するための活動をすることができれば、回復したという事例もあります。
だから、サクセスフルエイジングを行うことは、あなたの人生の終わりを最高のものにするための最良の方法なのです。
(関連記事:死生観とは何なのか。日本人の死生観の歴史とその真実の意味とは)
まとめ
以上「社会的に離脱する活動を持続するための補償を伴う選択的最適化とは」をお伝えしました。
社会的に離脱する活動というと消極的でネガティブなイメージを持つかもしれません。
ですが、その本当の意味は、高齢者の人生を最高のものにすること。
社会的に離脱する活動を持続するための補償を伴う選択的最適化とは、高齢者の人生の最後の最後まで幸せなものに変えていく手段なのです。
(関連記事:ポール・バルテスの補償を伴う選択的最適化の例でサクセスフルエイジング)
コメントを残す