皆さんこんにちは。
催眠を心理学で科学する「催眠心理学」
ヒプノセラピー、催眠療法ベレッツアの高橋です。
さて、昨日、知り合いのNLPを教えているトレーナーが(NLP:神経言語プログラミング)こんな記事をアップしていました。
この中に出てきたのが「長年連れ添った相手でも、本音の気持ちは分からない」という意味の文章です。
こうはっきり言ってしまうと、なんとも、やるせないですね。
なので、なぜ、相手の本音をつかみきれないかについてお話してみようと思います。
これを読んで頂いて、ちょっとでも、相手の心を理解することができたら、おそらく、ちょっとしたすれ違いで荒んでしまう関係を減らすことができるはずです。
(関連記事:アルバート・バンデューラの自己効力感を高める4つの方法)
心理学的アプローチ「ジョハリの窓」で知る4つの自分
1955年夏にアメリカにて催行された「グループ成長のためのラボラトリートレーニング」席上で、サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリ・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」を後に「ジョハリの窓」と呼ぶようになった。(Wikipediaより)
と言っても何が何だかよくわかりませんよね。
ちょっと、これについてわかりやすく説明してみます。
「自分には4つの自分がある」というところに、この考え方の基礎があります。
んっ?
とあなたは、思っているかももしれません。
ここで、ちょっと多くのビジネスマンが尊敬する、偉大な兵法家「孫子」先生にコメントしてもらいます。
彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し
との仰せです。
つまり、「相手を知らなくても、自分を知っているだけで、勝率が50%、その代わり、自分を知らなければ、相手をいくら知っていても勝率は50%。」と孫子先生は言っているのです。
絵で表すと、
自分を知っている | 自分を知らない | |
相手を知っている | 勝ち | 引き分け |
相手を知らない | 引き分け | 負け |
と、なります。
つまり、自分を知らない限り、「勝ちはない」、ということですね。
人とのコミュニケーションを勝ち負けで表すのはどうかということもありますが、相手のことを知るという前にやれることとして、自分を振り返ってみることも重要なのです。
相手を知る事より自分を知ることの方が断然簡単だし、自分を知るテクニックを相手を知るテクニックに応用できるから、まず自分を知ることから始めてみましょう、
というのが、今回のテーマですね。
話しを元に戻しまして、「ジョハリの窓」を絵で表すと、
自分が知っている自分 | 自分が知らない自分 | |
他人が知っている自分 |
開放の窓 「公開された自己」 open self |
盲点の窓 「自分は知らないが blind self |
他人が知らない自分 |
秘密の窓 「隠された自己」 hidden self |
未知の窓 「誰も知らない自己」 unknown self |
ということになるのですが、これだけではよくわかりませんよね。
まず、4つの自分とは何か、それを考えてみましょう。
(関連記事:言葉の力とは。自分に暗示をかける意味は、暗示の効果にあった。)
開放の窓
「自分も知っているし、周囲の人も知っている自分。」です。
全てに対してオープンになっている自分の情報ですね。
たとえば、「自分は暗い性格だ」と自分が思っていて、周りの人たちも「そうだね。君は暗い性格だね。」と思っている場合、この開放の窓に当てはまります。
まあ、自分が気付いている事なので、認識することも、理解することも、まとめることも簡単だと思います。
ですが、ここに落とし穴があります。
自分が知っているつもりでも、周囲の人にとって、そうではないときがあるのです。
それが次に説明する窓「自分は知らないが他人は知っている窓」です。
(関連記事:ヒプノセラピーで効果のある3種類の方法とは誰よりも幸せになる方法)
盲点の窓
この、「盲点の窓」は「自分は知らないが、相手は知っている自分」のことを指します。
孫子先生の言葉で行くと、相手に利を与え、自分を不利にする存在ですね。
だから、この盲点の窓は極限まで、減らしていくことが望ましいのです。
ですが、
と思われるかもしれません。
では、その疑問に答える前に、盲点について考えてみましょう。
ところであなたは、盲点をうまく説明できますか?
恐らく、知っているとは思うのですが、念のため、知識の再確認をしておきますね。
盲点とは、人間の目で、見えない点のことを言います。
と言われそうですが、人間の目は全部見えているようでも、そうでもないのです。
「全部見えている」と思うことは錯覚なんですね。
盲点とは何か、を説明しますと、人間の目は外界からの映像を水晶体というレンズを通して網膜に映し出します。
網膜は、数多くの視神経から成り立っており、その視神経から得られたデータを脳に送るための通路があります。
そこは視神経が束になっている点が盲点なのです。
絵で表すと、
こんな感じです。
で、視神経の通路なので、そこには外界からの視覚データを得るための視神経がありません。
つまり、見えていると思っているけど見えていない点なのです。
実際にどれくらい見えていないかというと
これくらいの点なのですが、実は見えていないのです。
結構、真ん中のほうに、見えていない点があるのはおどろきですよね。
その盲点になぞらえて、「他の人は見えていても、自分では見えていない自分」を、「盲点の窓」と言っているのです。
これを知る為にはどうしたらよいかというと、それは、まず、知らないところがあるということをまず理解すること。
盲点というものが存在することを知ることが大切なのです。
そうすれば、自分に素直になれます。
他人から
と言われても、
と軽く受け止めることができるようになるのです。
自分では気づけないのだから、人に聞くのが一番なんですね。
また、普通に話しをしている中にも、
「君って、実は優しいんだね。」
とか、
「あなた、他人には見せない、面白いところが好き!」
とか、チラッと言ってくれることもあります。
そんな人が近くに居れば、自然とあなたについての情報が入ります。
普通の人は、
「え~、そんなことないよ~。」
と言って終わらせてしまうのですが、これはもったいない。
言われたことの真偽はともかく、メモするなり、携帯に記録するなり、頭の中にインストールするなりしてみましょう。
そのあともう一度、その観点から振り返ってみて、自分を見つめなおせば、この「盲点の窓」を減らしていくことができます。
情報は、くまなく収集して、検証は、後からやる習慣をつけましょう。
(関連記事:占いとは違う心理検査・性格診断 ~無意識の発掘~)
秘密の窓
つぎは、秘密の窓。
この秘密の窓とは、「自分だけが知っている自分」です。
相手とコミュニケーションするうえで、こんな自分がある事も知っておく必要があります。
相手と話すうえで、必要のない自分はさらけ出す必要はありません。
例えば、自分が喫煙者だったとして、相手がタバコ嫌いだったとします。
で、自分がタバコを吸うことを相手が知らなければ、別に言う必要がないということ。
人は、自分と同じものを好みます。
例えば、好きな音楽が同じだったり、好意を抱いているタレントが同じであったり、嫌いなタイプが同じであったりすると、相手に親近感を持つのです。
反対に、自分の価値観と違うものに触れると嫌悪感を抱きます。
例えば、我々が、昆虫を食べる人の姿を見た時や、心優しい人が、ある人が他の人を蹴落とす姿を見た時など、「グェ~」ってなって、嫌になるんですね。
このことは、人間は、コミュニティを持つことで、石器時代から生き抜くことができてきたことに由来します。
強いコミュニティを作るには、構成する人たちが同じ価値観、同じ考え、同じ行動をとることが必要。
その理由は、もし、反対の考えを持つ人がいたら、コミュニティの力が半減してしまうから。
例えば、石器時代で食料を得るためにマンモス狩りをしている時に、
という人がいたとします。
そうしたら、マンモスを狩らないと食料が得られない人たちにとっては、邪魔でしかありません。
だから、そんな異質な人は、どうしても排除したくなるのです。
こんな風にコミュニティは同じ価値観を持つ人たちの集まりとなって成長してきました。
「同じ考えの人を好きになる」という私たちの習性は、DNAレベルで刻み込まれた反応なのです。
話を戻しますが、だからこそ、相手に合わせたコミュニケーションというのが、多大な効果を発揮する。
つまり、相手の価値観にそぐわない自分は、相手が知らない限り、相手に知らせる必要はありません。
それは、決して、策略的なことではなく、スムーズなコミュニケーションをする上で必要不可欠な判断なのです。
(関連記事:タバコを吸う必要がなくなった愛煙家が秘密にしている禁煙法とは)
未知の窓
最後に、あなたにお伝えする窓は、「未知の窓」。
この未知の窓とは、「自分も他人も気づいていない自分」のこと。
と思う人が多い窓です。
ですが、じつは、そうでもないのです。
未知の窓に属する自分も、あくまで「自分」。
だから、気付いていないだけで、あなたの行動や思考、そして、結果には現れてくるのです。
例えば、気付いていないけど、揚げ物が好きな自分がいたとしましょう。
そうすると、いつの間にか、揚げ物を多くとってしまうことになり、体の中のコレステロールがいつの間にか高くなってくることが考えられます。
ひどければ、血液がドロドロになり、健康に影響が出てきます。
気付かなければ、関係ない、という考えは大きく間違っていますよね。
なら、こうしましょう。
自分の今まで歩んできた結果を見てください。
思うとおりに歩んでこれましたか?
信じた通りの結果を得ることができましたか?
もし違うなら、なにか、ずれているところが自分の中にあるはずなのです。
見つけるのは大変かもしれません。
ですが、そのずれを紐解き、分析していけば、何かしらの糸口が見つかるはずです。
(関連記事:心理カウンセリングの方法!心の問題を解決できる理由とは)
円滑なコミュニケーションへの心理学的アプローチ
今まで述べてきたジョハリの窓。
これだけで、コミュニケーションがうまくいく、なんて簡単なものではありませんが、このジョハリの窓を知っているのと知らないのでは、あなたのコミュニケーション力に大きな差が生まれます。
一番大きなことは、心理的に落ち着きが生まれること。
このジョハリの窓を知っていれば、相手のことを客観的に見ることができるのです。
「あっ、この人はこんなところ、気付いていないんじゃないか?」とか、「う~ん、言っている事とやっていることが違うなぁ。もしかしたら、本音は別にあるのでは?」とか、考えられるということ。
そして、未知の窓が存在することからわかるように、相手のことをすべて理解できるわけではありません。
ですが、相手の好む事を知ることは出来ます。
もし、相手の好きなことがわかれば、そこにアプローチしてあげると、相手はあなたを仲間だと思い、円滑なコミュニケーションが生まれます。
催眠術で使う技法とおなじく、相手に「そう思わせる」ことが重要。
催眠的手法はそこにポイントがあるのです。
相手に「自分はあなたのコミュニティにふさわしい人間です」と、アピールし、信じさせてあげればいいのです。
だから、このジョハリの窓を使い、相手の望むことをしてあげれば、自分に対しての親近感が増し、仲間意識がアップ。
これを繰り返していけば、いつの間にか、相手の考えにシンクロしていくということなのです。
(関連記事:自分を知るための方法「メタ認知」とは!わかりやすく言うと・・・。)
終わりに
コミュニケーションはある意味、お互いの心理戦。
心理学的分析を踏まえながら、催眠的手法で相手の心を射止めるのがコミュニケーションです。
今回お伝えした、ジョハリの窓を使うと、きっとあなたが優位に立って、主導権を握ったコミュニケーションができるはず。
あなたが、良き、コミュニケーションをとれるようになることを心から祈っております。
(関連記事:心理カウンセリングって効果があるの?セラピストが悩みを解決する理由とは)
追伸
先日、路上で、
「どうしてわかってくれないの?」
と、大きな声で叫んでいるカップルがいました。
自分のことを理解してもらおうとするのなら、相手を理解する必要があります。
相手の考え、気持ち、想いを理解せずに、「自分の考え、気持ち、想いに同調してもらおう!」なんて、いうのは、とても図々しい気がしました。
相手を理解し、把握し、熟知すれば、相手を催眠状態に入れるくらいのことは出来るようになります。
この催眠状態に入る方法、それを悪用すれば、詐欺や、妄信につながります。
相手の催眠にはまらず、幸せな人生を手にいれられるように祈っています。
(関連記事:ヒプノセラピー ~催眠療法のススメ~ あなたの脳と心に働きかける最強の心理カウンセリングとは)
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