思春期の心理学的な特徴と学校やスクールカウンセラーとの関係

思春期の心理学的な特徴には様々なものがあります。

そんな激動ともいえる思春期には一日の大半を過ごすことになる学校というものがあります。

 

この学校は、思春期の子供たちにとってとても大きな影響を与える存在

そんな学校やスクールカウンセラーの存在とはいったいどのようなものなのでしょうか。

 

思春期の心理学的な特徴

思春期は、第二次性徴が始まり、子供の身体から大人の身体へと変化していく時期。

そんな思春期は、目に見える身体の変化だけでなく、心も大人へと変化していくことになります。

 

実は、心の変化は、身体の変化が起こる前から当たり前のものが当たり前でなくなるように感じるなど、思春期の前、前思春期から起こっているのですが、思春期に入るまでは外見上、あまり観察されません。

これは、精神分析学でこの前思春期を凪の時期と呼んでいることからも分かります。

 

この一見何も起こっていないように見える前思春期から身体の変化を前にして自分の存在意義について考え始めるようになります。

そして、思春期には、自分とは何かというアイデンティティ、社会と自分との交わる部分を模索し始めるもの。

 

また、この思春期の時期には、小学校や中学校など、学校というものに行くことになります。

この学校というものは、その他の組織に比べ異質な存在であるということに注目しておくことが必要かもしれません。

 

思春期における学校の存在

学校という組織体では、普通の組織では起こりえないことが起こります。

まず、同年齢の人、それも1歳も離れない人々が同じ部屋にまとめて入れられて過ごすことに違和感を覚えないでしょうか。

 

社会に出ると、新入社員に対する入社式ですら、ある程度の年齢幅があります。

普段の地域での集まりやちょっとした勉強をするための講習会に参加してもその年齢の幅は10代から60歳以上の人までとても広いもの。

 

また、通常の組織では、質問はわからない時にするものですが、教師と生徒の関係にある学校では、わかっているのに質問が行われます。

普通の会話で「今何時ですか?」と聞いて、「10時です」と答えたところ、相手から「合っています」なんて答えられると、イラっとする人もいるかもしれないですが、学校では普通のやり取り。

 

このやり取りは問題を投げかける教師の発問(initiation)、それにこたえる生徒の応答(reply)、そして先生の評価(evaluation)という一連の流れ。

この流れは、頭文字を取って、IRE連鎖と呼ばれます。

 

そして、当たり前のように行く学校ですが、それは現代の日本だからのこと。

いまでも、学校に生きたくてもいけない子供たちが世界には大勢います

 

そもそも、日本でも学校に行き始めるようになったのは最近のことであり、少し昔は、学校に行くぐらいなら家の仕事を手伝うよう親から言われた時代。

学校に行きたくてもいけなかった行けなかった世代も身近にいるのではないでしょうか。

 

このように生徒と先生というように画一的であり、それぞれ固定化された役割があると、実は、そこに、自分らしさが強調されます。

逆説的ながら、統一された空間であるからこそ、隠れ蓑が無くなってしまい、性格や個性、パーソナリティがことさら目立つようになるということ。

 

このため、思春期の子供たちは、自分の性格、あり方をしっかりと定める必要が生まれてくる。

こう考えると、自分という性格の鎧を身にまとい、キャラを作って、自分自身を演じなければいけないともいえるのではないでしょうか。

 

統一され、画一化された学校という面から考えると、学校は、とても綺麗で純粋な存在。

だから、学校に行く思春期の子供たちは、ちょっとした逸脱や同質性の少なさが取りざたされることもあります。

 

転校生というだけでみんなの注目をあつめたり、帰国子女というだけで奇異の目で見られたりすることもあるでしょう。

このように学校集団の中では、子供たちは生徒という社会的役割に縛られて生徒であるからこそ、1つのパーソナリティを持つ存在となるともいえるのです。

 

このように閉ざされた場であるからこそ、窮屈な思いをすることもありますが、それがあるがゆえに、柔軟な発想にもつながることがあります。

つまり、他人に対する配慮も生まれることがあるということ。

 

社会的に保持するべき人間関係があるとき、人は、社会性を持つことになる。

学校にも教師にも肯定的な感情だけではすまないことが多く、複雑な心境にある思春期。

 

このような複雑な心境を持つ思春期だからこそ、学校にはスクールカウンセラーが必要、ともいえるかもしれません。

1995年から始まったスクールカウンセラー制度はこの思春期の子供たちのため、そして思春期の子供を取り巻く周囲の人のために存在するのです。

(関連記事:思春期の心理的特徴とは。身体の変化とイライラで反抗期になる意味

 

スクールカウンセラー

スクールカウンセラー制度は1995年文部省の調査研究委託事業から始まりました。

それまでは、臨床心理の専門家の職業的な能力や専門性があいまいだったため、実現には至らなかったという経緯があります。

 

日本のスクールカウンセラーは、教師の一人として位置づけられている諸外国のスクールカウンセラーではなく、どちらかと言えば、学校では異質の存在

いうなれば、一週間に1回ほどしか来ない保健室に来ている先生のようなもの。

 

仕事は、臨床心理士を中心として、心理の専門家が担っており、学校教育に関する知識だけでなく、尻療法や精神疾患に関する知識や技能を持っている人が活躍しています。

日本のスクールカウンセラーは学校の教師集団に属するわけではなく、学校の運営にもほとんど関わることがありません。

 

ですが、このスクールカウンセラーの独立性は、ある意味相談に来た生徒が先生とは違った存在として心理的な相談に乗ることができるようになるポイントです。

心理的な閉鎖性を保ち、秘密のことを話す場を作るためには、このような先生からも学校からも、そして生徒からも独立した存在は社会から独立した自由な存在と言えるでしょう。

 

そのために、生徒は先生や親、そして学校の生徒たちに接する心と違った心の在り方でいることができる場ができることになる。

そして、生徒に対してだけでなく、先生が生徒に対する態度や行動に迷った時も先生に対するカウンセラーとして接することができるのです。

(関連記事:ヒプノセラピーの効果とは!催眠を使った心理カウンセリングの方法

 

まとめ

以上、神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアが「思春期の心理学的な特徴と学校やスクールカウンセラーとの関係」についてお伝えしました。

思春期の子供の気持ちはとても激しいもので、周囲の人々も巻き込まれるほどのエネルギー。

 

揺れ動く思春期の子供たちにもカウンセリングが必要ですが、その周りにいる大人たちにとっても、カウンセリングが必要な時もあります。

スクールカウンセラーが独立性を保ちながら、相談に来てくれる生徒に寄り添うその姿勢は、一般的な心理カウンセリングを行う時に必要なものかもしれません。

(関連記事:青年期の発達課題とは

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