発達障害とフラッシュバック.
実は、フラッシュバックが起こるとき、発達障害が関係していることがあります。
そんな発達障害を持つ人がフラッシュバックを起こすと、ぶつぶつ独り言を言うことに。
それでは、フラッシュバックは病気なのか?というとそうではなく、精神が健康な人でもフラッシュバックにかかります。
発達障害とフラッシュバック、そしてぶつぶつと独り言を言うメカニズムを理解した時、その両者の関係の全貌が明らかになるでしょう。
参考:トラウマがフラッシュバックする!夢との関係が対処法の秘訣
発達障害とは
発達障害者支援法によると、発達障害とは「自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他において発現するものとして政令で定めるもの」とあります。
参考:「発達障害とは」文部科学省HP
子どもから大人へと身体が発達していくのと同じように、幼児的な精神も成人に向けて発達していきます。
この発達の過程が上手く行われないのが、発達障害。
この発達障害は、脳の発育過程上や事故などで物理的に脳に障害を負っていることによる発達障害と精神的なものによる発達障害があります
その症状は様々ですが、通常の発達過程を経ている定型発達の人から見ると発達障害の人はどこかしら違和感を感じる存在。
反対に発達障害の人が定型発達の人を見るとき、同じようにその考え方に違和感を感じて納得できません。
お互いを理解するには壁の存在を感じる関係にあるのが発達障害と定型発達の関係。
ものを記憶するとき、定型発達の人はイメージとして記憶しますが、発達障害の人の多くはありのまま写実的に記憶するというところが決定的な違い。
これは考え方にも表れている特徴で、定型発達の人が相手の気持ちを推し量ることをするのに対し、定型発達の人が相手の気持ちを汲む様子を見てまるで読心術を持っているかのような振る舞いをしていると感じるのが発達障害の特徴です。
現実のように目の前に再現するフラッシュバック
さて、ここで考えておきたいことは、発達障害を持った人は過去のことを写真のように記憶するという事実。
その場面を切り取ったように覚えているのです。
だから、定型発達の人が過去の記憶を思い出す時、ぼんやりとベールに包まれたような思い出し方をするのに対して、発達障害の人はまるでそこにいるかのような記憶がよみがえる。
つまり、過去の時点の記憶の1シーンにいるように思い出すのが発達障害の人の思い出し方に多いということ。
全ての発達障害の人が写真のように思い出すのかというとそうではないのですが、傾向としてそうあるということなのです。
もし、あなたが過去の1場面を写真のように鮮明に思い出し、その時に聞こえた音や声が再現され、匂いや感覚がよみがえったとしたらどうでしょうか。
それはおそらく、フラッシュバックと同じ体験。
記憶は衝撃的な記憶ほど強く残るので、衝撃的な場面ほど多く再現される発達障害の人の辛さは定型発達の人が考えるレベルの辛さではないといえるのではないでしょうか。
参考:フラッシュバックの意味とは!心が耐えられない時に起きる心理現象
フラッシュバックと独り言の関係
このように、発達障害の人はその目の前にフラッシュバックが日常的に繰り返されるとしたら、どうでしょうか。
幻視だけでなく、幻聴も起こるので、現実世界からの解離が起こりその人の世界に入り込みます。
つまり、フラッシュバックにより再現された世界の住人になり、その虚構の中で暮らすことになる。
そうすると、聞こえないはずの声に応答したり、話しかけたり、と独り言が増えるのは当然のことかもしれません。
たとえば、最愛の人からフラれるという恋愛の1シーンがフラッシュバックしたとしましょう。
恐らく、その場面では、相手との会話があるはずであり、相手からの話に対して応答することが求められてことがあると考えられます。
そこで声に出して答えてしまうと、周りから見ている人は、独り言にしか見えない状況になるということ。
ぶつぶつと独り言を言っている精神的な病気にかかっている人にしか見えない状況が生まれるのです。
参考:嫌なことばかり思い出す原因とは!フラッシュバックの原因を徹底究明
ぶつぶつ独り言を言うのは病気なのか?
それでは、電車の中とか街中とかでブツブツと独り言を言っている人はすべて病気なのでしょうか。
答えから言ってしまうと、それだけでは病気とは言えません。
テレビを見て独り言が出てしまったり、立ち上がるときによっこらしょと声が出てしまうことは病気ではないということ。
「病気かも」と少し気になる独り言とは、まるで誰かと話をしているかのような独り言や、急に笑い出したり怒り出したりする独り言。
独り言を話す統合失調症の人の頭の中には別の人がいるように感じることがある。
ブツブツと独り言を言っているその人は、頭の中にいる人と話しているのだけで、本人にとっては病気ではなくいたって正常な反応。ですが、周りから見ていると、おかしな行動に見えるのです。
そして、その独り言は、同じことを繰り返すということが特徴。その証拠に、ずっと独り言をしゃべっているのを聞いていると、流ちょうに話しているようでも実は同じことを繰り返しています。
これは、発達障害の人に見られる特徴の一つで、繰り返すことで安心感を得ているということが大きなポイント。
振り返って一般的なことを考えてみると、定型発達の人も同じかもしれません。
なぜなら、表現方法は違っても「いつもと同じ」ということで安心感を得て落ち着くことができるのですから。
参考:フラッシュバックは病気なのか?その症状と診断方法を徹底解説!
まとめ
以上「発達障害とフラッシュバック!ぶつぶつ独り言を言うのは病気なのか?」について、神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアがお伝えしました。
発達障害と聞くといわゆる障害のない精神的に健康な人と大きく異なるように感じるかもしれません。
ですが、発達障害と健康的な人との明確な境はなくどの程度発達しているかいないかの違いだけであり根源的には人間として同じであり、弱い部分も同じなのです。
だから、フラッシュバックが起こることで精神的に受けるダメージも同じ。もしかすると、その時の記憶をより鮮明に覚えることができる発達の障害を持った人の方がよりはっきりしていて、より強烈なフラッシュバックが起こる要素、可能性を多く持っているといえるかもしれません。
参考:嫌な記憶がフラッシュバック!泣くほど辛い時の対処法とは
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