こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
森田療法という心理療法が森田正馬氏によって100年前に完成しました。
そんな森田療法は現在のマインドフルネスに通じるACTとても似ているものと言われています。
今、流行りのACTやマインドフルネスは、アメリカ生まれのように言われていますが、実は、100年も前に日本にあった森田療法という心理療法とほぼ同じ理論。
そんな、100年前の心理療法である森田療法についてお話しします。
森田療法とは森田正馬が作った心理療法
森田療法とは、森田正馬という人が100年前に完成させた心理療法。
あまり一般的ではないのですが、その元は、仏教の考え方につながるもので、諸行無常の観念から、ありのままに全てを受け入れるという心理療法。
物事に反発して、その流れに逆らうから力を使うし、体力的にも精神的にもしんどいのです。
だから、反発することなく受け入れることができたなら、悩みは自然に小さくなって消えていくという考え方。
森田正馬(もりたしょうま)氏は、1874年生まれの東京大学(東京帝国大学)の医学部を卒業した精神医学博士。
東京慈恵会医科大学精神神経科の初代教授です。
森田療法を創った森田正馬氏氏は、東京帝国大学で医学生として学んでいた時に、神経衰弱と診断され心臓が悪いと思い込んで服薬を続けていました。
ですが、学生の身であるためお金がそこを突き、薬が買えなくなり「もう死んでもいい」という想いから服薬を止めて勉強に打ち込んだそうです。
すると、死ぬほど苦しかった症状がいつの間にか嘘のように消え去っていたのです。
この経験をもとに、森田療法が作られていったのです。
森田療法とは森田正馬氏が森田神経質という心理的な障害に対して行う心理療法。
森田療法の基本的な考え方は、どんなことでもあるがままに受け入れるというスタンスで理論は次のようなものです。
- 不安や恐怖など生きていく上での心の悩みは生きるという欲望があるから生まれる。
- それらの不安や恐怖を取り除こうとしたり逃げようとしたりすると余計に強くなる
- だから、心の問題は問題にとらわれている心の在り方が問題
- つまり、とらわれている心を開放すればよい
- そのためには、不安などの欲望をあるがままに受け入れる
物事はそのとらえ方次第でこころが苦しくなったり楽になったりするのなら、あるがままに受け入れることがこころに負担が一番少ないのです。
排除したり逃げたりしないところが受容的な心理療法と言われる由縁。
森田療法で大切なことは、まずは心を操作しようとしないこと。そして、待つこと。さらに、今ここで出来ることをすることの3つ。
そして、その流れは、悩むことの肯定とその欲望を発見し、その悩みとともに生きることを考えます。
すると、そこには恐怖に入り込む「恐怖突入」という過程で恐怖から逃げずに発想の転換を行って恐怖を恐怖としてとらえることをやめるのです。
そのために、自分の持っているリソース、つまり性格や考え方を利用していくのです。
悩む人は自分の考え方が悪い、自分の性格が悪いと思いますが、性格に良い悪いというものはなく、悩みと性格は全くの無関係。
いまを生きるために、悩みを受け入れ、恐怖としっかりと向き合うことで自分の性格を活かしていくのです。
この考え方って、ヒプノセラピーの考え方と同じだと思いませんか。
物事のとらえ方を変えること、そしてその意味付けを変えていくことで悩みを悩みでない状態に変えていく、という考え方は全く同じですよね。
この森田療法は森田神経症と言われる精神的な疾患、症状に効果を表します。
それでは次に、森田療法がその対象としていた森田神経症について見ていきましょう。
森田療法はうつ病やなどの森田神経症への心理療法
森田療法は、森田神経症とされている心理的な藻台に対する心理療法。
森田療法を現代の症状に置き換えてみると、かつて、神経症と呼ばれていたもので、強迫症(強迫性障害)、社交不安症(社交不安障害)、パニック症(パニック障害)、広場恐怖症(広場恐怖)、全般不安症(全般性不安障害)、病気不安症(心気症)、身体症状症(身体表現性障害)などのこと。
いまでは、この森田療法がうつ病やPTSD、心身症にも応用されています。
これらの病気に対して、現在の精神科では、薬が開発されそれを飲めば問題が解決するように考えられていますが、本当にそうでしょうか。
森田療法はそんな薬物に頼る方法とは異なるセラピー的な観点、心理療法としてのスタンスを重視します。
もともと、心の病気のもとになるものは、怪我や生まれつきのものを除き、自分が経験したことや見たり聞いたりして学習したこと。
そんな心の中の記憶を薬で緩和することができるのでしょうか。
仮に薬で緩和されたとしても、その原因の記憶が無くなるわけではありません。
ということは、心の問題の根本原因が解消されていなければ、再発することになるし、依存してしまうとその薬物と一生付き合うことになるでしょう。
そのように薬に頼るのではなく、その記憶のとらえ方を変えるのが一番効果的で効率的だとは思いませんか?
森田療法は森田神経症というくくりでとらえた精神的な問題を悩みを消すのではなく、悩みを悩みとしてとらえないことを目指します。
森田療法は、精神的な悩みにがんじがらめに縛られてしまった心を単純で簡単なとらえ方に変えること。
そして、自分で自分を治すという自然治癒力を最大限に利用した心理療法なのです。
このすべてを受け入れそれとどう付き合っていくのかということを考える手法とは、実は、近年話題になっている、ACTというアメリカ発信の心理療法と同じということを知っていますか?
ACTに通じる森田療法とマインドフルネス
ACTとはAcceptance and commitment therapyの略で、認知行動療法の第三世代とされるもの。
名前からしてわかるように、受け入れることとそれを宣言して実行することで行う心理療法のことです。
心理学の世界では、この訳語となることが多いですが、Acceot+Choose+take action として受け止める人もいます。
受容し、選択して行動に変えるという一連のACTの流れに沿ったとらえ方と言えます。
ここで先ほどの森田療法と比べてみてみると、まったく同じ理論といえるのではないでしょうか。
全てを受け入れることから始まり、そのとらえ方を単純に変えていく方法。
森田療法も、ACTも、物事をとらえるというところがポイントになります。
そのポイントを押さえることができるのがアップルやグーグル、フォードなどのアメリカの有力な企業で取り入れられたマインドフルネスという手法。
マインドフルネスとは、全ての感覚を研ぎ澄ませて身体の感覚を全開して、その時に感じる感情を包み込むように五感を使って物事をとらえるという方法。
今はやっている、マインドフルネスというものは、アメリカのマサチューセッツ大学でジョン・カバット・ジンという人がマインドフルネスストレス低減法として講義をしたもの。
もともと、マインドフルネスは仏教を基にする東洋思想が原点ですが、その宗教色をバッサリと取り除き、瞑想法として確立したのがマインドフルネスストレス低減法。
このマインドフルネス瞑想法はアップルやグーグル、フォードなどのアメリカの有力な企業で取り入れられたものです。
いま、注目されている瞑想法や心理療法は、じつは昔からあったものと言えるのかもしれません。
あなたも、ACTやマインドフルネスが、100年前に完成している森田療法とよく似ていると思いませんか?
(関連記事:変性意識に到達する瞑想法は、マインドフルネスで簡単な瞑想のやり方)
まとめ
以上、「森田療法とは100年前に森田正馬が完成させた心理療法」をお伝えしました。
森田療法は、全てを受け入れその受け入れた悩みという恐怖に入り込むことでその本質に気付き、どうすればいいのかを見つけていこうという手法。
今ここで何をすべきか、今どう生きていくべきなのかを見つける森田療法の考え方はヒプノセラピー、催眠療法と同じであり、ACT、マインドフルネスとも同じもの。
心の問題に対して効果のある方法には、共通する原則があるのです。
(関連記事:最古参「ヒプノセラピー(催眠療法)」と最先端「認知行動療法」の共通点とは)
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