こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
あなたが相談者と話をしている時、答えて欲しいものが見えているのになかなかそこにたどり着かずモヤモヤした経験はありませんか?
そんな時につかえるのがミルトン話法です。
ミルトン話法とは心理的に会話を誘導する”答えを誘導する”方法。
いつの間にかあなたの求める答えを相手から引き出す会話法、ミルトン話法を覗いてみませんか?
ミルトン話法とは
ミルトン話法とは、一瞬で人の心を誘導する技術という本を書いた加藤聖龍氏がNLPを読み込み、日本人向けに日本語に特化した会話法のこと。
このミルトン話法は、ミルトン・エリクソンという許容的催眠誘導で有名な催眠療法家の会話法をもとに作り上げられた会話方法です。
ミルトン・エリクソンは、まだ若い時に、小児ポリオで、全身まひのため、目しか動かせない状況に陥ったことがあります。
その時に、介抱してくれた家族の様子、会話や行動、その時の様子や感情などをつぶさに観察することで、人の気持ちを読み取る技術を身につけました。
そんなミルトン・エリクソンなので、他人にまねができないほどとても優れた観察眼を持っています。
この観察眼のおかげで許容的催眠誘導を確立することができたのです。
その許容的な催眠誘導とは、相手を話の中心に据えた会話により催眠状態に導くミルトン・エリクソンの催眠誘導の方法。
ミルトン・エリクソンのもとに催眠療法を受けに来た相談者は、見事に、自分が選んだ答えによって催眠状態に誘導されました。
そんなミルトン・エリクソンの催眠誘導の方法など言葉を検証し、実践的な方法として確立したのがジョン・グリンダ―博士と、リチャード・バンドラー博士が創ったNLP(neuro linguistic programming:神経言語プログラミング)。
このNLPの技術で心理的に会話を誘導する技術を作ることができたのです。
(関連記事:最古参「ヒプノセラピー(催眠療法)」と最先端「認知行動療法」の共通点とは)
心理的に会話を誘導するNLPの技術
心理的に会話を誘導することができるNLPとは、3人の偉大な心理療法家の技術をベースに作られました。
そのうちの一人がミルトン・エリクソンという催眠療法家。
彼の手にかかると、催眠状態に入らなかった人はいないといわれるほどのテクニックを持った人。
とくに、相手に事由に答えさせているように感じさせながら実はミルトン・エリクソン自身が望む答えに誘導している方法に長けていました。
NLPの技術も、ミルトン・エリクソンの催眠誘導と同じく、相手に気付かれないうちに、相手の無意識にアプローチして答えを誘導する方法。
あなたが相手に求める答えを、いつの間にか相手が答えてしまっている方法なのです。
(関連記事:ミルトン・エリクソンの心理療法は無意識に語りかける催眠療法)
相談者の”答えを誘導する”7つの方法
心理療法やセラピーに来ていただいた相談者が、本当の気付きを得るには、自分で選び取り、見つけた者でなければ、納得して相談者自身の問題解決にはつながりません。
そのためにあなたの考える方向へと相談者の答えを誘導し、気付かせることは、大切なポイントになります。
気付かなければいけない答えに誘導できずに、いつまでもそのセラピーを終わらせることができないという経験をしたことはありませんか?
そんな時に思わず答えを言ってしまうと、相談者自身の気付きにならず、相談者がやってきた目的の解決につながりません。
だから、相談者自身が自分で気付くように心理的に答えに誘導することは、大切なこと。
そんな心理的に会話を誘導し、答えを誘導する方法を紹介しましょう。
命令せずにできるかどうかを聴く
あなたは、命令されると、ついムッとしてしまうことはありませんか?
一般的に人は他人から命令されることを嫌います。
「そこの窓を閉めてよ!」と命令されるより、「そこの窓、閉めることできますか?」と聞かれた方が、「ああ、閉めますね。」と気持ちよく対応できるのではないでしょうか。
催眠療法を始める時に、相手の感情を逆なでする命令口調で、「そこのソファーに座ってください」と権威的にいうよりも、「そこのソファーに座ることはできますか?」といった方がより許容的な催眠誘導になるのです。
「~をすると~と感じる」という語りかけで行動させる
人は、感情を共有することができれば、同一視が起こり、ラポールという信頼関係が形成されやすくなります。
だから、相手の家に行った時に「お茶を飲むとホッとしますよね。」と語りかけると、お茶を準備しようという気持ちが起こりやすくなるということ。
片付けられない人への語りかけで「片づけなさい!」とダイレクトに言うより、「片づけると、スッキリして気持ちいいよね。」というと、片付けようという気が起こるのです。
「あなたと一緒にいると、とても安心できるわ」と女性から語りかけられると、おそらく相手の男性は、あなたのそばにいようとするようになるでしょう。
理由を付けて行動に意味付けをする
人は行動するのに、理由があるとその行動を取ることを納得してみずから行動を起こしやすくなります。
だから、会話においても、なぜそれをすることが必要なのかという理由を付けて納得させましょう。
人の脳は処理することがとても多いので、深く考えることを避けようとしますので、「今から、あなたの理想を実現するために催眠誘導で催眠に入りましょう」というと、催眠状態に入りやすくなるのです。
この時の理由は何でも大丈夫で、催眠状態に入る必要があるから、催眠状態に入りましょうという理由になっていないような理由でも、納得して行動してくれるようになるのです。
接続詞をクッションにして後の言葉を無意識的に受け取らせる
接続詞をクッションにしてその後の言葉を続けると、無意識的にその後の言葉を素直に受け取るようになります。
たとえば、「今日の説明うまかったよ。だから、その調子で明日の客先対応も乗り切ってね。」という陽にすれば、後に控えている客先対応に向けて頑張ろうという気が起きるのです。
明日の客先対応ちゃんとしておけよ、では、鬱陶しいなぁで終わってしまうところ。
ですが、接続詞を挟むことで意識が混乱し、二つのことを一度に考えられなくなってしまって後のことをサラッと聞いて了解してしまうのです。
YESセットでYESといわせる
YESセットとは、ずっと「はい」といっていたら、続けて「はい」といってしまう心理になること。
「ひじ、ひじ、ひじ・・・」といわせて膝を指して「ここは何ですか?」と聞くようなパターンと、同じような原理です。
例えば、
- 「今日は良い天気ですね。」「はい」
- 「それでは、この間の続きをやっていきましょう。」「はい」
- 「前回のセラピーで気付きを得られたので今回もうまくいくでしょう。」「はい」
という風に進めると、最後の「はい」は相談者がそれほどまでに「はい」と感じていなくても「はい」と答えが出てくるという心理状態になるのです。
たとえ話で理解させる
たとえ話をメタファーといいますが、わかりにくいことでもたとえ話で言うとあんがい素直に理解できるようになります。
そして、「自分で気付いた」ような感覚を持つので、納得しやすい状態にもなる手法。
ストーリー性のある話で相手にたとえ話をすると相手を納得させる会話術としてとても効果的。
催眠療法もそうですが、記憶とはイメージの世界の事柄であるので、イメージすることができると「なんだ、そうか」と理解しやすくなるのです。
会話の中で相手の名前を言う
会話の中に自分の名前が出てくると、真剣にその話を聞くようになります。
「催眠状態は実はよく体験している事なのです」というより、「催眠状態って実は○○さん(あなたの名前)も体験している事なんですよ。」というとなんとなく、聴く気になるのです。
これは、カクテルパーティー効果ともいわれ、自分の名前には敏感に反応するという心理的な作用を応用したもの。
相手の名前をしっかりと覚えることもできるので、一石二鳥の会話術といえるでしょう。
(関連記事:言葉の力とは。自分に暗示をかける意味は、暗示の効果にあった。)
まとめ
以上、「ミルトン話法とは心理的に会話を誘導する”答えを誘導する”方法」をお伝えしました。
答えを誘導するということは、相手に理解してもらいながら同意を得るということ。
あなたが進める話は相談者にとっても理解してもらった方が良い結果に結びつくことではないでしょうか。
もし、あなたが相談者を納得させることは、催眠療法を上手に成功させるための必須のテクニックなのです。
(関連記事:ヒプノセラピー ~催眠療法のススメ~ あなたの脳と心に働きかける最強の心理カウンセリングとは)
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