こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
さて、脳科学でのNLPの効果とは何なのか。
じつは、NLPとは、わかりやすくいうとコミュニケーションの方法です。
NLPを使った会話法は、あなたの語りかけた言葉で相手の反応を予期できる方法。
あなたの言葉一つで相手の感情を左右することができるテクニックがNLPなのです。
脳科学が元になったNLP
NLPとは神経言語プログラミング(neuro linguistic programming)というもので、心と身体、環境の3要素をシステム的にとらえて心理的な問題に対応していく技術。
視覚と聴覚、そして体感覚と呼ばれる味覚、触覚、嗅覚から得られる刺激という感覚を脳が認識する過程を研究して、得た結果を利用したもの。
NLPが生まれる背景となったのは、ベトナム戦争でPTSDにかかった兵士の傷ついた心をどうにかしたいという臨床心理的な観点から派生しました。
なので、NLPの手本となったのは、3人の天才的なセラピストで、臨床心理の専門家である、催眠療法家のミルトン・エリクソン博士、家族療法のバージニア・サティア氏、そしてゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ博士。
この3人の心理療法家であるセラピストの技術を研究することで、人の気持ちがなぜ変わっていくのか、なぜ、心理療法で人の気持ちが落ち着いていくのかということがわかってきました。
彼ら3人の手法は全く異なるアプローチではありましたが、そこには共通する部分もあったのです。
その共通する部分を体系化し、言葉によって相手の感情を落ち着かせ、または、動かしていく手法、NLP、精神言語プログラミングという手法を創り出したのです。
このNLPという手法は、目や耳、鼻や口という感覚器官を通じて外界から得られる刺激を神経を通じて脳で認知され、それが感情や行動としてアウトプットされるという図式を利用します。
ここで一番重要なのは、脳で認知され、分析され、感情や行動という出力につながるということ。
脳が入ってきた刺激を認知しすることが、感情や行動になるのです。
だから、NLPは心理学もさることながら脳科学も大切な要素となって来ます。
なぜなら、脳の情報処理が行動や感情のもとになるのですから。
(関連記事:記憶のメカニズムを心理学で解明する。~記憶の種類とは~)
NLPの効果とは
NLPの効果とは、脳へのインプットである感覚情報に情報を付け加えることで、その後の行動や感情へ結びけたり、記憶を強化させたりすること。
やり方の一つを例に挙げてみましょう。
感覚情報とその感覚情報から生まれる感情の間には、その2つを結びつける記憶があなたの中にあります。
その記憶はいつどこで出来たものかあなた自身が知っている時もあれば、知らない時もある、そんな無意識の中にある記憶。
普段は、心の奥にしまわれており、意識がその覆いとなっていますので、あなた自身がなぜその感覚情報からその感情が生まれるのか気付くことはありません。
たとえば、知り合いが別の知り合いをけなしているのを聞いて嫌な気分になったとしましょう。
ですが、あなたは、なぜ嫌な気分になったのか、それに気づくことはまずないはず。
実は、その他人をけなす言葉を聞いて嫌な気分を起こすことにつながる記憶は、あなたの無意識の中にあるのですが、意識がしっかりしているからそれに気づくことはできないのです。
催眠療法であれば、この記憶に触れて変化を促していくのですが、NLPではその記憶に触れることをせず、直接その言葉と感情の間の結びつきを変えていきます。
この手法は、ビリーフチェンジという手法ですが、知り合いが知り合いをけなすという言葉を聞いて想像するイメージを作り上げます。
そのイメージを別のイメージに置き換えたら全く別の反応が生まれるのです。
例えば、海と聞いたらどす黒い赤、汚い緑というイメージを持っているとしましょう。
もしかすると、その人は、そんな色のイメージの赤潮と藻で汚れた海に何かしらの想いがあるのかもしれません。
簡単に、海のイメージを変えてくれといっても、ほぼ無理な相談。
ですが、その赤と緑を青、白というイメージに置き換えるとどうなるか。
それは、おそらく、真っ白な砂浜を想像する人に変わるのではないでしょうか。
どす黒い赤色と汚い緑色の海は、そのまま、憂鬱で汚れた心を生み出します。
ですが、真っ白な砂浜と澄み渡った青い海と空にかえて想像することができれば、おそらく心が洗われる思いがすることになるでしょう。
このように、単純に変わることもあれば、なかなか変わらないこともありますが、イメージを置き換えるというところに脳の変換機能の出口を変える効果があります。
つまり、相談者の脳の変換機能に変化を与えていくことで、出口となる行動や感情を操作することができる手法がNLPなのです。
(関連記事:催眠誘導のトレーニング法。ダブルバインドで誘導する言葉で話す方法)
NLPとは、わかりやすくいうとコミュニケーション法
このように、脳科学にも波及するNLPですが、もっと簡単に、わかりやすくいうとコミュニケーション法です。
NLPでは、VAKという3つの感覚情報を重要視しています。
それぞれの意味は、
- V:visual(視覚情報)
- A:auditory(聴覚情報)
- K:kinesthetic(体感覚)
それぞれの目や耳、皮膚など感覚器を通してこの情報が入ってきます。
そして、この感覚記憶という情報を脳が処理していくのですが、この時に、それぞれの情報の意味付けを変えていくのがNLP 。
あなたが相談者など相手とコミュニケーションを取るときに自分の想いをとうとうと語り続けるのではなく、相手が気付くように、VAKを駆使しながら相手の得意な感覚を与えるように重点的に話していくのです。
つまり、視覚的に優位な人には、「見える」という言葉を多用し、聴覚が優位な人に対しては「聞こえる」という言葉を多用し、体感覚が優位な人には、「感じる」という言葉を多用するのです。
相談者などあなたがコミュニケーションを取る相手は、そのVAK中でも特に優位な感覚があり、その感覚に通じる言葉を使うことで、その言葉が脳に響く言葉になる。
だから、相手に響く言葉になり、コミュニケーションをうまく取る方法になるのです。
(関連記事:一瞬で人の心を誘導する技術のミルトン話法とはミルトンモデルを引用した会話術)
まとめ
以上、「脳科学でのNLPの効果とは!わかりやすくいうとコミュニケーション法」をお伝えしました。
相手の脳に伝わる言葉を使うことで相手に伝えるコミュニケーション手段がNLP。
NLPにも細かい手法がいろいろあり、その公式ともいえる言葉の型もあります。
ですが、そのNLPの基本は、相手の脳に響き渡る言葉を投げかける技術なのです。
(関連記事:NLPとは心理学生まれのコーチング・カウンセリング技術)
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