ヒプノセラピーで使われる潜在意識とはいったいどのようなものなのでしょうか。
字の意味をそのまま受け取ると潜ったところに在る意識。ですが、潜ったところとはどこに潜っていくのか知っていますか?
そもそも、潜在意識とは何かというと無意識に行動するといった無意識のことで意識していない意識のこと。
普段あなたが想像したり、考えたり、判断したり、決断したりする自覚できる意識と対になるものが潜在意識なのです。
ヒプノセラピーで使われれる潜在意識とは
ヒプノセラピーで使われる潜在意識とは、意識の表面下に潜ったところに在る意識のこと。
奥の方に潜ったところに在るから潜在意識なのです。
潜在意識は海の上に浮かぶ氷山の海面下の部分に例えられ、海の上で浮かんでいるものだけから深海の様子を知ることはできません。
海底の様子を知るためには、海の底に潜らなければわからないのです。
あなたという存在構成する精神の部分である、性格や人格を構成する意識についても同じ。
表面だけでわかる顕在意識は海面に浮かんでいる漂流物にすぎず、海全体を知るためには、海の底に潜らなければならないように、あなたの潜在意識を知るためには、意識の底にあって普段気にも留めていない深いところに潜ることが必要なのです。
ヒプノセラピーでの潜在意識と無意識の違い
ヒプノセラピーで使っている潜在意識と無意識の間には大きな差はなく、ありません。
細かくいうと違うといえるのですが、たとえてみるなら、右手と左手のようなもの。
同じあなたの身体の一部ですし、同じ役割を果たしているから右手も左手も同じようなもの。
潜在意識と無意識が違うというのは、右手と左手があなたと私は違うよね、と言っているような違い。大局から見てみると同じなのです。
潜在意識とは、あなたの意識していない意識。
普段あなたが感じたり、考えたり、判断したり、している部分が顕在意識であり、その顕在意識が判断する基準になる辞書的な部分が潜在意識です。
パソコンは、使い続けているとひらがなが勝手にあなたが普段よく変換している漢字に変換されていきます。
この勝手に漢字に替えられていくその基準になるのが潜在意識という部分。
特に、あなたが指示を与えているわけではないのですが、自然と関連性のある言葉や意味やイメージ浮かび上がってくる。
この普段パソコンで漢字に変換される時のように勝手に浮かび上がってくる見ることのできないデータベースが潜在意識になります。
ヒプノセラピーとは
ヒプノセラピーは催眠を使うことで心理的な潜在意識を引き出すセラピー手法。
心理療法の一つとして見ることができるものであり、セラピストの技量や考え方などに大きく左右されることになります。
そもそもヒプノセラピーとは、ヒプノとセラピーを合成させた言葉。
ヒプノとは、ヒプノーシスのことで、英語で書くとhypnosisとなり、日本語では催眠になります。
セラピーとは、英語で書くとtherapyとなり、手術や薬に頼らない心理的な、または、物理的な療法のこと。
療法とは治療の方法なので、ヒプノセラピーとは、薬や手術に頼らずに催眠を使った治療の方法となります。
そんなヒプノセラピーは、あなたの潜在意識を表に引出してきてその潜在意識の変革を行うので、ヒプノセラピストの考え方が色濃く反映されます。
ヒプノセラピーは良い方向へ潜在意識を変えていくことができれば最高の心理療法ですが、その場さえよければいいと考えるヒプノセラピストがセラピーをした場合、クライアントの心の状態はより悪化してしまうこともあるのです。
(関連記事:ヒプノセラピーとは。第三世代の認知行動療法との相似性)
ヒプノセラピーは長い歴史を誇る心理療法
ヒプノセラピーは、その起源は記録に残っているだけでも古代エジプトの眠りの寺院というものまでさかのぼることができます。
記録に残っていない部分になると、僧侶やシャーマンや祈祷師などがその役割を持っていました。
トランス状態という催眠状態に導き入れ、潜在意識を変えていくことで心理的にも肉体的にも変化を与えていたのです。
近代に入り、フランツ・アントン・メスメルという精神科医が動物磁気でヒステリーという現在の精神病の治療に当たりました。
この動物磁気とは、現在のレイキ、手かざしにつながります。
そして、実際に時期が出ているわけではなく、催眠状態に入ることでこの治療効果が現れていることを見つけ出したのが催眠の名付け親、ジェームス・ブレイド。
その後、催眠療法として、広まり、ミルトン・エリクソン博士のような催眠療法家を輩出していきます。
この催眠療法は、薬や手術のように目に見えるものを利用するわけではないので、目に見えるものしか信じられない人からは反発を受ける手法。
ですが、精神に関する問題そのものが目に見えるものではありません。
目に見えない精神、心の問題を目に見える治療法で治そうということ自体、無理がある気がしませんか?
(関連記事:催眠療法の歴史。不安や悩みを取り去る催眠療法は心理学の生みの親)
ヒプノセラピーで使われる方法
ヒプノセラピーとは、催眠を使って潜在意識を表面化させその潜在意識に対して精神的に力を与える心理療法。
ヒプノセラピーは、いわば、心の外科手術です。
外科手術には、内臓疾患を治すだけではなく、骨折や姿勢の湾曲を治す方法もあります。
健康的に問題が無くても、美しくなりたい時に使われる美容整形のようにより自分に自信を持つための方法も外科手術の一つ。
このように、手術自体の用途が目的によって使い分けられるように、ヒプノセラピーも、用途に合わせ色々な方法を使い分けることで潜在意識を開放することができる。
そんなヒプノセラピーで使われる方法とは、次のような方法があります。
催眠誘導
催眠誘導は、ヒプノセラピーを施術されるクライアントを催眠状態に導き入れるために行われるもの。
ヒプノセラピーにおいて、ほとんどの場合、催眠誘導を行います。
中には、その誘導自体に気付かないうちに催眠状態に導かれているようなこともありますが、ほとんどの場合、リラックス法が使われることになるでしょう。
催眠誘導を成功させるためには、ヒプノセラピストと誘導される側のクライアントの間に信頼関係が必要。
だから、クライアントが催眠自体を疑っている場合、ヒプノセラピストとの間に信頼関係がないため、催眠誘導が失敗します。
クライアントに対して催眠をしっかり説明して理解してもらうのは、ヒプノセラピストの責務と言ってもいいでしょう。
(関連記事:催眠誘導のトレーニング法。ダブルバインドで誘導する言葉で話す方法)
暗示
暗示とは、潜在意識の中にある記憶に対してその意味付けを与える行為。
潜在意識は普段あなたの記憶の奥底に眠っているので、潜在意識に何かしらのアプローチを仕掛けるためには、潜在意識の外、意識の水面上に引き出してくる必要があります。
この潜在意識に暗示を与える時に使われるのが催眠誘導によって導かれる催眠状態。
意識の奥の方にしまわれている状態では、その記憶の意味付けを変えることは困難になります。
だから、催眠誘導により、催眠状態に導き入れ潜在意識を表面化させるのです。
サブリミナル効果のように潜在意識を表面化させなくても意味付けを変える方法もありますが、自分が納得せずに記憶を変えられるのは、暴力的であり、エコロジカルではありません。
記憶の意味付けを変えるには、自分の意志でもって変えていくのが倫理的、道徳的に良いと思いませんか?
ヒプノセラピーによる暗示は、あなたの潜在意識の意味付けをあなたの意志で変えていく方法なので、とても穏やかな方法であり、あなたの心が納得できる方法なのです。
イメージ
イメージを利用する方法もヒプノセラピーの一つ。
イメージとは、潜在意識を抽象化して代理表現されたものになります。
潜在意識のなかには、思い出したくない過去の記憶や隠しておきたい秘密の意識もあるでしょう。
そんな潜在意識を無理やり露骨に引き出すことはあなたの心に大きなダメージを与えることにもつながりかねません。
だから、あくまでも、エコロジカルに、そして、平和的に潜在意識を表面化させるにはイメージを利用するのが良い方法なのです。
たとえば、自分の中の攻撃性を嫌い押し殺しているとしますと、その攻撃性を直接表面化させることは、クライアントの心にダメージを与えるばかりでなく、ヒプノセラピー中に攻撃的な人間を創り出してしまうことにもなります。
そんな危険なことを避けるためにも、潜在意識の代理表現としてのイメージを利用するのが安全です。
攻撃性自体を例えば、包丁が怖いとか、銃が恐ろしいなどと潜在意識をほかのイメージに置き換えることで穏やかでなおかつ効果的なヒプノセラピーを行うことができるのです。
年齢退行
年齢退行とは、記憶の時間軸を巻き戻して当時の様子を再現する方法。
潜在意識に刻まれた当時の状況を思い出すことにより、その時に起こったことを現在の視点から見直すことができるヒプノセラピーです。
潜在意識の中に眠るものは、過去に経験したことや体験したことが元になって記憶として残っています。
だから、潜在意識の記憶を表面化し、当時の状況を事細かく思い出すことができる年齢退行が有効なのです。
潜在意識を奥にしまったまま表面上でやり取りをしていても、服の上からかゆいところを書いているようなもの。
実際にかゆいところに直接かゆみ止めを付けるからかゆみを何とかできるのです。
年齢退行の理論はこれと同じで、当時の記憶を再現することでその潜在意識に刻まれた意味付けを明らかにすることができる。
そして明らかになった潜在意識の意味付けを、ポジティブで肯定的なとらえ方に変えていく方法が年齢退行のヒプノセラピーです。
(関連記事:ヒプノセラピーは危険なのか。過去や前世のトラウマが再発した人へ)
インナーチャイルド
インナーチャイルドとは、あなたの潜在意識の中に眠るものを、子供状態のあなたというイメージを利用して潜在意識を表面化させるヒプノセラピー。
退行催眠が時間軸を巻き戻すヒプノセラピーであるのに対し、潜在意識の中の過去の記憶を子供の姿を借りてイメージ化させる方法がインナーチャイルドというヒプノセラピーです。
現実のあなたと、潜在意識の中の記憶が客観的に対峙することができるので、潜在意識の記憶に対する主観的な意味付けを客観的に見ることができる。
イメージを利用し、潜在意識の中の意味付けを変える効果的なヒプノセラピーの一つです。
ハイヤーセルフ
ハイヤーセルフというのは、高次元の世界に位置するあなたのことでマズローの欲求五段階説の6番目の欲求や、高級霊としてスピリチュアルの世界でとらえらえれているもの。
あなたの心の中には、あなたの生命を維持するために、食欲や性欲、排泄欲のような次元のものが潜在意識の中に刻み込まれています。
このようなものと対になるもの、世界平和のために、愛のためにという高次なものまで次元の低い潜在意識から、次元の高い潜在意識まで潜在意識は幅広く存在します。
人により、どの次元のものが重視されているのかは変化しますが、どの次元のものもゼロではありません。
そして、そのあなたの中の神様的な精神がハイヤーセルフ。
あなたの中の神様的なこころをイメージとしてあらわしたものがハイヤーセルフなのです。
ハイヤーセルフと対話することであなたの潜在意識レベルで望んでいることを知ることができるかもしれないし、体調の変化も訪れるかもしれません。
なぜなら、ハイヤーセルフは、あなたの不随意筋や副交感神経を司る潜在意識がイメージになったものなのですから。
エンプティチェア
エンプティチェアとは、空席のこと。
目の前の空席を埋めるように、あなたが合いたいと望む人と出会うヒプノセラピーの方法です。
ヒプノセラピーは、イメージを創り出す方法なので、潜在意識レベルから会いたいと望む人のイメージを創り出すこともできる。
その具体的な方法がヒプノセラピーのエンプティチェアです。
前世療法
前世療法は、退行催眠の一つで年齢退行を行うように時間軸をさらに過去へとさかのぼるヒプノセラピー。
あなたの潜在意識が生まれる前の記憶として刻んでいる記憶、遺伝子レベルで持っている記憶をイメージ化するヒプノセラピーの方法。
子どもの頃の記憶を見るように、生まれる前の記憶、前世の記憶をイメージ化する方法が前世療法です。
前世に起こった記憶としてイメージされるものなので、本当に前世なのか、前世で起こったことなのかということは問題ではありません。
ヒプノセラピー、催眠療法の世界はイメージの世界であり、夢の世界。
夢は潜在意識が代理表象としてイメージ化したものであり、潜在意識のかたまりであるように、生まれる前から持っていると感じている潜在意識を催眠誘導でイメージ化するヒプノセラピーが前世療法なのです。
(関連記事:ヒプノセラピーを使って前世を自分で見る方法とは!前世の退行体験)
まとめ
以上、神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアが「ヒプノセラピーで使われれる潜在意識とは」をお伝えしました。
ヒプノセラピーとは、潜在意識に刻み込まれた記憶をイメージ化する手法。
イメージになるからこそ、思い出したくない過去の記憶も安全に表面化させることができるし、抽象化されることで言葉では表せないものも表現できる。
ヒプノセラピーで使われる潜在意識は、あなたの人格を創り出すものであり、あなたの人生を作り上げていくものなのです。
その潜在意識の意味付けを客観的に見つめなおすことで新たな意味付けをしていくヒプノセラピー。
あなたの性格、あなたの人格、あなたの人生を作り上げている潜在意識を変えていくことができるのがヒプノセラピーなのです。
(関連記事:催眠療法とは)
コメントを残す