こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
ヒプノセラピーは危険なのか。
そんな疑問の答えは、ヒプノセラピーを本当に知っている人なら、すでに持っているかもしれません。
実際にヒプノセラピーを受けて、過去や前世のトラウマが再発した人がいるのは事実。
反対に、ヒプノセラピーで思い悩んでいた問題が氷が解けるように消えたという人がいるのも事実。
ヒプノセラピーが危険なのか、どうなのか。
その答えを、これからお話ししていきましょう。
ヒプノセラピーとは
ヒプノセラピーとは、日本語に訳すと催眠療法であり、相談者を催眠という状態で悩みや問題を解決する方法。
心理的な要因を解消するための心理療法の一つです。
ヒプノセラピーは催眠状態を利用することで、相談者の潜在意識の奥にしまわれている記憶に対して働きかけることができます。
過去の記憶の意味付けを変えることで、問題を解消していこうという心理療法なのです。
ヒプノセラピーの歴史は、文献に残っているものでも眠りの神殿に代表される古代エジプトにさかのぼることがでるくらい古い。
日本でも、巫女などに代表されるような宗教的なものや安倍晴明のような陰陽師のようなものもその一つと言えるでしょう。
ここで、湧き上がるのは、「なんだ、怪しい根拠のないスピリチュアルな世界のもので、インチキか」という疑問。
この疑問への答えは、「プラセボ効果でも、効果には変わりがない」ということです。
プラセボ効果とは、偽薬効果と呼ばれるもので、薬だと思い込んで飲んでいれば効果が現れるというもの。
このプラセボ効果は、医学的な薬の効果としては否定されますが、実際にはその人に効果が現れています。
つまり、偽薬だったとしても、その効果は実際に現れているので真であるということ。
実際に医療の現場では、不眠薬を飲みすぎる人などに対して、過剰で危険な投薬を避けるためにプラセボ薬が処方されることがあります。
反対に、本当の薬でも飲み続けると効き目が無くなるということを信じている人は、そのうちに薬の効果を感じられなくなり、必要な薬を飲み続けることができなくなることも事実。
その人にとって、良い効果が現れるのであれば、例え、思い込みであっても、その効果は現実であり、真実なのです。
記憶とは、基本的に思い込みであり、現実でもなければ、真実でもない。
その例として、スマホをいつもの場所に置いたはずなのに、そこに無い状況を想像してみてください。
おそらく、あなたは、家族の誰かがさわったのか、誰かにとられたのか、どこかに忘れてきたのかと考えるでしょう。
ですが、実際には、何かの用事があり、たまたま違う場所に置いていたことを忘れていただけ、ということが大半です。
これが、記憶はいつも正しいわけではないということ。
もう一つ例をあげてみましょう。
初恋の相手を思い出してみてください。
次に卒業アルバムなどでその初恋の相手を実際に見てみましょう。
すると、「あれ、こんな人だったっけ」と記憶と現実の違いに驚くところが少なからずあるでしょう。
このように、記憶はいつも正しいとは限らず、どこかですり替えられたり、上書きされたりと、変化をするものなのです。
つまり、真実でも現実でもない記憶を変えることは、単に思い込みを変えること。
その手段が心理療法である、ヒプノセラピーなのです。
プラセボ効果のところを思い出してほしいのですが、ヒプノセラピーを受けることで変化を得ることはできないと思い込んでいたら、その人に変化は訪れません。
どんなに優れた薬でも、その効果を信じられなかったら、睡眠薬と同じように、飲んでも効かないということになるのです。
どこかの宗教ではないですが、「信じる者は救われる。」という言葉。
これは、人間の精神的な一面を表現している真実の言葉ではないでしょうか。
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ヒプノセラピーは危険なのか
このような、ヒプノセラピーは危険なのか、というはなしをときおり聞くことがあります。
薬にしても、よく効く薬ほど副作用は必ずと言っていいほどあるもの。
では、ヒプノセラピーの危険性はどこにあるというのかというと、その使い方にあります。
ヒプノセラピーは、記憶の意味付けを変える方法なので、その意味付けを悪いとらえ方に変えてしまうと、よくなるどころか悪くなってあたりまえ。
実際に、今まで持っていた問題が、ヒプノセラピーを受けたために、よりひどくなる人もいます。
たとえば、こんな例がそのサンプル。
年齢退行催眠によるヒプノセラピーを受けて、過去のトラウマを思い出し、忘れらなくなった。
前世療法という催眠療法を受けて、忘れていた嫌な思い出なのに、ずっとつきまとうようになり、とても苦しい。
このような経験を持っている人がいるのも事実です。
これだけを取り上げるとヒプノセラピーが危険なように見えるのですが、実は、そうではありません。
なぜなら、ヒプノセラピーはあくまでも手段であり、心理的な問題を解決する方法だから。
ヒプノセラピーを受けてトラウマが再発して離れなくなったというのは交通事故と同じです。
ちょっと想像してみて欲しいのですが、交通事故が起こるのは、運転する人の判断や技量が原因。
移動の手段や方法でしかない車や自転車は、けっして悪くはないのです。
(関連記事:ヒプノセラピーで効果のある3種類の方法とは誰よりも幸せになる方法)
ヒプノセラピーで年少期や前世のトラウマが再発する理由
ヒプノセラピーを受けて年少期や前世のトラウマが再発するのには理由があります。
その理由とは、問題がひどくなった原因のヒプノセラピーにおいて、記憶の意味付けについて、間違った解釈をしてしまったから。
これは、受けた側が悪いのではなく、その時のヒプノセラピストがそのように、記憶を枠づけたからにほかなりません。
ヒプノセラピーを受けると、過去の記憶に触れることになるので、思い出すことは避けられません。
だから、その思い出した記憶の意味付けを変えて、新たな学びとしてとらえなおすことが必要。
ですが、そのヒプノセラピーでは、トラウマを新たな学びではなく、誰か、何か他のせいにしているのです。
あなたが悪いのではなく、親が悪い、上司が悪い、友達が悪い、会社が悪い、学校が悪い、世間が悪い、環境が悪いというような意味付けをされているのです。
このような意味付けでとらえると、ヒプノセラピーを受けた時は「ああ、そうか、自分が悪いのではないのだ、」と、気持ちよくなるのですが、その後が大変。
トラウマは消えることはなく、ひたすら、あいつが悪い、あの場所が悪いとひたすら否定的な感情にとらわれ続けるのです。
なぜなら、今のみじめなあなたがあるのは、そのせいだから。
今の自分の現状がみじめで悲惨なものとして感じれば感じるほど、恨みが大きくなる。
そうなれば、トラウマは忘れるどころか、さらに大きくどす黒くなり、ひたすらあなたのこころをとらえ続けることになるのです。
この原因は、退行催眠、前世療法というヒプノセラピーを受けたセラピストの「自分のセラピーを受けたその時、気持ち良くなってくれたらいい」という考え方。
そのセラピストについていく限り、トラウマが消えることはなく、ひたすら否定的な感情が大きくなっていくでしょう。
(関連記事:前世の記憶を思い出す前世療法はブライアン・ワイス博士の効果ある心理療法)
トラウマを強化するヒプノセラピーは危険
ヒプノセラピーでトラウマを「あなたは悪くない、悪いのはあいつのせいなのだ」とすると、相談者も簡単に納得してくれるので、とても楽に終わることができ、相談者も気持ちよく帰っていきます。
ですが、このヒプノセラピーがトラウマを強化するので危険であるということ。
どういうことかというと、人のせいにしていると、あいつが悪いという攻撃的で、否定的なこころの闇につかまり自分の気持ちをコントロールできなくなります。
わたしは何も悪くないのに、あの人はこんなことをしてくると人を恨み続けたり、私がこんな家に生まれたからこうなったと不幸を感じ続けるようになったり、なぜこんな不幸な人生なのだろうかと考え続けたりしてしまうのです。
こうなる理由は、ヒプノセラピーが潜在意識にしまわれている記憶の意味付けを変えることだから。
つまり、あなたの考え方の基本となる無意識の領域に「自分は悪くない、いつも悪いのは他人なのだ」という意識をヒプノセラピーでプログラムしてしまうのです。
それでは、トラウマを手放すには、どうしたらいいのか。
そのことについて、少し考えていきましょう。
(関連記事:人為的に嫌な全ての記憶を消す方法!トラウマ克服方法ヒプノセラピー)
トラウマを再発させないヒプノセラピー
トラウマを再発させないヒプノセラピーとは、トラウマをトラウマととらえないヒプノセラピーです。
トラウマとは、精神的なショックを受けた時にできるこころの傷で、心的外傷と呼ばれる精神分析学を作ったフロイトが提唱した言葉。
そのトラウマは、精神的なショックが大きければ大きいほど、記憶に残りいつまでも繰り返し思い出します。
さらに繰り返して思い出すことでより強くなった感情とともに深く記憶に刻み込まれていくというもの。
ここでポイントとなるのは、トラウマが記憶であるということ。
つまり、ヒプノセラピーで意味付けを変えることができるのです。
トラウマが再発するような間違った意味付けではなく、トラウマを再発させない意味付けとはどんなものなのか。
その答えは、トラウマを肯定的にとらえること。
誰かのせいにして否定的にとらえるからトラウマが大きくなるのであって、肯定的にとらえるとそのトラウマは小さくなってトラウマではない記憶となるのです。
それでは、トラウマを肯定的に意味づけるために行うヒプノセラピーとはどんなヒプノセラピーなのか。
それは、そのトラウマを学びとして意味付けること。
トラウマという記憶からも学びや気付きを得ることができます。
その学びや気付きは、ヒプノセラピーを受ける人のこころの中にあります。
他の人では気づけないような記憶のネットワークを一人一人が持っているのです。
ネガティブなイメージの強いトラウマを、ポジティブで肯定的な学びに変えるために使うのが、ヒプノセラピーという手段。
暗い闇のトラウマを、さらに暗いネガティブな「あなたは悪くない、他人が悪いのだ」という意味付けとしてはいけないのです。
トラウマがあなたにとっての学びとなった瞬間、トラウマではなくなり、輝かしい記憶へと変化します。
そうすれば、トラウマを手放すことができる。
暗く否定的な記憶はいつまでも思い出してしまいますが、明るく肯定的な記憶は思い出すことはほとんどありません。
例え思い出したとしても、明るく肯定的な記憶は気持ちの良い記憶であり、すがすがしい気分に浸ることができるでしょう。
(関連記事:意味ネットワークとは。活性化拡散モデルと階層的ネットワークモデルの違い)
まとめ
以上、「ヒプノセラピーは危険なのか。過去や前世のトラウマが再発した人へ」をお伝えしました。
ヒプノセラピーはあくまでも手段であり、ヒプノセラピーが危険か危険でないかはそれを使う人によるということ。
料理をする時に使われる切れる包丁はとても便利ですが、人に向けて突き刺すと立派な凶器になります。
物や手段が悪いのではなく、ヒプノセラピストの考え方や方向性、相談者にどうなってほしいのかということに依存するのです。
もしあなたが、ヒプノセラピーを受けてトラウマがひどくなったと感じているのなら、トラウマを学びへと変えてみてください。
それが、あなたをトラウマから救う、唯一の手段なのですから。
(関連記事:ヒプノセラピーに効果はあるのか。催眠療法のトラウマへの効果とは)
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