インドの神様で最高の地位にあるブラフマー神とヴィシュヌ神、そしてシヴァ神。
それぞれ、過去、現在、未来を司っているといわれます。
3神とも宇宙が生まれた時から存在するといわれる偉大な神々で異なった特徴を持っています。
その3神それぞれの特徴を考えてみると、この3神に関して異なる見解があることを考慮したとしても、現在、過去、未来、それぞれの時間の力関係が見えてくるのです。
世界の創造神、過去のブラフマー
4つの顔と4本の腕を持つブラフマー神は世界を作ったとされます。
インドの神話によると、はじめ、世界は混沌としていてそこに水が生まれ、その中に種をまくと黄金色の卵になってその卵からブラフマー神が生まれたそうです。
そしてブラフマー神が、その卵の殻を使って、地面や空を作り、そこに生命が息づく世界を作ったそうです。
宇宙を作ったのがブラフマー神なので、宇宙そのものとしてとらえられることもありますが、そのいきさつから過去を司っているとされます。
激情派の破壊神、未来のシヴァ
シヴァ神は世界を壊すといわれるくらい破壊力が強いため、そこが強調されがちですが、病気も直すことができるため、2面性を持ち合わせます。
破壊すること、ということから、ヨガの源流ハタヨガを伝えたのもシヴァ神であり、不純なものや障害を破壊して、病気を治す力を持っていることもその力の一つ。
破壊と破壊による創造という両極端な能力を持つとともに、自分の子供ガネーシャの首をはねたり、ブラフマー神の顔を一つ切り落としたりできるほどの冷酷な側面があります。
人々を救う現在の神、ヴィシュヌ
ヴィシュヌ神は3歩で世界を一周できるとか、世界ができてから終わるまでの時間はヴィシュヌ神にとっては瞬き1回分の時間と等しいという話があるほどスケールの大きな存在です。
ヴィシュヌ神のへそからブラフマー神が生まれ、ヴィシュヌ神の額からシヴァ神が生まれたとされていて破壊の神シヴァでさえ、ヴィシュヌ神には絶対に勝てないとも言われています。
また、ヴィシュヌ神は大きな亀になって大地を支えたり、大きなイノシシになって水をすくいあげるとか、英雄となって暴君から人々を救うなど、強いだけでなく、困っている人のために動く神様というところからもインドでは絶大な人気を持ちます。
仏陀はヴィシュヌ神の9番目のアヴァターラ(化身)だとか。ちなみにこのアヴァターラという言葉、ゲームなどで使われているアバターの語源とも言われています。
未来、過去、現在、どれが最強か
さて、インドの神様を見てきましたが、未来のシヴァ神、過去のブラフマー神、現在のヴィシュヌ神、どれが強いかというと、1ヴィシュヌ神>2シヴァ神>3ブラフマー神でしょう。
理由はシヴァはヴィシュヌに勝てない、そして、シヴァはブラフマーの顔を一つ切り落とした、というところからそう考られます。
つまり、現在が一番強くて、次に未来。そして最後に過去、の順番となります。
現在の行動次第で未来はどうにでも変化する。行きつく先は死、という破壊であったとしても、その過程である現在次第で、つまり、今をどう生きるか、どう行動していくかで、未来をコントロールできるわけです。
そして、その結果幸福な未来を手に入れたら、どれだけ過去に苦労しても笑い話にすることができる。言い換えれば、あなたの未来はどれだけひどい過去であったとしても、バッサリと切り捨てられるくらいの力を持つといえるでしょう。
つまり、未来に希望を持ち、現在あなたがとる行動次第では、未来を変えることができるし、過去にどんなトラウマがあったとしても未来を手に入れられるなら、どんな過去をも打ち砕くことができる、ということになる。そう思いませんか?
まとめ
「未来のシヴァ神と現在のヴィシュヌ神、過去のブラフマー神。インドの神々でわかる時間の力関係。一番強いのは?」ということで少し調べてまとめてみました。
未来のために現在を大切にすることはよく言われていますが、インド神話にも見られるくらいの古代から、延々と語り継がれていることに驚きを感じえません。
過去に縛られないためには未来の力を借りる。そして、未来をコントロールするために現在を生きる。
神話には学ぶところが多いですね。
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