こんにちは。
神戸ヒプノセラピー、催眠療法のベレッツアです。
さて、世の中には、心の問題に対して効果のある心理療法として、ゲシュタルト療法というものがあります。
この心理療法で感情を探るのは怖いという人がいるですが、それは本当なのでしょうか。
ゲシュタルト心理学とは、行動心理学とは違う次元の来談者中心療法に近い心理学。
意味でつながる記憶のシステム、意味ネットワークがゲシュタルト心理学を理解するポイントになります。
意味ネットワークとは記憶のシステムとして心理学で研究されているもので、感情の連鎖がなぜ起こるのかがわかる
そうすると、あなたはゲシュタルト療法の真実の姿を見ることができるようになるでしょう。
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ゲシュタルト療法とは
ゲシュタルト療法とは、心理療法の一つであって、フリッツ・パールズというユダヤ人の精神科医がゲシュタルト心理学という理論を作り上げ、心理療法に展開したもの。
ゲシュタルト療法のゲシュタルトとは、ドイツ語で、形とか、形態、形象のことであり、ゲシュタルト心理学では、「形、携帯、個々の部分がまとまって構成する一つの形」のことです。
ゲシュタルト心理学はあなたが持っているこころを部分的なものや要素的なものを寄せ集めてできたものではなく、全体性や構造に重点を置いて心の動きをとらえる心理学。
この全体性のある精神的なまとまりのことをゲシュタルトとゲシュタルト心理学は呼んでいるのです。
そして、ゲシュタルト心理療法は、「今、ここ」を主にしてセラピー。
あなたが関心を持っている事「図」とその背景「地」を構成していきます。
ゲシュタルトとはいろんな個々を見てそれら「図」と「地」を統合し再構成して認知すること。
例えば「二」をみて横線が二本と認知するのではなく、漢数字の2であると認知することがゲシュタルトです。
いつまでも「二」を2として認識できなければ、いつまでも心に残ったまま続きが気になったままになります。
ドラマの次回予告のように途中で終わることのように気になって仕方がないという、マーケティングに使われているツァイガルニク効果がそのよい例。
そして未完成のゲシュタルトは、いつまでもあなたの心に残っており、いつでも意識の前面に出てこようとするのです。
今現在のあなたの考え方、行動、言葉がわかれば、あなた自身が問題を引き起こし大きくしていることに気づくことができる。
今現在のあなた自身を知ることで、本当の問題は何なのか、どうすればよいのかに気づくことができるというのがゲシュタルト療法です。
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生物は環境に適応することで生き延びてきた
あなたをはじめ、生命のあるものは、現状に適応することで、色々な問題や課題を乗り越えていきます。
環境に合わせて自分自身を変化させることで、絶滅せずにその環境下でいままで生き延びてきました。
この環境に適応するという機能があなたに備わっているから、常に心と体の健康を維持し、たとえ環境が変わってもそのうち慣れてきて、普通の生活をおくれるようになる。
あなたを含む生命体は、身体的にも心理的にも周りの状況に適応することでその周りの環境を自分のものとしていくのです。
だから、すでに環境に適応して心理的に平衡にある状態を壊されるような危機がやってくると、その危機に反発します。
つまり、その危機に適応するために、危機が来る前にいた安全な世界に戻って生きていきたいという欲求が生まれます。
つまり、お腹が空いて食べ物がなければ生命を維持できないので食べ物が欲しくなる。
お金がなければ生活が安定しないので、お金が欲しくなる。
地位や名誉がなければ、社会的に自分の地位が保証されないから、手に入れたものから逃れられない。
仲間からはじき出されたら一人になってしまい、生きていけないと感じ、どうにかしてグループに入ろうとする。
このように、適応がまだ途中であって、欲求が存在し、ゲシュタルトが完成していない状態に陥ると、ゲシュタルトを完成させて適応を完了させてしまおうとするのです。
そして、その事象に適応するためには、今、ここにいるあなたが自分は何を手に入れたいのかを知らなければなりません。
そして、あなた自身やあなた自身を取り巻く環境をどう操作するかによって、適応する手段を確立していくことができるというのがゲシュタルト心理学。
このように、全ての事象は意味を持って存在しており、その意味の関連において分かりやすいものが意味ネットワークという記憶のシステム。
それでは、そんな意味ネットワークを見ていくことにしましょう。
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意味ネットワークでつながる感情の連鎖
意味ネットワークとは、記憶のシステムであり、それぞれのあなたのこころの中にある記憶どうしを結ぶネットワーク。
例えば、果物と聞いてリンゴを思い出したり、イチゴを思い出したりするということ。
意味ネットワークでは、言葉の意味やイメージによって、色々な事象が結びつけられています。
だから、ある言葉が話に昇ったり横耳で聞いたりして刺激を受けると、その意味においてネットワークを結ばれた物事が同時に意識に昇ってくるというシステム。
反対に、物事を覚えて記憶として保存する時にもこの意味ネットワークに基づいて覚えることになります。
どういうことかというと、リンゴを覚える時に、「果物」、「赤い」、「甘い」、「シャキシャキした食感」とか「甘い匂い」「肌触り」といった意味づけ、ラベル張りをして覚えるのです。
これにより、果物の盛り合わせと聞くと、リンゴを思い出したりするのです。
これは言葉の力ということができます。
これは、ものだけでなく、感情についても同じ。
楽しいとか、嬉しい、怖いとか、怒り、などの感情もそれぞれ意味付け、ラベル張りがなされています。
だから、大好きな人の顔を見ると思わず笑みがこぼれるような笑顔になる気持ちになるのです。
そして、体調がすぐれていない時でも、精神的に元気になることで、体調が回復することも起こるのです。
物体と、出来事、関係する人やその時の感情、などが、ゲシュタルトとして存在しているのです。
この時、適応できていなければ、そのゲシュタルトは完成していないので、いつまでも心に残り、完成を目指す、つまり、適応できるまであなたは努力しつづけるのです。
だから、未完成のゲシュタルトを完成させ、あなたの意識から遠ざけることでその問題は片付くことになります。
未完成のゲシュタルトを完成をするには、その未完成の部分を知ることから始めなければならない、ということがわかるのではないでしょうか。
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ゲシュタルト療法で感情を探るのは怖いことなのか
このように見てきたゲシュタルト療法、わかってしまうと簡単なことですよね。
ゲシュタルト療法であなたのこころの奥をさらけ出すことは、あなたの無意識の中の感情の状態をあらわにすることなので、「怖い」と感じるかもしれません。
ですが、このゲシュタルト療法は、あなたのこころの問題を解決するために実施すること。
あなたのゲシュタルトを知り、未完成の部分、適応していない部分、適応したいと思っているところを知らないことにはその部分を埋めることはできません。
ゲシュタルトの未完成の部分を知らずに心の問題を片付けようとすることは、パズルのピースを形も図柄も知らずに探していくようなもの。
目的も分からず砂漠をさまようようなものであり、地図もコンパスも持たずに太平洋を横断しようとするようなものなのです。
ゲシュタルト療法を使ってあなたが持っている感情が出てくることを怖がって、拒否する方がよっぽど怖いと思いませんか?
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まとめ
以上、「ゲシュタルト療法で感情を探るのは怖い?意味ネットワークでつながる感情の連鎖」ということをお伝えしてきました。
ゲシュタルト心理学に基づく、ゲシュタルト療法は、未完成のゲシュタルトを完成させることでこころの問題を片付けようという心理療法。
問題に気づくべきであるというところと、自分の中でより良い状態でゲシュタルトを完成させるという面においては、ヒプノセラピーと同じ。
数多くある心理療法の根本的なところには、多くの共通点があるのです。
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