瞑想とはいったいどのようなものなのでしょうか。
何ができて、何ができないのか。
瞑想というと、禅を思い出して宗教的なもの、精神的な活動からスピリチュアル性が取り上げられやすいですが、実は、瞑想のその効果を考えると見えてくる真実があります。
それでは、瞑想についてお話しすることにしましょう。
瞑想とは
瞑想は、英語で「meditation」といい、一般的な言葉の意味としては目をつぶって深く考えること、となります。
見える物から離れてひたすら思いにふけること、ともいわれることもあります。
参照:瞑想(Wikipedia)
しかしながら、本来の瞑想とは少し違った認識が多く見られれます。
たとえば、仏教で使われることが多いところから宗教的なものを感じたり、宇宙を感じる人がいるところからスピリチュアル系としてとらえられたりすることが少なくありません。
瞑想とは、単に自分の中に眠る意識について理解を深めることにあるのでしょうか。
瞑想について理解を深めるためには、少し瞑想のやり方について後ほど触れることにしますが、まずは誤解されやすい部分についてみていくことにしましょう。
瞑想は宗教ではない
仏教において瞑想する人が多いので、瞑想に宗教的な要素を感じる人は少なくありません。
実際に宗教的な活動に瞑想を取り入れることでその教義を深めることができることから宗教性を感じるのも確かです。
ですがよく考えてみてください。
仏の教えをはじめに説いたとされるブッダは、瞑想によって悟りを得たとされます。つまり、仏教よりも先に瞑想があったのです。
実際に瞑想から宗教色を排除したものを、1979年にジョン・カバット・ジンという人がマサチューセッツ大学の医療センターでマインドフルネス瞑想として開発しています。
いまでは、オックスフォードなどでさらに研究が進められスポーツ界などいろんな分野においてその方法が活用されています。
先にあるものをあとからできたものと同一視してしまうことは間違いです。言葉で連ねた聖書はキリスト教の聖典ですが言葉はキリスト教ではないというのと同じことです。
瞑想はあくまでも瞑想であり、自己の探求を行う方法の一つであり、気づきを得る方法にしかすぎないのです。
瞑想はスピリチュアルではない
瞑想を日本的なスピリチュアルの観点、摩訶不思議な体験、魔法的なものとしてとらえる人も多いでしょう。
西洋的なスピリチュアル、つまり、soulやspiritのように自分の内面、意識としてとらえれば問題ないのですが、そうではない瞑想のとらえ方をしてしまうと大きくおかしな方向へとずれてしまいます。
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瞑想は自分の五感を使ってマクロ的な無限の世界とミクロ的な自分の奥深くを感じることですが、スピリチュアルなものとして利用する人は、その多くが捻じ曲げられてしまいます。
言い換えると、白でもなく黒でもない世界を灰色として定義してしまうのです。
瞑想はすべての定義を消し去ることが大切です。あなたの好き嫌いや正しいこと誤っていること、善いこと悪いことなどの判断基準も不要ですし、怒りや悲しみなどの感情すらも不要です。
スピリチュアルの観点で瞑想をみてしまうと、自分の信念の上に新たな気付きを上塗りすることになります。
つまりドロドロに汚れているのに、風呂に入らずに服を着替えることと同じです。スピリチュアルな観点でとらえてしまうと、見た目も汚いままですし、悪臭も取れないということ。
風呂に入ってデトックスしてから服を着替えるような瞑想とは全くちがうということなのです。
瞑想のやり方
それでは、瞑想のやり方を簡単にお伝えしましょう。
瞑想で行うことは、「集中」。これに尽きます。
すべての枠組みを外し、あるがままの自分に集中することで本来の無垢な自分を見つけることができるのです。
世間体、常識、自分の信念すらもひとまず横に置くつもりで思考を深めていきましょう。
それでは、瞑想の基本スタイルをお伝えします。
やり方は簡単。呼吸に意識を向けること。これに尽きます。
それでは詳しくお伝えしていきますね。
瞑想は知識よりも実践し何度も経験することでより深くなりますので一度で理解したと思わずに何度も実践してみてください。
姿勢
姿勢は背筋を伸ばしておくようにしましょう。
座ったままでも横になっても構いません。楽な姿勢で取り組みます。
そうしたら、つぎに目を開けたまま意識を楽にして前方を見つめます。
周りの空間をずうっと奥の方まで感じていきましょう。
視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚、五感のすべてを使って感じながら受け入れいていきます。
まぶしいとかうるさいとかこれでいいのだろうかとか一切の思考を捨て、ただ、周りの状況を感じてください。
つぎは意識を呼吸へと向けていきます。
深呼吸
まずは深呼吸。
大きく吸ってスゥ~ッと吐いてください。
吸う時に新しい空気があなたの肺の中に入ってくることに注意を向けていきます。
スウッ~と吐く時には息が出ていくのと同時に力が抜けていくようにイメージします。
ここで、目を閉じてしまっても構いません。
もう少しの間、あなた自身の呼吸を感じてリラックスします。
ただじっとする
じっとする感覚を感じてください。
何もせず、どこにもいかない。
イスやベッドに押し付けられている身体の重みを感じてください。
座っているイスやベッドや床に身体が触れているのを感じましょう。
周りに意識を向ける
今度は周りに意識を向けます。
きょろきょろせずにそのまま意識だけを向けていきます。
ただ向けるだけ。
なにか音が聞こえてもそのままにします。
抵抗を感じることがあるかもしれません。
ですが、ただ、ただ、楽にしてください。
身体の感覚を感じる
次に身体の感覚を感じていきます。
普段身体がどう感じ取っているかということを考えたことはないのではないでしょうか。
今、あなたの身体は軽く感じますか?それとも重く感じますか?
身体がそわそわと落ち着いていませんか?それともどっしりと落ち着いていますか?
身体に注意を向けていると、呼吸に合わせて体が動いているのを感じられるようになるかもしれません。
呼吸はいつも通りで大丈夫。特別な呼吸をする必要はありません。自然な呼吸で大丈夫です。
動きは胸で感じますか?それとも肩でしょうか?
お腹でしょうか。
動きを感じられなかったらそっと手をお腹のあたりにあててみます。
心が落ち着いてくる
こうしているうちに、あなたのこころはだんだんと落ち着いてきます。
とはいっても、ふと考えが浮かんできて、心がさまよってしまうかもしれません。
こころがさまよっていることに気づいたら呼吸に注意を戻していきます。
呼吸はどんな風に感じられますか?一般的なことで構いません。
呼吸は長いのか、短いのか。
深いのか、浅いのか。
ふと気づくと、この瞑想のことや他のことを考えているかもしれません。
それに気づいたら再び呼吸に意識を戻してください。
呼吸で集中するためのコツ
呼吸を使って簡単に集中するためには息が出入りするのを数えると良いでしょう。
息を吸う時に1。吐く時に2。そしてそのまま続けて3,4というように数えていきます。
すると10まで数えていきます。
10まで数えたらまた1から始めていきます。
必死になる必要はありません。
身体が自然と息をしていることに任せましょう。
考えが浮かんできても何もしません。
抵抗もせず、消そうともせず、浮かんでは消えるのに任せます。
こころがさまよっているのに気づいたら、またそっと呼吸に注意を戻してください。
ただ、ただ、じっとしています。
呼吸で身体が上下するのを感じましょう。
もうしばらく、そのままでいましょう。
集中の解除
それでは、ここで一歳の集中をやめてください。
呼吸への集中もやめて大丈夫です。
そして、そのまま、目を閉じたまま、こころを好きなようにさせます。
なにかを考えたければ考えても構いません。心がありたいように自由にさせてください。
意識の回復
それでは、意識を体に戻していきましょう。
また体の重みを感じていきます。
身体がイスやベッド、床に触れている部分に戻します。
周囲の音にも意識を戻していきましょう。
フューチャーペーシング
準備ができたらそっと目を開けます。
でも、まだ動かないで。
すこしの間、心と身体がどう感じているか探ってみます。
瞑想の終わりにこの時間を取ることでただじっとしているだけの時間が人生にとってどれほど大切な時間なのかが実感できるようになります。
この時、うまくいったとか、何かが変わった、どんな効果があったとか分析することはやめましょう。
そして、最後に一つ、立ち上がる前に、次にお話しする瞑想の効果を思い出してください。
このように瞑想を続けていけば何かが変わります。
瞑想の効果
瞑想の効果は一般的にはリラックスできるとか、ストレスやプレッシャーから解放される、平常心を保つことができるようになる、ということが言われます。
中には免疫力をアップさせるなどといったことを言う人がいます。
もちろん、それらのことは間違いではなないのですが、それはあくまでも副産物。
瞑想から得られるものであなたの中に生まれる変化にすぎません。
だから、他の人がストレスから解放されたと言ってもそう感じられない人もいますし、集中力が高まるという人がいる反面そうでない人もいます。
悩みや問題、それから得たいものについては十人十色。人それぞれ違うので、結果として、現れてくる効果は人それぞれなのです。
瞑想の本当の効果はそんな即物的なものではありません。
瞑想で得られるものを日常に活かしてこそその真実の効果が現れてくるのです。
瞑想を続けていれば、何かが変わる。
瞑想で得られるものは、この落ち着いた心を日常生活に取り入れることです。
確かに、瞑想をする習慣を持つだけでも効果があります。
それ以上に大切なのは、あなたが落ち着いた心を毎日の生活や他の人との関係、体験に取り入れた時に現れるもの。
瞑想を終える前、動き出す前には、必ずこのことを思い出してください。
瞑想の真実とは
瞑想の真実とは、実は自分自身を知ることです。
そのために呼吸を整え、力を抜き、リラックスして、すべての枠組み、すべてのしがらみ、すべての縛りから自分を解き放つ。
そうすることで、本来の自分自身に出会うことができ、物事をより深く知ることができるようになります。
つまり、気づきを得るわけです。
その気づきは合っているか間違っているか、とか、正義であるとか悪であるとか、聖であるとか邪悪であるとか、人間的な価値観は一切不要。あるがままでいいのです。
すべてを、そのまま受け止めることで、あなたにとっての真実の気づきを得ることができる。
流れをせき止めることなく、逆らうことなく、あるがままに生きることが可能になる。
つまり、今現在起こっているすべての障害が障害でなくなり、未来に起こるであろう問題を問題としてとらえないことでまっすぐ進むことができ、過去の失敗やトラウマさえも昔起こった出来事の一つとして感情的な部分を消し去って受け入れることができるのです。
瞑想とヒプノセラピーの共通点
瞑想は自己の開放によって気づきを得て人生の苦しみを消し去り、新たに進む方向を見つける方法。
ヒプノセラピーは自分の意識を、イメージ化して気づきを得て人生の苦しみを開放し新たに進む方向を見つける方法。
つまり、瞑想とヒプノセラピーはやっていることは同じなのです。
どこが違うのかというと、自分でやるのか、セラピストにリードしてもらうのかの違いだけ。
瞑想では一生かけても気付きを得ることができずに解脱できない人がいるように、ヒプノセラピーで催眠に飛び込むことができずにイメージできない人もいます。
どちらも結局のところ、自分の枠組みを外せるかどうかという違いだけ。勉強に例えるなら、独学で学ぶか、先生に教えてもらうかという違いだけ。
時間的に考えるとヒプノセラピーによって手を取ってもらいながら探求を深める方が気付きに近づきやすくなると言えますが、セラピストの技量によっては、そうではないこともあります。
瞑想の方が他の思考が混ざらない分、純粋さを保つことができるのですが、多くの仏師が解脱できないところから考えてみると、最終的な境地に至るまでは大きな試練が待っていることでしょう。
どちらがいいのかは人それぞれの価値観に依るところが大きいので一概にいうことはできません。
ただ、少なくとも、それぞれの本質を知ることであなたが選ぶべき道が決まる、そうとらえることもできるでしょう。
まとめ
瞑想とはなにか。その効果を考えると見えてくる真実とは何かについてお伝えしてきました。
瞑想とはセルフヒーリングのようにとらえらえれがちですが、それらはあくまでも二次的に生まれる効果にしかすぎません。
当たり前に宗教的なものではなく、もちろん、スピリチュアルなものでもない。
本当の瞑想のポジションは、あなたが活きていくために必要な気付きを生活に取り入れていくことなのです。
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